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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第二章・八部 超英雄
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家族団らん

「……いつもなら、そろそろか」

「ただいまぁ」

「お、父さんの声だな。ちょうど、帰ってきたみたいだ」

「おかえりなさい。ベイ、帰ってきてるわよ。アリーちゃんと一緒に」

「お、そうか。怒ってないか?旅行中に、呼び戻してしまった気がするしな」

「大丈夫。あの子は、そんなことで怒らないわよ」

「そうか。良かった」


 アリーと下での2人の会話を聞きながら、玄関に降りていく。すると、丁度荷物を部屋においてきたノービスと出くわした。


「おう、ベイ。元気だったか、変わりないか?」

「ああ、大丈夫だよ。父さんも、元気そうだね」

「あはは、仕事で疲れはしてるがな、まだまだ大丈夫だ!!」

「こんにちは」

「おう、アリーちゃん。ゆっくりしていきなさい」

「はい」

「さて」


 そう言うと、ノービスは何かを手渡してきた。招待状か?


「まず始めに、今回は呼び戻して悪かった。どうしても、必要なことだと言われたんでな。で、これがお前宛に今回預かった連絡状だ。よく分からんが、国どころか、世界の命運を左右する内容らしい。本当なのかは、よく分からんがな」

「そうかぁ」


 適当に返事を返しながら、俺は封筒を開ける。そこには、こう書いてあった。


「はい、お久しぶりベイ君。私、覚えてる?シア・ゲインハルトだよ。今回は、例の件の打ち合わせがしたくて、ベイ君も色々と忙しいとは思うけれども、ノービスさんに頼んで呼んでいただくことにしました。色々と分かったことがあるので、パーティで食事でもしながら作戦会議をしましょう。それでは、待ってます。シア・ゲインハルトより」


 ……う~ん、パーティ中にやるみたいだが、意外と重要な集まりのようだ。これは、行ったほうがいい気がするなぁ。俺は、アリーに手紙を渡しながら、その顔色をうかがった。


「……どう思う?」

「行くべきでしょうね。情報は欲しいし。色々と、頼んでおきたいものもあるし」

「じゃあ、そうしようか」

「お、行く気になってくれたか。しかし、何でベイが呼び出されたんだ?何処で、そんな繋がりを……」

「まぁ、いろいろあってね。……ところでさぁ」

「うん?」

「お城のパーティってことだから、何か決まった服装とかしていったほうがいいのかなぁ?」

「……父さんは仕事着で行くが、確かに、おめかししてくる人も多いなぁ。まぁ、入学のときと対して変わりはない。魔法使いにとっては、ローブ姿が正装みたいなものだ。ベイなら、いつものそれで大丈夫だろう。特に、目立って汚れてもいないようだしな」

「そっかぁ」


 多くの激戦を共に戦ってきたローブだが、意外と綺麗なまま今も着れている。やはり素材が違うからだろうか。一体化して、衣類に行くダメージが少ないとはいえ。ここまで物持ちがいいのは、ローブ自体の出来が良いからに違いない。これをくれた、アリーに感謝。


「それじゃあ、私もこれで行こうかしら。お揃いだし、ベイとどんな関係かわかりやす……。いや、駄目ね。きっと、お祖父様とお父様もいるわ。面倒な2人を上手くかわせるとは、限らないわよね」

「……そうか、アリーのご家族もお城で勤務してるんだっけ」

「ええ。……明後日、私は家に戻るわ。そこで、着替えてお城に行く。後で合流しましょう。そのほうが、面倒が少ないわ」

「そうだね」


 お城の中で、一体化するような事態はなんとしても避けたい。最悪、逃走時に使うぐらいにしときたい。そんな事態、嫌だけど。


「……あの2人に、ベイを合わせるのかぁ。怖いなぁ」

「大丈夫だって、父さん」

「……そうだな。ベイは、俺達の自慢の息子だ。何かがあっても、全力で俺がお前たちを守るぞ!!うん、そうだ、2人は気にしないでくれ。俺が、頑張れば問題ない。あの2人が何だ。時間稼ぎぐらいなら、俺にだって出来るぞ!!」

「……父さん」


 死ぬなよ、ノービス。


(うーん、それなら、ちゃっちゃとあの宝石の加工をしてしまいますかね)

(赤い宝石のやつだな)


 ミルクとミズキがそういう。それはいいな。あれは、アリーによく似合うだろう。楽しみだなぁ。楽しみだ……。


「皆、ご飯できたわよ」

「おっと、面倒なことの話はここまでにするか。さて、飯にしよう。旅行の思い出でも聞かせてくれないか?」

「うん、いいよ」

「また、ベイのお嫁さんが増えました」

「え?」


 その夜。家族で楽しく食事をしたのだが、アリーがズバズバ旅行のことを話すもんだから、ノービスとカエラの口がほぼ開いたままになっていた。相変わらず、うちの家族はリアクションがいいなぁ。元気な証拠だ。そして俺達は、食べ終えた後俺の部屋に戻った。


「いやぁ~、久しぶりにご主人様と一緒に食べれない食事ですね」

「なんだか、味気ないね……」

「フィー、俺も何か飲むから。一緒に楽しもう」

「はい、マスター」

「どうぞご主人様、牛乳です!!」

「お、おう」


 ……部屋狭いよ。全員はかなりきつい。ミズキなんか、狭すぎて天井にあぐらをかいて逆さまに座っている。ちょっと格好いい。


「やっぱり、前とは違うわねぇ。前とは」

「2人、増えただけなんっすけどねぇ。まぁ、今剣の状態のアルティを入れると3人っすか。こんなに狭く感じるとわ」

「こん」

「主人の部屋、落ち着きます」


 シデンは、ベッドで枕の臭いをしきりに嗅いでいる。カザネは、何故かしみじみと目を閉じて頷いていた。何か、感じるものがあるんだろうか?


「……たまご産めそう」

「!?」

「カザネって、そういうタイプなの?」

「いえ、気分というか、昔の本能というか、感覚というか。……初めての感じなのですが、何故か行ける気がするのです。まぁ、この身体では無理でしょうが」

「そ、そうか」


 もし産んだら、どうしようかと考えてしまったよ。……無精卵だからと言って、食べるわけにもいかないしなぁ。


「……して、今日はどのように寝るのでしょうか?流石に、あのベッドでは全員は無理だと思いますが」

「転移で寮に戻って、寝ればいいんじゃないか?それしか、皆が快適に寝る方法はないだろう」

「ああ、そうね。それが一番確実ね。久しぶりね、あのベッドで寝るの」

「そうですか。……この部屋だと、かなり高ぶりそうなのですが。それが、やはり一番ですかね」

「こん」


 ……どういう意味で、言ってらっしゃるんでしょうかね? シデンは、布団の上でバタバタしている。……ああいう感じの意味なんだろうなぁ。そうだろうなぁ。ともかく、皆がご飯を食べ終えたら戻って寝よう。楽しそうに、ベッドではしゃぐカヤとシデンを見ながら、俺は、皆が食事を終えるのを待った。



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