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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第二章・七部 エジェリン家と、祭りと……
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体験会4

「さて、それでは私の出番ですね……」

「……シデン、行かせるんですか?」

「師匠がミルクだからな……」

「こん!?」

「まぁ、行かせればいいじゃない。静かに皆の行動を観察してたみたいだし、何か手があるかもしれないわ」

「ふふっ、まぁ、見てて下さい」


 次はシデンか。シデンは、いつも攻めタイプなんだよなぁ。だが、今日は俺が攻めみたいなもんだからな。主導権を取っていくか。


「ご主人様!!」

「お、来たなシデン」


 勢い良くシデンは、俺の胸に飛び込んでくる。俺は、それを優しく受け止めた。すぐに、何かを企んでるような笑顔をシデンは浮かべる。ああ、いつも通りだな。可愛いんだけど、今日はその行動を待たないと決めたんだ。俺は、シデンが俺の股の間に足を滑り込ませようとしているのを、止めるように回転させて俺に背を向けさせる。


「こん?」

「シデン、今日は俺が揉む番だからな」


 さわさわと、シデンの身体のこりを探っていく。……コリなんて1つもねえな。


「こん!!」

「うん?」

「ご、ご主人様、その、くすぐったいです……」

「ああ、こことか、こことか」

「こん!?」


 尻尾が生えてるところらへんか。あと言わずもがな、腋と足裏。……しっぽがあるらへんとか、実はこってたりするんじゃないだろうか。ミエルがそうだったし。


「……」

「こ、こん!!」


 さわさわとシデンの背中とおしりの中間辺りに指を這わせる。よくは分からんが、効いているようだ。


「あっ、ちょ、ご主人様、そこ……」

「こらシデン、大人しくしなさい」

「あっ」


 俺は、シデンを大人しくさせるために腋にも指を這わせる。そして、そのままくすぐった。


「あっ、ちょ、ご主人様!!ご主人様!!」

「うんうん」

「あっ、駄目、あはは、駄目。もう、駄目!!」

「えっ?」


 くてっと、シデンは体の力が抜けたようになってしまった。軽く、その可愛い頬をつついてみるが、反応がない。……やばいか。やばいかったのか?


「とりあえず、回収しときますね」

「あ、ああ……」


 とろけたような表情をしたまま、シデンが運ばれていく。大丈夫かよ、シデン。


「……羨ましい」

「反応がないんだが……」

「ほっときゃ治るでしょ。羨ましい!!さて、次は」

「もういないわよ」


 シデンが運ばれると同時に、俺の肩に何かが着地する。


「カザネ」

「失礼します、主人」


 そう言うと、カザネは俺の肩に乗ったまま足を見せてきた。というか、裸足だな。


「私は、足ですね」

「足かぁ」


 俺は、カザネを肩に乗せたまま立ち上がり、魔法で蒸しタオルを作ってカザネの足を拭く。その後、カザネの足を探るように触ってみた。……やっぱエロいな。いや、何がかは俺にも分からないんだけど、カザネの足はエロい。何と言うか、そうとしか言えない。筋肉が付いているように感じない。だが、凄まじいパワーと色気を感じる不思議な足だ。魔法がある世界だから出来る足って感じだな。


「うーん」

「……」


 さっきから結構揉んでいるけれど、カザネは特に反応も示さない。効いていないんだろうか?


「弱りましたね」

「何が?」

「私は、この姿。主人と共に歩むと決めた時から、この姿になったら皆の前では、格好いい私でいようと決意していました。前の私とは違う、頼れる私でいよう。そう思ってきました」

「ああ」

「ですが、主人にされますと、その。……1人の女の子に戻ってしまいそうで」

「……良いんじゃないか。ヒーローも、何時でもヒーローってわけじゃないしさ」

「そうなんですか?」

「ああ、だから気にしなくて良いんだ」

「主人」


 カザネは、目を閉じるとポンと俺の肩に手をついて飛んだ。そのまま、俺の前に降り立つと俺の頬にキスを軽くする。


「……自主退場しますね。限界です」

「カザネ」

「主人、後でいっぱい甘えさせてくださいね」


 そう言うと、カザネは部屋を出て行った。うーん、可愛いやつだ。


「自主退場!!そんな手が!!」

「お、サエラ起きてたっすか」

「さて、ここからサラサ、ヒイラ、レノン、サラ、レラ、ニーナ、ロデ、ロザリオという順番で行くんだけど」

「はい」

「あえて言うわ。落ちて来なさい!!」

「はい!!」

「ええー!!」

「あの~、私は遠慮したいなぁと……」

「わ、私も……」

「ニーナとレラは怖気づいたのかしら。まぁ、撤退する勇気というのも大切よね。ある意味、深みではあるのだし」

「どうせ本番よりは軽いはずだし、ここで行かないと女がすたるわ!!」

「ロデ、気合入ってる……」

「じゃあ、サラサゴー!!」

「はい!!」


 そう意気込んで俺のもとにやってきたサラサではあったが、背中を揉んでいると途中から完全に獲物を前にしたような獣になり、俺を押し倒そうとしてきた。


「ベイ!!うわぁぁあああ~、ベイ!!」

「お、落ち着けサラサ!!落ち着け!!」

「私を、お前のものにしてくれ!!いや、私がお前を欲しい!!」

「一旦落ち着こう、落ち着こう!!」

「無理だー!!」

「あ~!!」

「回収!!」


 ミズキが、わざわざ水糸で動きを封じてから運んでいった。危なかった。俺のほうが腕力で勝っていたから良かったが、勝っていなかったら完全に押し倒されていた。危なかった。


「ベイ~!!」

「サラサって、いつもこんなんだっけ?」

「率先して向かって、すぐご主人様に倒されてる感じですね」

「ああ、だからいつもは、大人しく感じたわけね」

「本人は猛獣系だったんですね。まぁ、相手が悪かったので普段は意味をなしていませんでしたが……」

「ベイが相手じゃあねぇ……」


 次はヒイラか。


「よ、よろしくね、ベイ君」

「ああ、こっちに来て」

「う、うん」


 最初から、ヒイラのこっていそうな場所は目星がついていた。肩だ。このローブしたからでは分からない巨乳。普段、本などを読んで更にコリは溜まっていることだろう。思った通り、ヒイラの肩は硬かった。


「ひゃっ!!」

「ゆっくり揉むよ」


 あまり刺激しないように、俺はヒイラの肩を揉んでいく。ヒイラは、うつむきながら顔を赤く染めて、時折短く色っぽい息を吐きながら俺の肩揉みを受けていた。暫くしてコリがほぐれると、ブルっと身を震わせると同時にヒイラは立ち上がる。


「げ、限界みたい」

「そうか」


 俺は、そういうヒイラの頬を撫でた。とろんとした目になり、ヒイラが俺を見つめる。だが、はっとしたように表情を戻すと、俺に素早く抱きついて部屋から出て行ってしまった。……いかんな。ヒイラは、どうも引き止めたくなってしまう。いかんな。





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