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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第二章・七部 エジェリン家と、祭りと……
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ベイ式メンタルケア (結果編

「んっ……、ふぅ……」

「……」


 レビンさんの甘い声が、俺が肩を揉む度に漏れている。凝っているからな、単純に気持ちいいんだろう。そうなはずだ。えっと、肩まわりはだいぶほぐれてきたな。それじゃあ、次は首周りに行くか。俺は肩から手を離して、首の後ろに手を置いた。


「ひゃあっ!!」

「どうかされましたか?」

「いえ、すいません。ちょっと驚いてしまいまして。続けてください」

「は、はぁ……」


 俺は、何かおかしいと思いながらも続けることにした。ここも凝っているなぁ。丁寧に、ゆっくりと首を揉みほぐしていく。すると、レビンの顔が赤くなってきている気がした。彼女は、何故か手で口元を押さえている。


「んっ……、んっ……」


 俺が首筋に指を這わせる度、レビンは軽く震えるように身体を揺らしながら吐息を漏らしていた。先程肩を揉んでいた時よりも、反応が大きい気がする。まさか、首が敏感なのだろうか? そう、ふと疑問が浮かんだ俺は、確かめるべく、指で揉むのではなく彼女の肌の上をすべらせるかのようにつつっと一直線に指を下ろした。


「んんっ!!」


 ビクッと大きく身体を一度しならせて、レビンが少し前かがみになる。口元をレビンは押さえているので、くぐもった色気のある息遣いだけが部屋に響いていた。……ああ、これは予想通りみたいだな。さて、どうするか。このまま続けるのはやばそうだしな、かと言って、お客の頼みだし聞かないわけにもいかない。何処か、別に凝っている場所に変えたいところだが……。


「あの……」

「え、あ、はい」


 俺が手を止めて悩んでいると、息を整えたレビンがこちらを振り向き、赤くなった顔でこちらを見ていた。その目には、何かを期待しているかのような、俺に甘えようとしているかのような感情が見て取れる。


「分かってるんですね。私が、こんなに……」


 彼女はすがりつくかのように、俺の胸辺りに優しく手を置いた。そして、寄り添うように俺に身体を預けてくる。大きな心臓の音が、レビンに押し付けられた大きな胸の奥から聞こえてきていた。


「んっ……」


 レビンが目をつむって、俺に向かって唇を向ける。……いやいや、イカンでしょ!! これいけないやつでしょ!!


「レビンさん、ちょっとそれはまずいのでは……」

「レビンって呼び捨てにしてください。貴方が私をこんなにしたんですよ?もう、我慢出来そうにありません。こんな気持ち、生まれて初めてです。鎮めてください、私のこの気持……」


 そう言いながら、レビンは俺に迫ってきた。もう既に足は完治したのか、スムーズな動きで俺は壁際に追いやられる。


「れ、レビン。と、当店はそういったお店ではないのですが!!」

「私、こういうこと初めてなので、上手く出来るか分からないんですけど、頑張りますから」

「いや、そういうことじゃなくて!!」


 レビンは、俺の言葉も気にせず、熱に浮かされたかのように服を脱ぎ始めた。豊満な胸を俺に押し付けながら、先ずは下を脱いでいく。履いていた短パンのような服が落ち、白い下着が顕になった。


「あ、いや、待った!!それ以上はまずい!!」

「んふっ……」


 今度は下半身で俺に組み付いて、上着を脱ぎ始める。レビンがシャツを脱ぐと、その豊満な胸が揺れた。ミルクほどではないが、明らかにやばい威力のそれが解き放たれる。そして、ゆっくり眺める暇もなく、それは俺に向かって押し付けられた!!


「ねっ、ベイ君。しましょう?」


 そうレビンが言ったのと、部屋のドアが開かれたのはほぼ同時の事だった。


「お客様、お時間となりました!!」


 にこやかな笑顔で、俺とレビンを見てロデは楽しそうにそういう。もっと早く来いよなと言う感じの顔で、俺はロデを見つめた。


「……あ、あの、もう30分延長で!!」

「すいません、次のお客様が待っていらっしゃいますので……」

「じゃ、じゃあ、その次!!その次でいいから!!」

「……まぁ、お客様もその状態では帰れないでしょう。という訳でベイ君、5分だけ待つから。後よろしくね!!」

「えっ!?」


 そう言うと、ロデはゆっくりと笑顔で部屋の扉を締めていく。ごゆっくり~と、茶化すように言って去っていくロデを、俺はポカーンとしてリアクションも取れないまま見送ってしまった。


「……ベイ君」

「え、あっ、その……」


 そのまま俺は、押し倒された。


*****


「お疲れ様でした~。どうでしたか、当店の揉みほぐしは?」

「また来ます!!」

「このお祭りの三日間だけの、限定開店となっております。またのお越し、心よりお待ちしております」


 そうロデが言うと、名残惜しそうに俺の腕に絡めている指を解いて、レビンは帰っていった。チラチラとこっちを振り返ってきているのがとても可愛かった。……しかし、なんとか貞操は守ったぞ。誰も来てくれないから今度ばかりはやばいと思ったが、アリーへの俺の燃える思いと、謎のまま超絶になっている俺のテクニックがなんとかしてくれた。レビン、帰る時ツヤッツヤだった気がする。認めたくないが、俺すげぇな。何がとは言わないが、俺すげぇよ。


「はい、ベイ君も部屋に戻って。次のお客さん、捕まえてきてるから!!」

「えっ、あれ冗談じゃなくて、マジだったのかよ!!」

「勿論!!今度のお客さんは、最近冒険者になったばかりの新人冒険者の子で。気苦労が絶えないし、肉体も体力的にキツイしでストレスが溜まってるんだって。あ、胸は小さいけど、顔は気弱系美少女だよ」

「……なぁ、いまので分かったろ?俺も認めたくないけど、これはやばいって。怪しいお店のレッテル貼られちゃうって」

「ベイ君、これはベイ君の力を計る為に、必要な行為なんですよ。次の人は、さっきのお客さんとは、かなり違うタイプの人をわざわざ呼んできたんです。それもこれも、ベイ君の力が何処まで通用するのかを、タイプ別、あるいは状況別に見るためです。我慢して下さい」

「……何で、そんな嬉しそうなんだ」

「えっ!!いやぁ~、一応商売ですから。お金も貰えるし、お客さんも満足そうだし、そして何より、後で私達もベイ君の揉みを受けれると思うと……。もうこれは一挙三徳、いや、五徳ぐらいしてそうな気がして、もう嬉しさが止まらなくて止まらなくて」


 ……ロデはもうダメかもしれない。止めてくれる気が全くしない。と言うか、何で皆は止めに来なかったんだ? 俺を、信頼してくれているからだろうか? それとも、やばくなったら何時でもミズキが出ばれるからだろうか。恐らく、後者な気がする。


「さぁさぁ、夜までにちゃっちゃと稼……、もとい実験しよう!!」

「うん?夜まで?」

「そうだよ。なんてったって、夜はベイ君の一番でかい大物を仕留めた表彰式があるからね」

「……ああ~」


 さっきの事で、完全に頭から吹っ飛んでいた表彰式のことを俺は思い出した。



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