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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第二章・七部 エジェリン家と、祭りと……
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祭り内容

「うん?」


 家に入って行くと、マッチョマン達が荷物を持って出て行く。どこかに行くんだろうか。随分と大荷物だが。


「さて、俺達はそろそろ行くとするよ。思わぬ強敵が出てきたみたいだし、頑張らないとな」

「ああ、頑張るんだよ、あんた達」

「任せてよ、母さん!!」

「ベイ君、また手合わせしような」

「……ここらへんの女には気をつけろよ。めっちゃ怖いからな」

「うんうん、そこは覚えておいたほうが良いな。……気をつけろよ」

「あ、はい……」


 そう言うと、マッチョマン達は出て行く。何だろう? そんなにここらへんの女性は怖いんだろうか。彼らの反応を見る限り嘘ではなさそうだ。ちょっと覚えとくか。というか、何処に行くんだ?


「たく、うちの子達の女性恐怖症には困ったもんだね。まぁ、ここらへんは気が荒い女性しか居ないから、ああなっちまうのも仕方ないとは思うんだけど……。あんなんで結婚できるか不安になるねぇ」

「はぁ……、そうなんですか」


 サンサさんみたいな女性が多いってことだろうか? マッチョな女性がいっぱい……。あまり想像できない光景だな。いや、気が荒いだけでマッチョではないかもしれないが。


「にしても、かなり女性が多いね。それに、只者じゃない雰囲気の子がちらほら……。うちの子たちじゃないけど、私もちょっと動きたくなってくるお客様たちだ……」

「いや、やめとかれたほうが良いかと……」


 皆手加減してくれるとは限らないからな。レムやミズキ、ミルクなら問題無いだろうが。シデンやカザネなら、確実に一撃は入れてくるだろう。危ないくじ引き過ぎる。


「うーん、かもしれないねぇ。さて、ここに座ってな。今、お茶を入れてくるから」

「あ、ありがとうございます」


 俺は椅子に座らされる。居間かな、ここは? 向かいにはサラサが座っていた。そして、皆も周りの椅子に座って行く。椅子が少ないため、フィーやシデン、ミルクは俺の膝の上や肩に座った。何だろう、凄いホッコリする。ロリっ娘天国だ。(ただし、1人は強烈な爆乳)


「ご主人様もふもふ、もふもふ」

「あはは……」


 シデンが俺の頭をもふもふしながら、熱心に匂いを嗅いでいる。大丈夫か、これ?


「むっ、負けてられませんね!!ご主人様、私をもふもふして下さい!!そう、ここに丁度いいもふもふ出来る膨らみが!!膨らみが!!」

「いや、他所の人の家だから、自重しようねミルク」

「マスター、その、私も……、もふもふ」

「フィー……」


 フィーが照れながら、俺の胸に顔を埋めてくる。可愛い。俺は、フィーとミルクの背中を抱くようにナデナデした。今はこれで我慢してもらおう。


「お、仲がいいねぇ。はい、お茶。サラサも、これぐらい頑張らないと」

「はい、母さん」

「それはそうと、このタイミングで来たってことは、祭りに出るってことでいいんだよね。サラサ、話はしてあるのかい?」

「いえ、詳しい内容はまだ」

「そうか……。じゃあ、その話からしないとね。この周辺にはね、暑くなってくると大量発生する生物がいるんだ。いつしか、そいつらを狩るための激闘が興奮を呼び、祭りにまでなったっていうのがこの祭りの始まりさ」

「……ある生物ですか」

「ああ、その生物っていうのはねぇ……」


 サンサさんが床に目を向ける。俺も目を向けると、そこには大きな毛皮の敷物が置いてあった。……これってもしかして。


「熊ですか?」

「そう、熊だ。繁殖期を終え、食べるものを探しに来る連中が、この周辺にある一定時期に大量に出てくる。そいつらを一網打尽にしてしまおうっていうのが、このお祭りなのさ。もっとも、ただの熊じゃないけどね」

「というと……」

「まぁ、魔物なんだと思うんだけど。普通の熊って、大きな集団で現れたりしないだろう。それで、何か違うと思って昔に調べたらしいんだよ。それで、魔物らしいって判断が出たんだってさ」

「なんか、あやふやですね」

「まぁ、なんて言うのかね。魔力で出来てる部分が少ないというか……。まぁ、ぶっちゃけ食えるんだよ。なんら生物と変わりがないのさ。まぁ、見た目は普通のよりかなりでかいけどね」

「……魔力で強化された熊ってことかしら?」

「さぁ、難しいことは私は分からないね。ともかく、巨大な熊を倒す祭りとだけ覚えておけば大丈夫だろう。ちなみに、一番大きな熊を倒した奴には、豪華賞品が出るからね。期待してると良いよ」


 豪華賞品かぁ。熊を狩ってもらえる物ってなんだ? 鮭とかかな?


「去年は、近くの鉱山で取れた宝石を散りばめたネックレスだったね」

「はい。その前は、金で出来た熊の置物でした」

「宝石!!金!!」

「ロデ、よだれ出てる、よだれ」


 ロザリオが、ロデのよだれを拭いている。というか、ガチで豪華な商品なわけだな。普通に金銭的に価値のある物って訳だ。


「ここらへんの鉱山は、熊に荒らされることが多くてね。この祭りのおかげで、被害が少なく済んでるって言うんで、こんないい商品が出てくるのさ。ちなみに、去年の商品も、その前の商品もうちの連中が貰ったんだけどね」

「へー、そうなんですか」

「やる時はやる連中なんだよ、うちのわ。今日出て行ったのだって、祭りに備えて訓練をしに行った訳だからね。祭りの日に戻ってくる頃には、バッチリ戦闘態勢に入ってるだろうさ」

「なるほど」


 あのマッチョマン達が戦闘態勢に……。凄そうだな。


「そしてもう一つ、重要な役目をうちがしててね。熊がいつこっちに来るか、見に行く斥候の役目もしているのさ。あいつらが帰ってくる頃、空に合図の火花が上がる。その合図から、一日後が祭りの開始になるのさ。今は、それに合わせて街で準備が進んでる頃かね」

「色々な出店や、限定のおみやげなんかも出ている頃合いだ。回るのも楽しいぞ、ベイ」

「ああ、なら、後で皆で行こう」

「そうね。落ち着いて観光するのって、良いと思うわ」


 皆が頷いている。本当は、ロデの家で買い物ができればよかったんだけど、出来なかったからな。ここでは、ゆっくりしたいもんだ。


「うちの男臭い連中が出ていたからね、女子のお客様は存分にくつろぐと良い。寝る場所はどうするかなぁ……」

「ああ、お構い無く。寝る場所は、持ってきてますので」

「うん?そうかい。なら、休む時だけうちを好きに使ってくれて構わないよ。……あと、学校でのサラサのことを教えてくれないかねぇ。この子、そういうこと話したがらないんだよ。もう、母さん心配で心配で」

「か、母さん!!」

「くすっ、良いですよ」


 お茶を味わいながら、レラが学校での話をしていく。その話を横目に、俺は皆とゆっくりくつろぐことにした。




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