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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第二章・六部 攻撃魔法のスペリオ家
250/632

水属性神魔級迷宮・死の雪山6

「すげぇな……、身体が武者震いしてやがる。こんな奴がいるとは、ちょっと引きこもっている間に、世界は面白いことになってるな……」


 そう言いながら、ライオルさんは剣を構え直した。少し足に体重をかけると、勢い良く踏み込み俺達に切りかかってくる!! その瞬速の剣を、俺達は手の甲で弾いた。


「なっ!!」

「……」

「ちっ、さっきとは格が全然違うじゃねぇか!!」


 そう言いながら、ライオルさんは再度切りかかってくる。今度は、さっきより速度がました斬撃だ。だが、今の俺達からすればまだ遅い。また軽く剣をいなすと、俺達は蹴りを放った!! 軽く撃ったので、ライオルさんは当然のようにガードする。だが、威力を押し殺しきれず、足場のない空中に体を投げ出されてしまった。


「へっ、面白い!!」


 聖属性魔法で逆噴射をかけて、ライオルさんは戻ってくる。そんなライオルさんに、俺達は剣を構えた。


「モードチェンジ・フュージョンモード!!」


 アルティが、大剣に変化する。いつも一体化時に使っている、剣に似た形態のようだ。腕に馴染むな。


「……まさかな。この俺が、実力を計られる側に回るとは……。5、6割だとか言ってられねぇな」

「ベイ君が、あんな……」


 ライオルさんの顔付きが変わる。どうやら、こちらの実力が分かったようだ。出し惜しみ出来る相手ではないと。ライオルさんが、剣を構え直す。そして、その体から聖属性の魔力と、白い光の気が溢れだした!! ……本気で来るってことかな?


「魔法と、気での強化の合わせ技だ。使ったのは魔王相手以来だが、君なら耐えられるだろう。いや、耐えてくれよ。その方が、俺も嬉しい……」

「神魔級強化……」


 一体化した状態から、こちらは神魔級強化を身に纏う。今のライオルさんからは、今までに感じたことのないプレッシャーを俺は感じていた。侮ってかかる訳にはいかない。こちらも、最高の状態で迎え打つ。


「……行くぜ」


 光で、ライオルさんの移動した軌跡が残る。そのあまりにも速い踏み込みは、離れすぎた俺達との距離を一瞬で縮め、超高威力の斬撃を可能とした!! 慌てず、俺はアルティで剣を受け止める!! 受け止めた瞬間、背後の山壁の山頂部分が2つに割れた!! ……どうやら、斬撃の余波で切れてしまったらしい。出鱈目な威力だな。


「7割……」


 ヒュッ、っと音がする。だが、その音よりも早く、ライオルさんの斬撃は俺達に降り注いでいた!! 何本もの光の斬撃を丁寧に防ぎ、俺は捌いていく。……しかし凄いな。この一体化した俺達でさえ早く感じる斬撃があるとは……。流石英雄、伊達ではない。


「8割……」


 ……まだ剣速が上がっていく。光速を超え、周りの大気さえもおかしな動きをし始めた。あれ、おかしい、周りの地形が徐々に崩壊していっているような。


(フィー、アリー達の魔法での保護を頼む)

(了解です、マスター!!)


 雪が吹きすさぶ山は、俺達の一体化によって晴れ渡る山々となった。だが、今はその光景に徐々にヒビが入り始めたかのように、地形が崩壊を始めている。あれか、ライオルさんの斬撃の余波のせいだろうか? もしくは、俺達は平気だけど、俺達の足場になっている山から衝撃が伝わって地形が崩れたのだろうか?


「9割……」

「くっ!!」


 重い一撃が俺達の剣とかちあい、鍔迫り合いとなった。なんだ、滅茶苦茶重いぞ!! 俺達ですらこれとは……。この人は、たった1人でこれほどの……!!


「俺の全力レベルか。大したもんだぜ……。だが、俺にも誇りがある。受け止めきれるか、試してみな!!俺の全力を!!」

「いっ……!!」


 俺達の剣が、徐々に押されてくる。馬鹿な!! ミルクのパワーが合わさったこの状態の俺達が、力負けなんて……。


「気合の問題だぜ、ベイ君!!余裕かましてられる時間は、終わりだ!!」

「ぐっ!!」


 2つのとてつもない力がかち合う!! その時、俺達の激突に耐えかねたのか、俺達の足場の真ん中が割けるように広がった!! 更に鍔迫り合いを続けると、山が2つに割けて行く!!更に続けると、山が完全に2つに割けきり、俺とライオルさんの距離が広がった。


「堪え性のない地面だな。俺達の戦いには、向かないフィールドかもな」

「ええ。柔らかすぎますね……」

「ふっ……」


 ライオルさんが空中に浮いていく。俺も、風魔法で空中に浮いた。そして、その速度で全身を凶器とかした俺達が、大気中でぶつかる!! 更に威力をました斬撃のぶつかり合いに、迷宮が歪に地形を変え始めた!! まるで、天変地異でも起こったかのように、山が崩れ地が割けていく!!


「これは、こんな……」

「流石ベイね!!」

「それはそうなんだけど、これは凄すぎるよ……」


 魔力の膜に包まれて、アリー達も浮いている。まるでシャボン玉にでも入っているかのようだが、フィーが作った魔力の膜だろう。かなり強度があるんだろうな。まぁ、使われてる魔力量からどれぐらい固いかはだいたい分かるんだけど……。


「余所見する余裕が、まだあるか!!」

「おっと!!」


 速度を緩めず切り結ぶ!!豪快な衝撃波を周りに放ちながら、有り得ないほどの轟音が迷宮内に響いた。……魔法をかけているとはいえ、アルティが心配になる音だな。まぁ、ライオルさんの剣より先に折れることはないだろうけども……。


(ご心配ありがとうございます、マスター。その通りです。私が折れるより先に、相手の剣が折れるでしょう)

(ああ、やっぱり……)

(とはいえ、相手も私と同じ魔石で出来た剣のようです。しかも、高品質な……。ちょっとやそっとでは、傷もつかないでしょう)

(既に、ちょっとやそっとじゃない気がするけどな!!)

「うおらっ!!」


 気合の声と共に、ライオルさんの斬撃が放たれた!! だいぶ距離があるというのに、その斬撃は威力を落とさず俺達に向かってくる。


「ふんっ!!」


 一刀に力を込め、俺も斬撃を放ち相殺した。お互いに空中で睨み合う。ライオルさんの顔は険しい。それはそうだろう。ライオルさんは、今全力で動いているんだ。このまま俺達と打ち合っていては、ライオルさんの体力が持たないだろう。だが、俺達には体力的な余裕がある。このまま続ければ、俺達の勝ちは決まったと思っていいだろう。だが、それが分かっているライオルさんが、大人しくしているとも思えない。……予想通り、ライオルさんの剣が怪しく光りだした。その光は、だんだんと輝きを増していく。


「俺の聖属性魔法と、剣技を乗せた最高の一撃……。これに限るな」

「……主人、こちらも滅閃を……」


 カザネに言われ、俺もアルティに魔力を集める。すべての属性の魔力がその威力を高め合い、最高の一撃を放つ準備が完了した。


「こんな状況、……あいつと戦った時以来だな。さぁ、行くぜ、ベイ・アルフェルト!!」

「応!!」


 動きはお互いに一瞬。だが、お互いの動きがよく見えた。剣をただ振る。全力の力で!! お互いの魔力の斬撃が伸び、それが空中でぶつかった!!


「極白!!」

「滅閃!!」


 景色が、一瞬で魔力の光に飲まれていく。神魔級迷宮全体が、魔力の光で真っ白に染まった……。



 

250回目更新です。強さがやばい領域に突入してきました。戦闘描写が難しいです・・・。頑張ります。

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