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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第二章・六部 攻撃魔法のスペリオ家
234/632

修行中

「うん?」

「おかえりなさい、マイマスター」

「アルティか」


 帰ると、アルティが俺の布団の上に正座していた。よく見ると、フィー、レム、ミルク、ミズキ、カヤも起きている。ああー、出て行ったのに気づかれたか……。


「あまり、1人で抱え込まれなくてもいいですよ、マイマスター。我々が、貴方には居るのですから」

「……ああ、ありがとうアルティ。皆」


 皆が、俺に微笑んで答えてくれる。優しいな、皆は。


「さぁさぁ、ご主人様。このミルクとシデンが、布団を温めておきました。さぁ、寝ましょう」

「ああ、ありがとうな。ミルク」

「いえいえ。むしろ私こそ、ご主人様に感謝せねばなりません。もはや私は、ご主人様の体温がないと眠れない体となってしまいました。私の安眠は、ご主人様あってのもの。ご主人様には、感謝してもしたりません。子供を生ませて下さい」

「あはは、まぁ、寝ようか」

「スルー!!スルーですか!!」

「ここには、ライアさんもいるからな……」

「なるほど……。つまり、帰ってからなら良いんですか!!良いんですか!!」

「しー、ミルク。静かに……。皆寝てるんだから」

「おっと、はい」


 周りを見回す。ライアさんは、俺が帰ってくる間に寝てしまったようだな。他の皆も寝たままのようだ。ふぅ、良かった。


「主様」

「おっと、カヤ」

「私も、主様と一緒に寝たいなぁ」

「……」

「主、私も」

「レムも!!」

「殿、私も」

「ミズキも!!ということは……」

「マスター……」

「フィー……。分かった、皆で寝よう」

「勿論、私もですよ。マイマスター」

 

 一つの布団に集まって、皆が俺を囲んで眠る。俺も、皆の体温を感じながら再び眠りに落ちていき、不安を感じることもなく、朝までぐっすりと眠れた。


「起きろー!!!朝だよーー!!!」

「……」


 ライアさんの声がする。何だ、まだ薄暗いんだが……。何時だろう。朝5時くらいか?


「ほらほら、アリーちゃん。ヒイラちゃんも。準備するから、はい起きて!!」

「ううっ、始まってしまったのね。特訓が……」

「アリーちゃん、諦めよう……」

「ほらほら、ベイ君も!!」

「えっ、ああ、はい……」


 ライアさんの声で、サラサや、ニーナ達も起きてしまう。ライアさんの指示で皆でお弁当を作り、朝食を食べて、朝早くからどこかに行くことになった。家から歩いて、2時間ほど経過しただろうか。どこかの山の上に着いたようだ。


「はい、到着!!」

「昔よりは、行き来が楽になった気がするわね」

「私達も、成長したからね」

「ふふふ、それじゃあ早速、修行を始めるわよ!!」

「「はーい」」


 何がなんだか分からぬまま、近くの滝へと移動する。するとライアさんが、滝の中へと入っていった。体の周りに、水の膜を張りながら。


「まずはこの状態で、滝を受け続けてみましょうか。はい、アリーちゃんもどうぞ」

「水の膜で濡れないようにするのよ。結構難しいから、注意して。まぁ、ベイなら簡単でしょうけど」


 そう言うと、アリーも同じようにして、滝の中に入っていく。2人の水の膜にそって、水が避けて流れていった。


「はい次、ヒイラちゃんとベイ君も」

「は、はい」


 俺とヒイラも、同じようにして滝の中に入って行った。……なるほどなぁ。水の打ち付ける威力が所々で違うから、この薄い膜一つに対して、かなりの魔力コントロールが必要になって来るだろう。勿論、一気に魔力を放出して、完全な水の防壁を作っても良い。だが、それでは魔力を消費しすぎてしまう。最低限の魔力と、コントロールで、この状態を持続させるのがこの訓練のやり方だろう。なかなか面白いな……。


「おお、ベイ君上手いねぇ!!じゃあ、暫くこうしてようか」

「おばさん、何時間くらいかしら」

「そうねぇ……。お昼までかな」

「お昼まで!!」


 ……気が滅入りそうだな。まぁ、修行だしな。そんなもんか。


「皆は、いつも通りに訓練しててくれ。俺は、こっちをやってみるから」

「はい、マスター!!」

「とすると、フィー姉さんがフリーですね。どうです、フィー姉さん。私と訓練してみませんか?」

「ミルク、私もしたいぞ」

「ミズキもですか。おや、レムも。カヤも?とすると、カザネも?」

「ええ。自分の実力、試すのにフィー姉さんほど最適な相手も居ないでしょうし」

「うーん……」


 フィーが考え込んでいる。モテるなぁ、フィー。少し考えた後、フィーはこう言った。


「じゃあ、私が皆の相手をします!!同時に!!」

「「「「「同時に!!!!」」」」」

「うん。ミエル達も、シデンもどうぞ」

「えっ?」

「本気っすか、フィー姉さん!!」

「その、大丈夫なんでしょうか?」

「私達が、言うだけ野暮な気もしますけど……」

「こん!!やります、姉さん!!」


 皆、驚きこそしたが、やる気になったようだ。カヤが、棒を出現させて振り回す。


「手加減しないよ、フィー姉さん!!」

「カヤ、皆。私に、どーんとかかってきなさい!!」

「姉さん!!」

「フィー姉さん!!」


 全員が、戦闘装備を身に纏う。……あれー、やばいんじゃないか。この山、消えるんじゃないか……。


「やれやれ、フィー姉さんだけというのも、余りにも偏りが過ぎるでしょう。フィー姉さん、私がお味方いたします」

「アルティちゃん」

「私も、皆さんのことをもっと知りたいですしね。いい機会です。マスターではありませんが、姉さんなら良いでしょう。私を使って下さい」

「うん」


 フィーが、虹色の剣を手にした。やばい、強そう。今のフィーは、レム達に囲まれている状態になっているから、アルティが剣に変身したのは、誰にも見えなかったみたいだな。


「なんだか楽しそうだな。私もいいか、フィーさん」

「サラサ、はい、どうぞ!!」

「じゃあ、私も!!」

「ええー!!レラさんもやるんですか!!相手は、フィーさん1人なんですよ!!」

「ニーナちゃん。周りの皆を見てご覧。誰一人心配してないでしょう。それほど強いのよ、フィーちゃんは。前に見たとおりね」

「私達は、どうしよっか、サラ」

「ついて行けそうにないよね、レノン。2人で、ベイ君達を眺めながら練習しよっか」

「うんうん」

「私達はどうします、ロデ?」

「アイテムの整備でもしてましょう。あんたは一応、魔法メインなんだから、ベイ君達に付き合ってみれば」

「なるほど、やってみます!!」


 そう言うと、ロザリオも滝に入ってきた。うわぁ……、かなり苦戦しているのが分かる。大丈夫だろうか。


「これ、難しい、ですね……」

「途中で、休憩してもいいからね。無理しちゃ駄目よ」

「は、はい!!」


 やれやれ。そして、ふと周りを見渡すと、フィー達が消えていた。瞬間、遠くで火柱が上がる!!……ここの生態系大丈夫かな。ぶっ壊されやしないかな。心配で、少し集中力が乱れた俺だった。


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