お風呂騒動
「どうえっふ!!」
飛んできたミルクの爆乳を、両手でわしづかんで支える。(こうしないとおっぱいが半端なく重いため、首に負担がかかる)そして、そのままミルクが、俺の頭に抱きついてきた。ミルクのお腹らへんに、俺の顔が当たっている。うん、良い匂いがするなぁ……。
「ああ~、ご主人様!!お会いしとうございました!!私には分かりましたよ!!あなたと離れている1分1秒が、どれほど人生を無駄にしているか。それこそ、手に取るように分かりました!!ああ~、ご主人様!!ご主人様!!ご主人様!!」
「どうどう、ミルク。落ち着いて。俺は、ここに居るよ」
「はい!!最高です!!ご主人様が喋る度に、私のお腹に振動が……!!ああ、子供を授かりそう!!」
「……」
やばいな、ミルクがハイになっている。落ち着くまで、待つしか無いんだろうか。
「落ち着けミルク。主が苦しそうだぞ」
「レム、言われなくても分かっています。ですが、ですが、身体が言うことを聞かんのです!!離れていた間のご主人様成分を摂取せよと、身体が言うことを聞かないんです!!ただし、早く離れる方法ならあります!!ご主人様に、この場で私の身体を……!!」
「うわああああああああああああああああああーーーー!!!!!!!!ミルク、ストップ!!ストップ!!」
「くっ、分かっています……。ですから、おっぱい直飲みで良しとしますので、どうかして下さいご主人様。むしろ、子供を授からせて!!」
「おい!!いつもよりぶっ飛んでるぞ!!大丈夫か!!」
「大丈夫ではありません!!ご主人様と離れていたんです!!それこそ、私だけではありません!!」
「!!!」
まぁ、ミルクが入ってきたことで分かっていたが。どうやら全員がお風呂に入ってきたようだ。そして、駆け足で俺の身体に抱きついてきた子がいる。それは、アリーでも、アルティでもシデンでもなく。
「フィーか……」
「マスター……」
フィーは、本当に嬉しそうな声でそう言った。もう、俺はこんな短時間離れただけで、彼女達をこんなにしてしまうのだろうか……。やばいな。俺は、ミルクのおっぱいから手を離して、フィーを抱きしめた。嬉しそうに、微笑んでいるフィーの表情が分かる。フィーの顔を曇らせたくはない。これからは、あまり離れないようにしよう。心底そう思った。……あと、ミルクが怖いし。また襲われかねない。
「ご主人様!!」
「主人!!」
「主様!!」
「ベイさん!!」
「マイマスター!!」
「ぐえっふ!!」
続け様に抱きつかれて、俺は湯船に押し倒された。なんとか、力を入れて起き上がる。俺の腹筋力凄い。
「皆ぁ……」
「うむ、殿と離れていたからな。仕方ないか……」
「ミエル様も、脇目もふらずって感じっすね。恋する乙女は盲目ってやつっすわ」
「シスラは良いの?」
「そう言うサエラや、シゼルさんこそ……」
「わ、私は!!は、恥ずかしいので……」
「そうか。では、私も行くかな」
「ああー、ずるいっすよ、ミズキ!!私も行くっす!!」
「私も!!」
「え!!えっと、わ、私も……」
「うへぇ……。もしかしてヒイラちゃん、この子たち全員……」
「はい。ベイ君の、妻になる人達です」
「ロリから、大人の女性まで多種多様じゃない……。ヒイラちゃん、頑張ってね!!」
「はい!!」
それはそうと、俺は皆に揉みくちゃにされているのですが、誰も助けてくれないんでしょうか?いや、そこまで苦痛ではないんですけども。むしろ嬉しいんですけども。なんか圧殺されそう。
「ああ、出遅れた!!サラ、早く早く!!」
「落ち着いてレノン!!今行っても、揉みくちゃにされるだけだよ!!チャンスを待ちましょう!!」
「うむ。ベイを思う気持ちは、彼女達のほうが上手のようだな。私も見習わねば……」
「サラサ、それはいいけど、多少は制御出来るようにしときなさいよ。はーい、皆落ち着いてー!!ベイが苦しそうよー」
「ロデ、アリーさんが皆に静止を呼びかけている隙に、近づきましょう!!」
「あんたも落ち着きなさい、ロザリオ……」
一気に、賑やかになったなぁ。お、ニーナだけ風呂場の前で顔を赤くして固くなっている。レラが、ゆっくりとニーナを引き連れてこっちに来ようとしていた。面倒見がいいな、レラ。
「いやいや、流石に多すぎでしょう!!!」
「あー!!ご主人様を拐ったババア!!居たんですか!!成敗しないと!!!」
「え!!誰が、ババアだ!!誰が!!!」
「どうどう、ミルク落ち着け」
「あひん!!ご主人様が、そうおっしゃるのでしたら……」
やばいな、皆が落ち着かない。取り敢えず、このまま時間が解決するのを待つしか無いか。そう思い、結局俺は、2時間風呂に居た。
「指先の皮膚が、シワシワになっている」
長いこと浸かり過ぎたな。2時間とか、お風呂時間最長記録ではないだろうか。皆が落ち着くまで、代わる代わる皆のそばに居たからなぁ。まぁ、こうもなるか……。因みに、一番アリーが長かった。
「ふぅ……、ぷはぁ~、風呂あがりの牛乳は美味い!!」
「ご主人様!!冷やしたほうがいいのも分かりますが、常温でも美味しいですよ!!常温でも!!」
「はいはい、ミルク。おいでー」
「ああ、そんな!!抱きしめて頭を撫でるだけなんて!!ご主人様のいけず!!大好き!!」
暫く、ミルクのケアが必要になってくるだろう。おざなりには出来ない。そしたら、子供が明日には出来ている気がする。俺に拒否権はない。
「やれやれ、ヒイラちゃんも大変だねぇ。アリーちゃんも」
「はい。でも楽しいですよ、おばさん。そうよね、ヒイラ」
「うん、アリーちゃん」
嬉しそうに、ヒイラは微笑んでいた。それを見て、ライアさんも微笑む。俺を見ると、ヒイラちゃんを宜しくね。と、口を動かした気がした。いえいえ、こちらこそ。ヒイラにはお世話になっております。
「うーん、でもこの人数。何処に泊めたもんかしらね……。あ、そうだ。大広間で、雑魚寝しましょう!!うん、それがいいわ!!」
「大広間ですか……」
「うんうん、あそこなら皆寝れるし。誰も寂しくないわね。決めた!!そうと決まれば、お掃除しましょう!!行くわよヒイラちゃん、アリーちゃん!!」
「あっ、はい。行くわよ、ヒイラ!!」
「うん!!」
ライアさんを追いかけて、2人は行ってしまった。俺も追いかけよう。いつの間にか抱きついている皆を、持ち上げながら俺は移動した。