やすらぎの入浴
「……」
「おっ、ベイ君、どうしたのかなぁ?私のことを、そんな熱い目で見つめて~。まさか、ベイ君こういう身体に興奮するタイプ!?きゃあ~、おばさん困っちゃう!!」
「いやいやいや、と言うか何で入ってきてるんですか、ライアさん?」
「えっ、何でって。そりゃあ、私だって仲睦まじいベイ君達の邪魔はしたくないけど~、ほらここって、皆が使うお風呂じゃない。だから、若い衝動で色々とやられて汚されちゃうと、ちょっと困るなぁ~と思って入ってきた訳。分かる?いわゆるストッパー役ね」
「は、はぁ……」
「ちっ……」
「!!!!」
レムが舌打ちをするとわな。する気だったのか? する気だったんですか、レムさん!!
「健康的で、あれだけ体力のあるベイ君だもの。ヒイラちゃんと一緒にお風呂になんて入ったら、我慢出来ないわよねぇ~。仕方ないだろうけど、今は我慢してね!!」
「べ、ベイ君?」
ヒイラよ。そうなの? みたいな口調で尋ねられても、そうですとしか言えんのだから。その顔をやめてくれ。俺だって、可愛いお嫁さんとお風呂なんてシチュエーションで、我慢出来るとも思えない。正直、今でもかなりやばい。今までの経験で、何とか立てなくなる手前ぐらいで収まっている。経験って大事だなぁ……。
そんな俺の心情を察してか、ヒイラの顔は、少し赤くなっていった。ああー、ライアさんがいなかったらな~、今すぐヒイラを抱きしめるのに。いなかったらな~。ヤキモキする!!
「さぁさぁヒイラちゃん、私達も入りましょう!!はい、お湯をかけて~」
「は、はい。おばさん!!ベイ君、入るね……」
「お、おう」
かけ湯をして、ヒイラは俺の近くに寄ってくる。おっぱいが浮いてますよ。すげー。まぁ、レムも負けず劣らずな膨らみなわけだが。レムは、それ以上に色気が出ているな。清楚な大人の色気という感じだ。お風呂のおかげか、いつもより艷やかに見える。そして俺の隣に、微笑んで連れ添ってくれていた。何と言うか最高だな。レム最高。
「ふぃ~、やっぱりうちのお風呂は良いねぇ。疲れが吹っ飛ぶよ。はぁ~」
ライアさんは、気持ちよさそうにつかっているな。暫くして、少し湯船から出て座り、足を組む。み、見えそうだ……。
「いやぁ、しかしなんだね。ヒイラちゃんも美人だけど、そっちの子も美人じゃない。ベイ君は、更にアリーちゃんもいるんでしょう?節操が無いなぁ~、色男」
「いやぁ~、そんなことは……」
「うむ、主は最高の旦那様だからな。仕方ない」
「……う、うん」
「あれ、ヒイラちゃんまでそういうんだ。へー、ヒイラちゃんもベタ惚れって訳だね。うんうん、仲が良いのはいいことだよ。2人の今後が楽しみだなぁ、むふふ」
そう言って、ライアさんは俺達に近寄ってくる。そして冗談めかしたように、こう聞いてきた。
「実はさぁ、ちょっとベイ君に聞きたいことがあるんだよねぇ~」
「聞きたいこと、ですか?」
「そうそう。……何でそんなに強いのかなぁ~って」
「強さの秘訣、って意味ですか?」
「いやいや、違うんだよねぇ。何でそんなに強くなる必要があったのかなぁ、って気になってね。そう言う意味で聞いてるの」
「強くなる必要、ですか……」
何故、俺が強くなる必要があると分かるんだ。エスパーか。エスパー魔法使いなのか。
「私が、前に会った事ある戦闘狂の連中でも、今のベイ君並みに鍛えてやしなかったよ。しかも、そいつ等は戦闘系の名門の出だ。だと言うのに、明らかに君のほうが、そいつらの若い頃より鍛えている気がする。これは、普通じゃないね。押し付けられたって、出来る鍛え方じゃない。何か、やる必要があるから鍛えている。そう私には、感じ取れたんだ。違うかな?」
洞察力凄いなぁ……。さて、どう返したもんだか……。
「……実はですね」
「ほうほう」
「創世級迷宮に挑もうと思っておりまして。まぁ、将来的にですが……」
「……ふはははははは!!何それ、面白い!!確かに、創世級迷宮に挑むっていうのなら、普通の鍛え方では駄目よね。私も、一度行ってみたことがあるわ。……あれは、人が入れる場所じゃない。近づいただけで、細胞全体が悲鳴を上げているのを感じたの。とてもじゃないけど無理よ、やめておいたほうが良いわ」
「……ええ、そうかも知れません。でも、諦めるというのは、悔しいじゃないですか。ですから、鍛えて鍛えて、頑張っているわけです。いつか、あの場所に立っても身体が悲鳴を上げない力をつけたい。それが、俺が鍛えている理由です」
「……なるほど。ベイ君も、行ったことがあるのね。だから、そんなに強くなって……」
まぁ、俺の場合本当は、確実に中の連中を殺さなきゃいけない理由があるのだけど。そこは、言わなくていいだろう。いらない恐怖を、植え付けてしまう可能性もあるからな。あの場所に立ったことがあるのなら、尚更連中が出てきたらどうなるか、嫌でも想像してしまうだろう。きっと、眠れなくなるはずだ。俺は、皆のおかげで快眠出来ているが……。
「辛かったでしょうね……」
「えっ……」
ライアさんが、俺の頭を抱きしめてきた。慈しむように、俺の頭を撫でてくれる。
「私もあそこに行った後は、震えが止まらなかったわ。なのに、君は若い頃からあの体験をして、今まで生き抜いてきたのよね。辛かったでしょう……。もう、大丈夫だからね……」
「あの、ライアさん?」
弱ったなぁ……。間違った感じで、受け取られてしまったっぽいぞ。……でもなんだろう。安心する。俺自身、奴らへの恐怖がないわけではないからな。それでかも知れない。あと、ライアさんの大人のお姉さん的な包容力のせいだろう。身体はロリっ娘だけど、何処か頼れる感じがする。これがライアさんか……。
「よしよし」
「……」
暫く俺は、そのままライアさんに抱きしめられていた。すると……。
「なんですってぇぇぇぇぇえええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!」
……どこかで聞いたような声が、大音量で聞こえてきた。ああ、分かりやすいな、あいつは。ドタドタと、そいつは全速力でお風呂場の前へとやってくる。そして誰か居たのか、その人達をふっ飛ばして入ってきた。
「邪魔ですよ!!!おらー!!!!!!」
「「「きゃあああああーーーー!!!!!!!」」」
「ミズキ、水魔法で結界を張って下さい。ご主人様との入浴タイムを、邪魔されたくないですからね!!!」
「承知!!!」
「待ちなさいミルク!!何で、そんなに急いでいるの?ベイは逃げやしないわよ?」
「分かりませんか、アリーさん!!ご主人様は、我々が到着する数分前には、既にお風呂に入っていらっしゃったのです!!いかにご主人様といえど、長時間の入浴は、そろそろ上がろうかなぁと言う気を起こさせる要因にしかなりえません!!!つまり、我々は既に出遅れているのですよ!!!この楽しいお風呂タイムを、楽しむために時間からねぇ!!!!」
「!!!!」
「だから、私は先に行きます!!一分一秒でも早く、ご主人様の隣に行かねば!!!女がすたる!!いや、ミルクがすたる!!!!」
どたどたと脱衣所から物音がして、そいつはお風呂場の扉をスパーンと開けた!!その体に付いた、圧倒的な爆乳を揺らして!!
「うおおおおおおおおおおおおおーーーーー!!!!!!!!ご主人様ー!!!!!!!!!!!」
ミルクが、俺目掛けて飛び込んできた!!!
はい、230回目の更新です。いやぁ~、小説大賞に応募してたんですけどね。一次選考にも残りませんでしたよ。まだまだ精進しないとですね。というわけで、これからも頑張って更新していきますよ!!召喚魔法で異世界踏破を今後とも宜しくお願い致します!!あ、感想とかお待ちしてます。よろしくお願いします!!