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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第二章・六部 攻撃魔法のスペリオ家
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スペリオ家

 どこだ、ここは。気付くと俺は、何処かの部屋の一室にいた。勿論、ヒイラもロリっ娘も一緒である。……いや、部屋っていうか、闘技場みたいに見えるな。辺りは、硬そうな壁で覆われていて、床は土で覆われている。狙い撃つための、的のようなものが壁に立てかけてあり。人型に作った藁の人形のような物も、設置されていた。魔法練習場か、何かかな?


「ようこそ、ベイ君。私達、スペリオ家の家へ!!」

「スペリオ家……」

「そう、私達の実家!!」


 ロリっ娘は、大げさに腕を広げて紹介してみせる。と言うか、こんな広い部屋のある家とか、どんな金持ち何だよ……。ヒイラって、実はお嬢様だったのか?そう、疑いたくなるほどの部屋の広さである。


「ああ、自己紹介がまだだったね。私の名前は、ライア・スペリオ。一応、今この家で、一番発言力の高い人間になるかな……。まぁ、宜しくね!!」

「一番、発言力の高い……」

「おばさんは、家で最強の魔法使いなんだよ……。その実力で、皆に推挙されて、今は家の筆頭役をしてくれてるの……」

「まぁ、そういうこと」


 皆に実力を認められて、推挙されるほどの魔法使いなのか……。恐るべし、ロリっ娘!! いや、ライアさん!!


「まぁまぁ、こんなとこにいても何だし、二人共まずは上がって……」

「おっと、悪いが、2人を返してもらおうか……」

「殿、お迎えに上がりました……」


 ……やばい!! 和やかな雰囲気を、吹き飛ばすほどの殺気を纏って、うちの剣士と、ニンジャが降臨なされた!! ライアさん逃げてー!! マジ逃げてー!!


「……何、あんた達?招待してないんだけど……」

「愛する主人を、拐われたとあってわな……」

「出ていかなければ、女がすたるというものです……」


 ライアさん、めっちゃ威嚇してるけど、無理だから!! その2人、普通じゃないから!! 俺が、止めるしか無いのか!!


「面倒くさいわね、寝てなさい……」


 そのライアさんの言葉と共に、レムとミズキを、強烈な雷が襲う!! 二人の周りを雷が駆けまわり、辺りの土を、少し焦がした。


「ふぅ……、これで、静かに……」

「ミズキ、あの幼女は何かしたのか?」

「いや、何もしていないだろう。気にすることもない……」

「……」


 やはりと言うか、当たり前というか。2人は無傷だった。さっき何が起こったのか、説明しよう。レムが土魔法で、ピンポイントでバリアを張って、雷を防いだ。それだけだ……。襲い掛かってくる、全ての雷を見切り、無効化する。これがレム、これがうちの剣士。


「……手加減、しすぎたかしらねぇ」


 ライアさんが、2人に向かって腕を向ける。だが、ライアさんの腕は、ライアさんの意志に逆らって、上に向かって上げられた。


「!!!」

「おいたが過ぎるぞ、お嬢ちゃん……」


 見ると、ミズキが指を動かしている。よく見ると、ライアさんの腕に、細い水の糸が絡みついていた。


「この!!腕が使えないからって……!!」

「使えないからって、何だ……。何が出来る……」

「ヒィィイッ!!」


 いつの間にか、レムがライアさんとの距離を詰めていた。剣を持ってはいないが、かなりの威圧感を発している。あれは怖いわー。レムって、あんな顔も出来るんだなぁ……。


「あんた達、いったい何者……」

「嫁だ」

「嫁です」


 うちの嫁、怖ええええ。まぁ、凄い可愛いところもあるんですけども。その実力は、冗談抜きで洒落になりませんので……。そのぐらいにしてあげておくれ、レム、ミズキ……。


「はーい、ストップ!!ストップ!!二人共!!」


 俺の呼びかけで、レムはライアさんから、やっと離れた。あれは、止めなかったらパンチの一発は入れてたな。そういう顔だった。


「で、どうされますか殿?この幼女を、いかようにお仕置きしましょうか」

「ムキー!!幼女じゃない!!私は、今年で43なんだぞ!!敬意を払わんか!!敬意を!!」

「……」


 43……。いや、全然そうは見えませんわ、ライアさん。ヒイラと同じ緑色の髪を揺らしながら、ライアさんは地団駄を踏んでいた。可愛い。


「まぁ、待て待てミズキ。彼女は、ヒイラの家族だぞ。ということは、いずれ俺達とも、家族になるわけだ。手荒なことをしては、いけないよ」

「!!なるほど、分かりました。仕方ありませんが、開放するといたしましょう」

「たく、最初からそうしろっての……。ああー、もう、腕に跡ついちゃったー」


 あんな状況になったのに、ライアさんの口調は変わることがない。大物だなぁ……。見た目は小さくて、可愛いけども。


「それでは殿、一旦戻りましょうか。皆が、心配しています」

「待ったー!!それは、駄目!!私の、プライドにかけても駄目!!」

「……殿、黙らせていいですか?」

「落ち着けミズキ、可愛い顔が台無しだぞ。そんなミズキも、好きだけど」

「!!!」

「ライアさん、流石に皆に何処にいるかも告げぬまま転移させられてきたんで、そこは説明しておきたいんですが……」

「ノー!!また、連れ戻しに行くのしんどい!!だから、ノー!!」


 駄々っ子か!!どうもライアさんは、こっちの話を飲む気はないらしい。果てさて、どうしたものか……。

 

「うん?そうか、分かったミルク。また後でな」

「ミルク?牛乳?」

「主、アリーさんがこっちに、皆で来ると行っています。それで、この問題も解決するかと」

「お、そうなのか?」

「はい」

「えっ、アリーちゃん達来るの?……うーん、まぁ、いいか。その方が、ヒイラちゃんも寂しくないでしょう。OK、OK」


 そう言うとライアさんは、部屋の隅の階段を登っていく。そして、俺達を手招きした。


「まぁ、未来の家族ってことで、さっきのは大目に見ましょう。そこの招かれざる客人方も、どうぞいらっしゃい。案内するわ、スペリオ家をね」


 怪しい顔を浮かべて、ライアさんは先に登って行ってしまう。俺達はその後を、ちょっと警戒しながら付いて行った。



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