第二回・水着親睦会5
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まるで、借りてきた猫のように、大人しくロデは、俺の前に出てきた。顔も赤い。反対にロザリオは、かなりやる気があるようだ。俺の隣に抱きつくように座ると、足を伸ばして甘い声で囁いている。うーん、綺麗な足だ…。
「んっ…」
ロデも、ロザリオに習い、反対側に座る。そして、俺が揉みやすいように、足を伸ばした。…ロデって、細いけど柔らかそうな足してるよなぁ…。触り心地が良さそうだ。俺は、2人の頭を撫でて、頭から首、肩、腰と腕を滑らせて、足に腕を持っていく。2人の、太もも付近に、腕が触れた…。
「あっ…」
「ふうっ…」
それだけで、2人はピクンと身体を動かす。期待しているような、緊張しているような目で、俺を見つめていた。俺は、優しく力を入れて揉んでいく。2人のすべすべでモチモチの肌が、俺の腕に、素晴らしい感触を返してきた。揉んでいた部分から、徐々に彼女達の体温が、上がってきているのを感じる。それと同時に、抑えようとしていた彼女達の声が、漏れでて聞こえ出してきた。
「んっ…、はぁっ。ベイ様…、うぅん…」
「あっ、ベイ君…、そこ…、強い…」
俺は、太ももを、何度も撫で回すように揉む。足の付根から、膝まで。力の強弱を付けて、揉み込んでいった。ももの内側から、付け根に向かって、撫でるように指を滑らせていく。
「ああっ…!!」
ギュッと、ロザリオが、足をぴったりくっつけて閉じてしまった。腕が、挟まれたまま動かない状態になる。ロザリオは、荒く呼吸をしながら、俺の腕に、しがみついていた。
「はぁ…、はぁ…」
「うっ…、ふぅっ…」
ロデも、ギュッと目を閉じて、何かを耐えるように俺の腕に抱きついている。俺は、そんなロデの太ももから手を離し、頭を撫でてあげた。
「はぁっ…、あっ…」
少し細かく体を震わせて、ロデは、俺に体重を預けるように抱きついてくる。トロンとした目で、力無く俺を見つめていた。俺は、そんなロデを見つめながら、優しく抱き寄せる。
「あっ…」
只々、見ているだけだ。揉みもせず、優しく抱きしめる。ロザリオも、力が抜けてきた所で、優しく腕を抜いて抱き寄せた。
「ベイ様…」
甘えるような声だ、続きが欲しい。そう言っているように感じる。だが、今はゲーム中だ。俺は、2人が落ち着くまで、数分抱きしめたままでいた。五分ほどそうしていただろうか。2人は、落ち着きを取り戻したのか、立ち上がると俺を抱きしめて席に戻っていく。それでも、俺を潤んだ瞳で見ていた。
「…ちょっと、投入が早すぎた、お題だったわね」
「そうですね…。主相手となると、何処までがセーフゾーンか、難しい所ですね…」
「揉ませるとか、まぁ…、ベイにさせた時点でアウトよね。ギリギリ、マッサージの段階で終わったけど、もうちょっとしてたら、私達が我慢の限界だったわ」
「それ以前に、お2人の赤裸々な場面を見てしまうことになってましたね。確実に…」
「まぁ、今のも、十分赤裸々だったけどね…。ベイ相手では、しょうがないわね…。さて、そういう空気になってきたわね。次に行きましょうか…」
女性陣が、顔を赤らめてくじを元に戻していく。そこから命令内容が、基本的に俺と触れ合う形になっていった。
「10番が、2番に背中をマッサージされる!!」
最初に、寝てしまったのはレラだった。背中マッサージをしていたら、寝てしまったらしい。顔を真っ赤にして、くったりとして意識を手放していた。
「9番が、13番と抱き合う!!」
次はニーナだった。俺と、正面から抱き合っていた。それだけだった。それだけだったが。異常に顔を赤くして動かなくなってしまった。大丈夫だろうか…。
「2番と、3番が…」
もう言うまい。皆、顔を赤くしながらゲームは進んでいった。最後に、ロデと、ロザリオが、耐えていたが、その意識を手放した。そこで、もうゲームをする必要がなくなったと、アリーが宣言をする。
「ご主人様…」
「マスター」
もう、遠慮する必要が無い。皆の目は、そう語っていた。そのまま俺は、残りの皆に押し倒された…。
*
「うーん…」
目を覚まして、布団から這い出る。いやぁ、戦いのある日だっていうのに、こんな気分の目覚めでいいのだろうか。俺は、そう思いながら起きた。
「よっし…」
牛車から、皆を起こさないように出て、軽く剣を振るう。それでも、剣が空気を切り裂く音を立てて、振るわれた。…ちょっと、強すぎるな。もうちょっと、優しく振るおう。準備体操程度に、俺は身体を動かしていく。
「強化…」
魔力の、操作確認も忘れない。身体を強化しながら、剣にも魔力を纏わせていく。目を閉じて、それが大地に広がり、己の周囲を包み込むまで広げた。うん、問題ない。俺は、強化魔法を解く。
「ふぅ…」
集中し、何とか気分を持ち直すことが出来た。俺は、剣を鞘にしまう。
「サリス先輩と朝練ですか、マスター」
「おう、アルティ。…サリス?」
「ええ、そちらの、私の先輩のことです」
「これ…」
俺は、アリーに貰った剣を見た。そんな名前なのか?こいつ?
「サリス先輩は、かなり完成度が高かったようですね。名が彫られています。もっとも、柄で隠れて、普通は見えませんが」
「へー、そうだったのか…」
普通の剣じゃあ、無かったんだなぁ…。いや、普通の剣の中で、出来が良い剣と言った方が合っているんだろうか?そう考えていると、アルティが、ゆっくりと近づいてきた。
「今日も、私と一緒に、マスターに勝利を運びましょうね。先輩」
キンッ、と刃が鳴る音がする。アルティに答えたのか?いや、偶然だな。良く目を凝らしてみても、何の変哲もない普通の剣だ。唯、俺との付き合いが長いだけ。だが、答えたと解釈するのも悪く無い。
「頼んだぞ」
「はい、マスター」
俺は、アルティとサリスにそう言った。