第二回・水着親睦会3
「あ、あの…、お、お願いします…」
「あ、ああ…」
ニーナが、俺の近くに寄って来る。どうやら、してもいいらしい。…まぁ、おでこだしな。大丈夫…、かな…。
「…んっ…」
ニーナは、きつく目を閉じて、頬を赤く染めて震えている。やばいな、滅茶苦茶可愛い…。俺は、ニーナのおでこの髪をかき分けると、軽くキスをした。
「ああ…」
「良いなぁ…」
ニーナが、顔を更に赤らめ、お辞儀をして元の席に戻っていく。いや、何だろう。周りの空気が、少し変わったような気がした。アリーは、何故だか満足そうにうんうん頷いている。予定通りの展開なんだろうか?アリー、恐ろしい子…。
「よし、次行きましょう!!はいはい、くじを戻してー!!こうやってかき混ぜて~、はい、どうぞ!!」
二巡目。また、皆がくじを引いていく。俺は、8番か…。王様は…。
「はいは~い!!私でーす!!」
レノンか。さて、どうくるかな…。
「う~ん、じゃあ、5番が、6番の頭を撫でるって事で…」
「こん、5番です!!」
「6番は、私ですね」
シデンと、カザネかぁ。カザネが、シデンの前に頭を差し出す。シデンは、嬉しそうに微笑みながら、カザネの頭を撫で撫でした。
「えへへ~、お姉ちゃん気分です」
「うん、悪くない…」
平和に、二巡目は終えることが出来た。そして、三巡目。
「ふっ、キングは、私を選んだようですね…」
王様は、カザネだった。カザネかぁ…、何を言ってくるか分からないなぁ。まぁ、序盤だから飛ばしたことは言わないだろうが、それをやりそうなのがカザネなんだよなぁ…。カザネは、ゆっくりと回りを見回すと、こういった。
「10番が、2番の人を、抱き抱えたまま、次のゲームが終わるまで過ごすことにしましょうか」
「おほ~!!!!2番は、私ですよ!!!」
「10番は、俺だな」
「流石、ご主人様!!!私と、赤い糸で結ばれていますね!!さぁさぁ、存分に抱きしめちゃって下さい!!」
ミルクはそう言うと、俺の腕の中に収まる。うん?何か、変な違和感を感じたなぁ…。いや、気のせいか?ともかく俺は、ミルクを抱きしめることにした。おっぱいが素晴らしい…。
「ううん…」
「…」
全員の視線が集中している。ミルクを、羨ましそうな目で見ていた。四巡目、皆が少し時間をかけて、くじを引き始める。場の空気が、重くなったような気がした…。
「おおー!!次は、私ですね!!見てください、ご主人様!!」
ミルクが、俺にくじを見せる。確かに、王様のマークが書いてあった。
「うーん、でも、自分は選べないんですよねぇ…。難儀なもんです…。そうですねぇ…、では、9番が一枚服を脱ぐということにしましょうか」
「ええっ!!わ、私!!」
サラが、9番だったようだ。全員の視線が降り注ぐ中、サラは、顔を赤らめて固まっている。パスすれば、良いんじゃないか?サラと、俺の視線が合った。ゴクリと、サラはつばを飲み込む…。
「んっ…」
意を決した様に、サラは、手で胸を抑えて、上のビキニを脱ぎ始めた。腕で押さえつけられ、サラのおっぱいがたゆんでいる。顔を赤らめながら、手ブラするサラ。なんか良い…。凄く良いぞ…!!
「は、はい。脱ぎました…」
サラは、俺をチラチラ見ながら、脱いだ水着を脇に置く。凄い色っぽい。ミルク、グッジョブだ!!そして皆が、無言でくじを戻し始めた。次の王様は、カヤだった。
「それじゃあ、7番が、1番の人の肩を揉むって事で!!」
「7番は、私ですね」
「おっ、ミズキか。1番は、俺だ。よろしく頼むな」
「はい、殿」
嬉しそうにミズキは、俺の背中に回る。そして、腕を構えると…。
「それでは、揉みますね…」
耳元で囁きながら、背中に胸を押し付けて来た…!!
「お、おう…」
「ふふっ…」
ミズキが肩を揉むたびに、ぐにぐにと背中でミズキの胸が形を変える。ぽにゅん、もにゅんと形を変えながら、ミズキは俺の肩を揉んでいった。
「殿、少し硬いですね。もうちょっと、お揉みしますね…」
「ああ、ありがとう…」
「…んっ、…ふぅっ…。はい、出来ました。チュッ…。また、肩がこったらいつでも言ってくださいね」
去り際に、ミズキは俺の肩にキスをして、自分の席に戻って行く。今日は、積極的だなぁ、ミズキ…。
「う~ん、今のが私だったら、破浸透で、おっぱいと肩揉みのダブルアタックが、最高の状態で活かせたのに。…少々残念ですね…」
「…」
良かった。今のが、ミルクじゃなくて…。今なら耐えられるだろうが、それでもあれが、物凄いことには、変わりが無いからな…。
「…ちょっと、待って下さい」
「うん?」
いきなりロデが、次のくじに待ったをかけた。なんだろうか?
「さっきから皆さん、危なげ無くベイ君を指名していますが、これは偶然でしょうか?」
「…」
場が、静まり返る。確かに、俺の当たっている回数は多い。ここまで五巡目、俺の当たっている回数は、そのうちの3回だ。確かに、疑いたくもなる的中数だろう。しかも、誰かとペアで何かをする時に、確実に俺が良い方のポジションに回るようになっている。恐らく、これはあれだろう…。あいつが、協力しているとしか思えない。…俺は、チラッとそいつを横目で見た。
「…」
そいつは、俺の視線に気づいて、ドヤ顔でダブルサムズアップする。
(正解です。マスター)
(アルティ、やはりお前か…!!)
からくりはこうだ。アルティが、俺の意識を読んで、番号を読み取る。それを、皆に念話なり、ジェスチャーなりで伝える。分かってみれば、簡単なことだった。つまり俺は、皆に番号を常に晒している状態で、プレイしていることになる。…そりゃあ、標的にされるわな…。
「どうなんですか、アリーさん?」
「偶然じゃない?何で、そう思うのかしら…?」
「皆さんは、我々がベイ君とどうやっていちゃつこうか、女同士で当たった時悲惨だなぁ。と、考えているようなことを、平然と指名してやってのけているからです!!最初のキスが、一番怪しいやつでした。その次の、密着しての抱き合い。更に、肩揉み!!これは、女同士でも出来るから、大丈夫だろうと、偶然を多少装うためのカモフラージュ!!その2つも、指名されてからの皆さんの行動が、ベイ君に対して迷い無く動きすぎでした。特にミルクさん、相手がベイ君だと分かっていない段階で、既に喜んで行動していましたよね。これは、相手がベイ君だと知っていた、動かぬ証拠です…!!」
「あはは、いや、そんなことはですねぇ…」
ミルクの目が泳いでいる。嘘つくの下手だなぁ、ミルク…。
「おほん、…つまり、私が何を言いたいかというとですねぇ…」
「…」
「一人ずつとか、まどろっこしいです…。複数、番号を指名すればいい。私は、そう思うんです。それなら、私達も美味しい思いが、しやすくなってきますからね…」
「なるほど…。まぁ、偶然だけど…。ベイの番号が分かるなら、悪くない案かもね。偶然だけど…」
「ええ…、偶然で結構です。その時、増やして頂ければ…」
アリーとロデは、ニヤッと悪そうな笑みを浮かべた。どうやら、このゲームの本番は、ここから始まるらしい。俺は、飲み物を飲んで、覚悟を決めた…。