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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第二章・五部 夏と商家の娘?と
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第二回・水着親睦会2

「さて、飲み物も、食べ物も配置が済んだし、親睦会を始めましょうか。それじゃあまずは、新人2人に挨拶をしてもらいましょう。自己紹介も兼ねてね」


 そのアリーの言葉を聞いて、ロデがスッと立ち上がる。


「はい、アリーさん。…おほん、では、私から。皆さん改めまして、私の名前はロデ・マルシア。マルシア商会の1人娘です。現在は、ベイさんと同じ学校に通っておりまして、魔法科で3年のクラスに入っております。得意魔法、といいますか。魔法関係では、アイテム作りを得意としております。迷宮用アイテムから、病気に効く薬品まで、どんと来いって感じですね!!魔法は、中級までの火・風・水・土・雷の属性を扱えます。以後、お見知り置きを…」


 そう言い終えると、ロデが座った。続いて、ロザリオが立ち上がる。


「えっと…、フェイン商会の1人娘になりました。ロザリオ・フェインです。シナン魔法学校に、今現在は在籍しております。ロデと同じく、3年生ですね。得意な魔法は、…えっと、それなりにどの魔法も使えます。火・風・水・土・雷の魔法が、上級まで扱えますね。あの…、よ、よろしくお願いいたします!!」


 言い終えると、ロザリオが座り直した。ちょっと、緊張しているみたいだな。まぁ、可愛いから、俺は良かったと思う。…にしても、普通だなぁ。いや、悪いわけじゃない。本来、これがこの歳相応の平均的な実力ってやつだ。ロザリオの上級でさえ、かなり優秀な方といえるだろう。そこから考えると、アリーや、ヒイラ、ニーナも聖魔級は一瞬使えるんだっけか…。かなり優秀だというのが、よく分かるだろう。ニーナは、そこを考えると、鍛え方次第でかなり伸びるだろうなぁ。今後が楽しみだ…。


「う~ん、まぁ、そこそこよねぇ…」


 アリーも、同じ考えのようだ。だが、2人には、俺達に無い、強みがある。


「でも、実際は、それ以上の力が出せるアイテムとか、持ってるんでしょう?」

「まぁ、そうですね」

「わ、私も、一応…」


 やはり、持ってるんだなぁ。金は、力ということか。良いアイテムがあれば、実力さえも上げられる。この2人は、自己紹介の文面で読み取れる以上には、強いだろう。そう、考えて良さそうだ。


「あの、例えば、どんなのでしょうか?」

「ニーナさんでしたっけ、…そうですねぇ…。まぁ、この雷球という白い玉ですが。中級程度の、雷属性の魔法が込められています。魔力による刺激を受けると、即座に周りに雷をばらまく代物ですね。こういう物は、自分の魔力を使わずに発動することも出来ます。相手の魔法に、ぶつけるとかしてですね。そうすることによって、自分の魔力を減らさずに攻撃することが出来ます。つまり、魔法攻撃の手数が多くなるわけですね。これがあれば、長期戦の魔法戦などで、有利に立ち回れるでしょう。まぁ、こんな感じのです…」

「なるほど…。確かに、自分の魔力量以上の魔法攻撃手段が多いことは、実力の高さに繋がりますね…」

「私は、このペンダントです。中には聖魔級の魔石が入っていまして、風属性の聖魔級魔法が、1回使えます。うちの、宝物です」

「聖魔級魔石…。実物を見るのは、ベイ君に見せてもらって以来ですね。凄いです…」

「ベイ君が、聖魔級の魔石を…!!」

「…」


 ロデの目が、金の匂いを感じた、的な目になっている。怖い。アリーに、ロデは頬を引っ張られた。ありがとう、アリー。


「痛い!痛いです、アリーさん!!」

「ふぅ~、さて、2人の自己紹介も終わったし。仲良くなるために、次はゲームでもしましょうか」

「ゲーム?」

「そうよ、ベイ。皆で一つのことをする。これ以上に、仲良く慣れる方法はないわ。相手の思考も分かるしね」

「なるほど…」


 いや、それより、こっちの世界のこういう時のゲームって、何があるんだ?全く知らない…。トランプとか、そういうのがこっちでも出来てたりするんだろうか?ロデの家の様な、大きな商業店舗とかだと、売ってたりするのかもしれない…。


「やるのは…、王様と従者ゲームよ!!」

「王様と…」

「従者ゲーム?」

「アリーさん、本気ですか…」

「あら、ロデは知ってるのね。勿論、本気よ」


 何だ、それは?ロデと、ロザリオ以外、誰も知らないみたいだが…。いや、この反応。フィー達は知っているのか?事前に、聞かされていたのかな?


「ルールを言うわ。このくじに、どれか1つだけ王様のマークが書いてあるの。全員で引いて、その王様のマークを引いた1人が、皆に命令を出来るわ。ただし、他のくじには番号が書いてあって、命令する時は、その番号を選ばないと駄目。皆、命令が嫌、もしくは絶対に出来ないと思ったら、好きなだけパスすることが出来るわ。3回パスされた時点で、王様だった人が負け。その人は、罰ゲームを受けるって訳」

「なるほど」


 要は、変則的な王様ゲームって訳か…。まぁ、良いんじゃないかな。嫌だったら、拒否出来るようだし。


「あっ、何でも嫌って言うのは、無しにしてよね。場が盛り下がるから。無いとは思うけど、一応ね。ちなみにだけど、派生ゲームで、王様と領主ってゲームもあるわよ。こっちは、命令を3回目に聞けなかった人が負けで。パスするのにも、王様に献上品がいるという大人向けのゲームね。どんどん、命令難易度を上げていくタイプの方よ」


 それは、やばそうだなぁ…。やりたくない。


「さて、今日の罰ゲームは、これ。ミルカレモン。これを食べてもらうわ。酸っぱいわよ」

「おお…、地味に嫌なやつですね」

「そこまで、厳しくもないラインのやつですね」


 あれかぁ…。まぁ、食べれなくわないな。出来れば、遠慮したいタイプではあるけど。うーん、皆、結構このゲームに乗り気みたいだな。悪くないって言う顔をしている。じゃあ、やってみるとするかな。嫌なら、パスすればいい。そこまで、ひどいことにはならないだろう…。


「さて、ルールは分かったわね。それじゃあ、始めましょうか」


 アリーが、突き出した箱の中に入っているくじを、皆が順番に引いていく。最後に、アリーがくじを引いた。俺は、3番か。さて、どうなるかな…。


「おっと、最初は私が、王様みたいね。残り物に福があったみたい。うーん、そうねぇ…。まぁ、最初だし、3番が、2番のおでこにキスをする、ってことにしましょうか」


 いや、アリー、最初から飛ばし過ぎでわ?いきなり、おでこキスとか、難易度高すぎでわ?ああ、あれか、パス回数を減らしていく作戦か?


「3番は、俺だけど…」


 誰が、2番なんだ?…おずおずと、1人が手を上げる。


「わ、私が、2番です…」


 に、ニィィーーーーナさーーーーーん!!!!!!!!俺はこの時、気づいていなかった。このゲームが、どれだけ恐ろしいゲームかを…。



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