見せてしまったので…
「凄いです!!ベイ様…!!」
「ベイ、あんな力を隠していたとは!!お前も、人が悪いな…!!早く、見せてくれればよかったのに!!」
「あはは…、いやぁ…」
「そう言うんじゃないわよ、サラサ。奥の手なんだから、そう、ぼかすか見せていいわけ無いでしょう」
「むっ、なるほど…。そうですよね…。だが!!私は、感動した!!もっとベイを、好きになったぞ!!」
「ああ、ありがとう…」
「はぁ…」
「うん?ヒイラも、惚れ直したみたいね…。流石、ベイ。自慢の夫!!」
皆の反応は有り難いんだけど、これでも全力じゃないんだよなぁ…。…やはり、今の俺達が全力を出すと、星1つ、余裕で壊せるんじゃないか?どうも、そう思えてしまう。創世級に結構、近いんじゃないだろうか…。…いや、でもなんか…。まだ、挑む気にはならないな…。何だろう、本能的に無理だと感じてしまう…。これでも無理と思うとか、創世級とは、一体…。
「うーん、魔法って良いなぁ…。空も飛べるし、あんな力まで…」
「レラさん、多分あんなの、ベイ君だけだと思いますよ…。私、あんな魔法、見たことないですし…」
「あっ、やっぱり…。うーん、ニーナちゃんがそう言うんだし、そうなんだろうけど。…やっぱり、ベイ君が凄いってことか…。でも、私も、空ぐらい飛んでみたいなぁ…」
「あっ、じゃあ、私と、魔法の訓練を一緒にしませんか?飛ぶくらいなら、すぐだよって、ベイ君言ってましたし…」
「えっ!!本当?うーん、ベイ君と魔法訓練かぁ…。良いね…」
「あはは…、教えては貰えると思いますけど、基本的に相手は、ミズキさんが…」
…レラも、ミズキ地獄に挑むのか?きついぞ…。まぁ、飛ぶだけなら、すぐに出来ると思うが…。
「ベイ君…!!!!」
「うわぁ!!なんだ、ロデ!!」
「結婚して下さい…!!!」
「…ええっ!!!!?????」
ロデは、俺の腰辺りに抱きつきながら、そう言ってきた。俺は、フィーを抱えているので、ろくなリアクションを取ることが出来ない。ロデは、なついた犬のように、俺に頬ずりを続けていた。
「もう、ロデ!!はしたないよ!!」
「うるさい、ロザリオ!!私は、決めたんだ!!あの力、あの魔法!!私が結婚するべき相手は、ベイ君をおいて、他にはいない!!完全に惚れた!!ベイ君の赤ちゃんを生む!!」
「…」
ロデは、話の進みが早過ぎるんじゃないか…。即断即決というか…。機を逃さないというか…。4人、纏っただけでこれなのに、全力の俺達を見たら、どうなるんだろう?暴走状態の、ミルク並になるんじゃないだろうか…。
「ベイ君、子供は、何人欲しい?私は、1人っ子で寂しかったから、2人は欲しいかなぁって…。ああ、でも、皆さんの子供も、一緒にいてくれるよね。なら、1人でもいいかも…。でもでも、同じ母親って方が、安心するかもだし…」
「…」
もう、幸せな家族計画を練る段階にまで、好感度が進んでおられる…。いや、可愛いんだけど。良いんでしょうか?まぁ、本人が良いんだから、良いんだろうなぁ…。
「ちょっと、ストォォップ!!ストォォップ!!」
「うん?…えっと、レノンさんでしたっけ?どうしましたか?」
「…ベイ君の子供を孕むのは、私が先だから!!」
「!!???」
「はいはい!!私も、私も!!」
「えっと、サラさんでしたっけ…。なるほど、でも、子供が出来るのは、時の運。そう、順番通りには行きません。そこは、分かって下さいね。順番は譲りますが…」
「…そ、そう。なら、仕方ないわね。私達が、ベイ君と知り合ったのは先なんだから、そこだけ守ってくれれば良いのよ…。改めて、よろしくね…」
「よろしく~」
「はい、よろしくお願いします」
レノンとサラと、ロデが握手をしていく。…あれ?つまり、嫁が3人増えた、ということでいいんでしょうか?俺は、アリーに目線を向ける。
「…」
アリーは、腕を組んで目を閉じて、かなり仰け反りながら考えていた。暫くすると、体勢を戻し、俺達のもとにやってくる。
「レノン、サラ」
「「はい!!」」
「これで正式に、私達は、家族ね…」
「「!!!…はい、アリーさん!!!」」
そう言うとアリーは、今度はロデに近づいてきた。じっとロデの顔を、アリーは見つめている。
「あ、アリーさん…。お願いします…。本当に…。本当に、ベイ君が良いんです…」
「…」
アリーは、無言で見つめることで、ロデにプレッシャーをかけていた。数秒して、俺を見つめる。
「ベイに、愛されなさい。先ずは、そこからね…」
「…は、はい!!アリーさん!!!」
そう言うとアリーは、俺の頬に優しくキスをしてくれた。そして、穏やかに微笑みかけてくれる。俺は、アリーの口にキスを返した。うん、アリーは最高だな。愛してる!!
「…なるほど。こうなれと…。頑張ります…!!」
ロデは、そんな俺達を見て、そう解釈したらしい。拳を握って、気合を入れていた。
「ま、待ってください!!」
そう言って、俺のもとにミエルが走ってくる。羽を出さないように、降りてきてたから、時間がかかったんだろう。今、状況を把握したようだ。大慌てで、俺に抱きついてくる!!
「今は、私の時間なんですから!!ベイさん…」
「ああ、ミエル…」
ミエルの表情から、何がしたいのかすぐに分かった。抱き寄せて、口同士でキスをする。
「うっ…、ふぅ…」
周りに見せつけるように、ミエルは、濃厚なキスをしてくれた。腰を俺に擦り付けて、体全体で、俺を求めてくれている。数分して唇を離すと、2人の間に糸が引くような濃厚なキスがおわり。ミエルは、俺に寄り添ったまま、離れようとしなかった。うーん、可愛いなぁ…。うん?というか、これ…。
「…すぅ、すぅ…」
フィー寝てるな。こうして見ると、歳相応の女の子って感じだ。いや、年は分からないけど。何と言うか、守りたい、この寝顔って感じがする。凄い可愛い!!俺の天使だ…。俺は、フィーが起きないように、そのまま抱いていることにした。
「さて、私達も負けてはいられません!!訓練をするとしますかね!!レム!!」
「ああ、ミルク!!」
「ミズキ、私達も!!」
「ああ、カヤ」
「こん、カザネ、一緒にやりましょう!!」
「ええ、良いですよ、シデン」
「私等は、ちょっと休憩っす」
「皆、頑張って!!」
「ベイさんの為に、ファイトですよ!!」
「ふむ、レラ先輩、どうですか。一緒に?」
「おっ、いいね、サラサちゃん」
「ヒイラ、やる?」
「そうだね。最近こもりっぱなしだったから、いい運動になるかも。負けないよ、アリーちゃん!!」
どうやら皆、訓練をするようだ。俺は、皆の訓練の邪魔にならないように、周りの魔物に気を配るとしよう。フィーを抱き、ミエルとたわいない会話をしながら、そのまま夕方まで時間を過ごした。