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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第二章・五部 夏と商家の娘?と
211/632

四天外装

「えっ、あれ…?」

「ここ、何処?」

「落ち着きなさい、レノン、サラ。ベイの魔法で、少し移動しただけよ。特に、害はないわ」

「な~んだ、ベイ君の魔法かぁ」

「それなら、安心だね。でも…」

「「なんか暑い…!!」」


 それはそうだろう、火属性聖魔級迷宮だからな。しょうがないので、水魔法で、冷やしてあげることにする。


「ふぁあ~、なんか、いきなり落ち着いてきた」

「ベイ君かな、ありがとう」

「これで、大丈夫かな?」

「うん、大丈夫」

「さて、それじゃあやるか、フィー」

「はい!!マスター!!」

「残りの皆は、アリー達を頼む。一応、迷宮内だからな」

「とは、いってもですね、主…」

「我々に近づいてくる魔物は、もうここにはいないと思いますよ、殿」

「まぁ、一応だよ。頼むな…」

「了解致しました」

「承知」

「あたしに任せて!!」

「こん!!」

「さぁさぁ皆さん、こちらに、観客席を用意しましたよ。お座り下さい」


 ミルクが土魔法で作った椅子に、皆が座って行く。それを確認して、俺とフィーは向き合った。


「あれ?ミエルさん達が、いないような?」

「…あの4人は、ベイの使う秘術のために、今は隠れているわ。見せる訳にはいかない秘術だから…。でも、今日は少し、皆にも見せてあげる。ベイの本気の一片をね」

「ベイの本気…?」

「ええ、私も、見るのは久しぶりだけど。何でもありの戦いなら、ベイが使う魔術的奥の手ってやつね。まぁ、凄いわよ…」


 フィーが、先に鎧を纏う。強力な魔力の高まりが、フィーから感じられた。何度感じても、半端ない強さの魔力だ。1人では、ここまで行くのにいつまでかかるやら。だが…。


「行くぞ…」

「(はい!!ベイさん!!)」

「(OKっすよ!!)」

「(いつでもどうぞ!!)」

「(準備は、OKです!!)」


 今日の俺には、4人の心強い天使が付いている!!俺の周りを、4人の力が包み始めた…。まばゆい光を放ち、俺の身体を、強力な鎧が包んでいく!!ミエルの鎧を主体に、両肩が大きくパワーアップし、刺々しくなった。腕もゴツくなり、左腕に折りたたみ式の小さな弓が出現する。両肩に、大きな砲身が出現し、更に、ゴツくなった。ハルバードの先が変化し、シスラの槍の機能を付与され、パワーアップする。全体的に、ゴツさに合わせてデザインが変化し、最後に、フルフェイスの兜が、その形を変化させた!!背中に、4組の天使の羽が羽ばたく!!


 ズドオオオオオオオォォォォォォォオオオオオオオオンンン!!!!!!


 俺は、ハルバードの柄先を、地面につけた。それだけで、地面に大きく衝撃が走る。どう見ても、完全なパワータイプの鎧だな。だが、近距離、中距離、遠距離、魔法と物理。全てがバランスよく備わっている一体化になっている。見た目はかなり重量級だが、スピードもかなり出せるだろうと、纏っている俺は感じていた。


「なっ…!!」

「あれが、ベイ君の、奥の手…」

「凄いです、ベイ様…」

「綺麗…」


 みなぎる聖属性の魔力が、鎧を光らせていた。それで、綺麗に見えるんだろうか?まぁ、良いか。これならやれそうだ…。俺は、ハルバードを構える。


「やろうか、フィー…」

「…マスター、はい!!」


 フィーが、剣と盾を出現させ、構えた。おお、フィーも分かったみたいだな。手加減出来る、鎧じゃないってことを…。俺とフィーは、同時に地面を踏み抜く!!中央でお互いの武器が、空気を切り裂いてぶつかり合った!!!!


「うわあああああぁぁぁぁああああああ!!!!!!!」

「これ、やばいって!!やばい!!やばい!!!!」

「大丈夫ですよ。カザネバリアー」


 カザネが、風の魔力の壁を張り、激突の衝撃を防ぐ。魔力の壁の周りの土が削れ、大きく地面がえぐれた!!


「す、凄い!!…周りの岩まで、ただの激突の衝撃で飛ばされて…」

「ベイ…、ここまでとは…!!」


 俺とフィーの力が、拮抗する。だが、徐々にフィーが押され始めた。


「くっ…!!」


 フィーが飛びのく!!俺のハルバードは、そのまま地面に振り下ろされ、大きな裂け目を地面に作った!!


「おおー!!4人纏っただけで、フィー姉さんを超えているなんて!!流石、ご主人様ですね!!」

「ああ、…しかし意外だな…。フィー姉さんは、我らの力を合わせたような存在のはず。たったの4人だけで、こうなるとは…」

「いえ、以外でもなんでもありませんよ、レム!!何故なら、私達の力を一番引き出せるのは、ご主人様なのですから!!ご主人様自体の能力も高いですし、それに、ご主人様1人いることで、全属性の魔力が使える状態になります!!ということは…!!」

「フィー、肩慣らしはこれぐらいにしよう。そろそろいつもみたいに、本気で動こうぜ」

「マスター、…行きます!!」

「「神魔級強化!!」」


 俺とフィーは、神魔級強化を纏い、更に身体能力を強化した。纏った魔力の余波で、周りに風が吹き荒れる!!次の瞬間、俺達とフィーは、皆の視界から消えた!!


「こん!!き、消え…!!」

「いや、上だな…。私も見えないが…」

「レムもですか。うーん、私でも見えませんね…。空間が歪んでますから、位置は分かるんですが…」

「う~ん…」

「ミズキは、どうですか?」

「僅かにだが、まぁ、その程度だな…。完全には捉えられない…」

「あたしも、ちょっとしか見えないなぁ…」

「ミズキと、カヤでもですか…。やはり、半端ないですね。あの力は…」

「…同じ速度で動けば、私ならあるいは…」


 おっ、カザネは、この速度でも着いて来られるのか。流石、うちの最速!!伊達じゃない!!そう思いながら、俺はさっきから、フィーと武器をぶつけあっていた。最近やられっぱなしだったからなぁ。対等に戦えて、少し気分が良い。フィーが、魔法の弾丸を飛ばしてくる!!俺は、その場から動かず、槍を空中に撃ち放った!!射出の衝撃で大気が歪み、フィーの魔法が消滅する!!槍は、またハルバードに収まり、装填状態となった。


「マスター、流石です!!」

「俺が凄いんじゃない。シスラや、皆の力がすごいんだ」

「いえ、ベイさん…。私達4人だけでは、こうはなりませんよ」

「そうっすよ。ベイさんがいるから、ここまで強くなれる訳で…」

「はい、フィー姉さんに、私達だけではとても…」

「ですから、ベイさん。貴方は、やはり凄いのです。誇っていいほどに」

「…ありがとう、皆」


 腕に持っている、ハルバードが変化する。斧の刃が上に移動し、割れ、形状が変化し。槍を挟み込むような山なりの形になった。左腕の弓が変形して移動し、その間に光の弦を張る。ハルバードが、巨大な弓へと変形した。


「フィー、今日は疲れるかもしれないが、受けてみるか?」

「はい!!マスターの為に、強くなりたいですから!!」


 俺は、光の弦を引っ張る。両肩の砲身から、魔力がチャージされ、腕を伝わり、装填された槍を光らせていった!!


「行くぜ…!!」

「照準固定!!」

「自動追尾開始!!」

「魔力装填完了!!」

「発射っす!!」


 俺が弦を離すと、それに合わせるように、槍が高威力で射出された!!それと共に、槍に蓄えられていた、高威力の聖属性の魔力が、光の線を描き、フィー目掛けて直進する!!


「…」


 フィーは、その速度から、躱すことが無理だと確信するやいなや、真っ向からその攻撃を剣で受けた!!


「はああああぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああ!!!!!!!!!」


 フィーの気合の声がこだまする!!!フィーの剣に、全属性の魔力が乗り、輝きを放ち光の槍を受け止めていた!!…あれは、俺の魔法剣か…。カザネいわく、滅閃というやつだ。それを、フィーが使っている。何だか、嬉しいような…。取られた様な…。複雑な気分だな…。


「おりゃぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!!」


 槍が、フィーの気合の一閃によって、切り裂かれる!!射出した槍は消滅し、俺達の武器には、新たに次の槍が再装填された。


「はぁ…、はぁ…」

「お疲れ様、フィー」


 俺は、ハルバードを元に戻す。そして、疲れているフィーを迎えに近づいた。


「マスター…」

「おっと…」


 甘えるように、フィーが鎧を解除して抱きついてくる。俺も、一体化を解除して、フィーを抱きしめた。


「疲れたか?」

「はい、とっても…」

「よしよし…」


 俺は、フィーの頭を撫でてやる。ほぼ全力で動いていたからな。この短時間でも、相当疲労しただろう。それに、最後の一撃。フィーでも、結構ギリギリだったみたいだ…。うーん、天使4人分の力は、凄いなぁ…。俺は、そう思った。


「よし、皆の元に、戻るとするか」

「はい、マスター」


 俺とフィーは、風魔法で、ゆっくり皆が居る観客席へと降りて行った。


 


 

 


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