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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第二章・五部 夏と商家の娘?と
210/632

全力だったら…

「うーん、だが、考えた所でどれくらい凄い受け流しなのか、全然分からんぞ…。俺のいつもの、魔力を込めた全力の剣を受け流せるとかだったら、洒落にならん…」

「主様~、一体化しちゃえばいいじゃん…」

「しー!!カヤ、それは周りに聞こえるように、喋ってはいけないよ」

「は~い」


 耳元で喋るだけだったから、ロデ達までは届いていないだろう。だが、一体化かぁ…。今したら地上では、どれだけ強いんだろうなぁ、俺達…。ちょっと、興味はある。でも、神魔級迷宮ボスを、葬れるほどの力が有るのは確定だ。人間1人相手に、使って良いもんじゃないだろう…。それこそ、可哀想な展開になってしまう。いや、それ程相手が強いなら、って感じはあるけど…。流石に、無いよな。無いよね?


「主人」

「うん、何だ、カザネ?」

「いつもの全力の魔力剣では、格好良くありません!!これからは、滅閃とかにしましょう…!!」

「いいですね、カザネ姉さん」

「そうでしょう、アルティ」

「…」


 技名かぁ…。いるかなぁ…、それ…。ただ、魔力を威力に変えて、撃ち出しているだけだからなぁ…。そんな、御大層なもんじゃない気がする。まぁ、呼びやすくなるなら良いか。


「うーん、相手の動きを封じてからなら、受け流しも出来ないか。ミズキの、水の糸が使えそうだな」

「そっちは、水糸で行きましょう…!!」

「はいはーい!!武器を、シスラの槍にすれば、衝撃波が出て躱せないと思います!!」

「ああー、なるほど。それも名案だな、カヤ。だが、相手を殺しかねない…」

「あっ…」


 これは、殺し合いではない。練習試合だ。ある程度、加減出来ないといけないんだよなぁ…。だから、大雑把に放つ魔法や、攻撃ではいけないんだ。難しい問題だよな。しかも、相手が弱いわけでもないし…。


「…まぁ、その場その場で、動きを合わせるしか無いか…。今は、それしかない」

「うーん、パパの対策かぁ…。確かに、娘の私でも、思いつかないなぁ…。魔法も受け流すし、速いし、剣技も鋭いし…」

「…やっぱり、強いんだな。レラの父さん」

「うん。神魔級迷宮に、1人で行くような変わり者だからね。まぁ、それなりに強いよ。ベイ君ほどじゃあ、無いと思うけど…」


 …まじかよ。神魔級迷宮に1人で…。やばい、これは、確実に強い…。下手したら、負ける。


「ベイ、そう気にするな。受け流しが強力なのは良く分かるが、うちのお祖父ちゃんだって、よく1人で神魔級迷宮に挑んでいたぞ。そのお祖父ちゃんに、お前は勝ったんだ。多少、相手の剣技が変わるぐらい、どうということもない。パッとぶつかって、パッと勝利すればいいさ!!」

「…いや、サラサ。そう、簡単に行くかな…」

「まぁ、…多少、苦戦はするだろう。だが、今回の戦いは、ただの戦いではない。レラ先輩の、愛を勝ち取るための戦いだ!!こんな場面で、お前が負けるとは、私には思えない!!だから、大丈夫だ!!ベイらしく戦えば勝てる!!」

「そ、そうかなぁ…」


 謎の理論だな、それ…。でも、サラサには、確信があるようだ。絶対に、俺が勝つという確信が…。嫁にそうまで言われて、引き下がる訳にはいかない。…はぁ。じゃあ、頑張るとしますか…。俺は、そう思いながら、アルティの頭を撫でた。頼むぜ、相棒。


「お任せ下さい…、マスターに勝利を…」

「良いなぁ~、アルティわ。主様と一緒に戦えて…。あたし達も、あれさえ出来ればなぁ…」

「まぁ、我慢するしか無いですね…。私達は、ご主人様の精神面を癒やすことで貢献しましょう」

「あっ、そうだね、ミルク!!主様!!」

「うん?」

「チュッ!!」


 カヤが、俺の前側に回る。そのまま、キスをしてくれた。


「んふふ~」

「ありがとう、カヤ」

「いいの、主様。あたしも、嬉しいんだから」

「ふっ、ご主人様を癒やすためなら、このミルク。いつでも、キスを致しましょう!!そう!!あんなとこでも!!こんな所にも!!」

「はいはい、ミルク、おいで…」

「ご主人様!!」


 カヤが少し横にずれて、ミルクも俺に抱きついてくる。ああー、やっぱり良いなぁ、ミルクのおっぱい…。最高だ…。癒される…。更に、いつも通りの、濃厚なキスもしてくれた。うん、確かに、試合に関しての不安が吹っ飛んだ気がする。ありがとう、カヤ、ミルク。


「あっ、そろそろ、ミエルの時間かな…」

「は、はい!!」

「よっし、主様を癒やすの、交代!!」

「はい!!頑張ります!!」


 カヤとタッチして、ミエルがやってくる。少し悩むような表情をして、俺の膝の上に座ってきた。


「ベイさん…」

「ミエル…」

「…」


 ミエルは、俺の頭を抱きかかえると、そのままギュッと抱きしめてきた。ゆっくりと愛おしそうに、俺の頭を撫でていく。うーん、こういうのも良いなぁ…。ミエルの体温が心地いい…。


「ベイさんなら、勝てますよ。頑張ってください」

「ああ、ありがとう」


 あっ、これって、天使に祝福してもらったことになるんじゃないか?なんか、凄い効果ありそう。勝てそう。


「うーん、だが、流石に何もしないでおくというのは、あれだな…。準備が足りない気がする…。よし、フィー、相手してくれないか!!」


 俺は、ミエルをお姫様抱っこして立ち上がり、そう言った。


「ええっ!!ベイさん!!私との時間が…!!」

「ああ、だから、ミエル。俺に、力を貸してくれ…!!」

「えっ、それって…」

「フィーも、最近強い相手との訓練が出来てなくて、退屈してただろうからな。いい機会だ、シスラ、サエラ、シゼルも頼む。訓練に、付き合ってくれ」

「ひゅ~、私等4人の力を纏って、フィー姉さんとやり合おうってことっすか!!いいっすね!!やってやりましょう、ベイさん!!」

「強くなった私達3人の力、フィー姉さんに何処まで通じるのか、興味があります!!ベイさん、行きましょう!!」

「ええ、そうですね。ベイさんのため、何処までお力になれるか分かりませんが、存分に我らが力、お使いください」

「マスター、私のために…。分かりました、やりましょう!!」

「おし、じゃあ、移動するか」


 出かけてくる、という名目で、転移しようとしたが。ロデとロザリオ、レラやニーナ、レノンやサラも、俺達から離れる気がなさそうだった。アリーに目配せする…。アリーは、少し考えた後、頷いた。俺は、皆を連れて、火属性聖魔級迷宮に転移した。





あ、210回めです!!予約更新セットして、数分して気づきました。コメント書き忘れるとこでした。あぶねぇ…。いやぁ、遂に、この小説も1000ブクマを頂くシリーズになりましたよ。ありがとうございます、嬉しいです。ああ…、次は、一万行くぐらいの面白さを目指したいですね(白目。まぁ、頑張っていこうと思います。ということで、これからも、召喚魔法で異世界踏破をよろしくお願いいたします。

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