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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第二章・五部 夏と商家の娘?と
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頑張れニーナさん(地獄編)

「お馬鹿!」

「あ痛!!」


 アリーは、コツンとロデの頭を叩く。そんなに痛くは、無かっただろうが。ロデは、痛がるリアクションを、軽めにとった。


「あのねぇ…、私の話、聞いてなかったの…?ベイを、愛する気が有るかどうかが、重要なの。その場で、抱かれればいいってもんじゃないのよ…」

「えっ?…じゃあ、どうすれば…。私的には、十分その覚悟が、有るつもりなんですが…」

「こればっかりは、その場その場で、すぐに分かるもんじゃ無いからね…。ベイに、長く接して、その上で評価しないと、確実とはいえないから…」

「そう、ですよね…。舌先だけなら、何とでも言えます…。真に愛してるかなんて、時間をかけて寄り添わなければ、分かりませんよね…」

「そういうこと…。その点に関して、今、ここにいる皆は、合格と言えるわね」


 …ニーナが、えっ!?私も?みたいな顔をしている。他の皆は、嬉しそうに照れているなぁ…。レラも嬉しそうだが、そういうことだと思って、いいんだろうか…。


「やはり…、帰るしかありませんか…」

「…ああ!!もう!!!調子狂うわね!!…まったく、そんな寂しそうな顔、するもんじゃないわよ!!同情しちゃうでしょう!!」

「…」

「はぁ…、もう、分かったわよ…。泊まればいいでしょう、泊まれば」

「!!いいんですか…!!」

「その代わり、貸し1つだからね。いつか、返して貰うわよ…」

「は、はい!!」

「はぁ…、何だか疲れたわ…。ベイ、寝ましょう…。私を、癒やして…」

「ああ…」


 俺は、アリーに寄り添うように、横に寝る。その周りに、皆がいつもの様に集まってきた。


「ちぇっ、せっかく準備したのに…。明日にお預けですか…。いえ、旅行はまだ、始まったばかり…。そう、急ぐ必要も有りませんよね…。ね、ご主人様」

「?何だか分からないが、まだ一日目だ。楽しみを、残しといてもいいんじゃないか?」

「ですよねー。…ですってよ、皆さん。楽しみですねぇ…」


 ?ミルクの言葉に、何だか皆、顔が赤くなってないか?まぁ、いいか…。アリーが、寝息を立て始めている。可愛い。俺も寝よう…。明日も、疲れる一日になりそうだし…。うん?


「では、私は、ここで…」


 アルティは、俺の頭上、シデンの横辺りに寝ることにしたのか…。確かに、そこだと取りやすいかもしれないなぁ…。ふぁぁぁあああ…。アリーに釣られたのか、一気に眠気が襲ってきた。もう、寝よう…。


「おやすみ、皆…」


 おやすみを言ってくれる皆の声を聞きながら、俺は、眠りに落ちていった…。



「うーん…、ベイ様は、私のご主人様だから…」


 …お休みを皆さんが言われてから、数時間が経ったのだと思います。今、ヒイラさんが何か寝言を言ったように、皆さん、ぐっすりお休みになっているようでした。でも私、ニーナ・シュテルンは、目が冴えて眠れそうも有りません…。かなり海での遊びで、疲れたと思ったんですけど…。それでも、私の意識は、冴えに冴えて、眠ろうとしませんでした。


(…今日は、魔法の練習しなかったなぁ…。来る途中に、ちょっとやったくらいかな…)


 ベイ君は、結局今日は、訓練をしてくれませんでした。でも、多分、私達が遊び疲れたせいだと思います。それで、今日の訓練は、無しだと判断されたのでしょう…。それにあの後、色々あったようですし…。仕方ないのかなと思います…。


(…ベイ君は、凄いなぁ…)


 私は、彼が寝ている辺りに視線を向けました。多くの女性に囲まれて、顔しか見えませんが、気持ちよさそうに寝ています。それだけ、女性に囲まれて寝るのに、慣れているのでしょう。しかも、彼を囲んでいる女性たちは、誰もが只者では有りません…。


(水面を走ったり、牛車を飛ばせたり、5日かかる距離を、数分で走破したり…)


 とても、同じ人間とは、思えない方達ばかりでした。何故彼女たちは、あんなにも凄いのでしょうか…?ベイ君と、いるからでしょうか…。それとも、力のある人が、ベイ君のもとに集うのでしょうか?


(アリーさん、ヒイラさん、サラサさん、レラ研究長…。この4人も、凄いよね…)


 それに、さっきやってきたロデという人も、只者ではない気がします。…皆さん、美人ですし。そんな中に、自分という、普通で、力の無いものが居てもいいのかと、少し不安になりました…。


(私にも、ベイ君を、その…、愛する資格がある…、かぁ…)


 先程、アリーさんの言っていた言葉が、私の中によぎります。愛する?ベイ君を?私が?っと、あの時は思いました…。ベイ君には、お世話になっている立場ですし、そんな関係には成り得ないと思っていました。だから、ベイ君と、その…、そういう関係になろうなんて、考えたこともあリませんでした。でも…。


(言われると、意識してしまいますよね…)


 もう一度、彼の顔を、私は見ます。見続けていると、胸の中に、何かが湧き上がってくるようでした…。そのまま私は、もう一度目を閉じます…。この気分のまま、寝てしまいたい…。そう思いました。でも意識は、冴えに冴えて行くばかりでした…。



「…」


 朝か…。何か、夢を見ていた気がするなぁ…。褐色の幼女が…。あれ、アルティだっけ?駄目だ。思い出せない。とにかく、そんな夢を見たような…。取り敢えず、起きることにしよう。俺は、寝ている皆を起こさないように、浜辺に出て行った。


「よいしょ、よいしょ」


 うん?外に出てみると、ニーナが運動をしていた。早起きだなぁ…。そういえば、魔法使いにも体力は必要だよって、前に助言してたっけ。それで、朝早くから準備運動をしているんだろうか?うーん、ニーナの向上心は凄いなぁ…。


「あっ…、おはようございます、ベイ君!!」

「ああっ、おはよう。ニーナ」


 ニーナは、笑顔で俺を迎えてくれた。本当に、いい子だなと思う。うん、絶対助けよう…。俺は、そう思った。


「ベイ君!!何だか私、朝から、すごいやる気が出ているんです!!なんでもいいから、訓練をしてくれませんか?昨日は、あまりしませんでしたし…。よろしくお願いします!!」

「ああ、本当に、凄いやる気があるみたいだね…。じゃあ…」

「私の出番ですね…」


 瞬間、俺の背中に胸を押し付けるように、ミズキが出現した。や、柔らかい…。あれか、旅行で、ミズキも大胆になっているのか?


「ひゃぁぁああああ!!」

「おっ、ミズキ。起きてたのか」

「寝ながらにして周りの状況を把握するなど、私には造作も有りませんので…、殿」


 相変わらず、凄いことをサラリとするなぁ、ミズキは…。ミズキは、名残惜しそうに俺をギュッと抱きしめると、ニーナの前に出て行った。


「ではニーナさん、魔法を使う上で、大事なことは何か、分かりますか?」

「え、えっと…、威力の調節と、コントロールでしょうか…?」

「そうですね。特に、コントロールは大事です。当てられなければ、どんな魔法も意味が有りません…。つまり…」


 ミズキは、その場で20人に分身する。


「どんな状況でも、魔法を当てられるほどのコントロール力。つまり、動体視力と、身体の身体力が必要となってくるわけです。それらを養うには、実戦形式が1番ですね。勿論、実戦ですから、相手の攻撃を避けることも必要になってきます…」

「えっ、あの、その…」

「あっ、昨日の水着は、もう乾いていますので、良ければ着替えて来てはいかがですか?これから、水濡れになりますし…」

「あの、その…」

「さぁ、準備が出来たら、始めましょうか…」


 夏休み2日目。この日からニーナの修行・ミズキ地獄編(初級)が、始まった。



新年初投稿です!!あけましておめでとうございます!!今年も、よろしくお願い致します!!なお、次は、200回特別記念回です!!ちょっと特殊な回ですので、後でみよう!!と思われる方もいるかもしれません。ですが200回です!!その投稿の時には、今までの感想や、評価など、送ってくだされば嬉しいです。作者の励みになります!!では、よろしくお願いいたします。

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