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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第二章・五部 夏と商家の娘?と
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第2回水着祭り・4

 海に、土魔法でゴールネットを作成する。そして、じゃんけんで半々にチームを分けた。後は、水魔法でボールを作る。ふにゃふにゃだが、軽く、強度を持たせることも出来る不思議なボールが出来た。さて…。


「それじゃあ、始めるとするか…」


 チームは、アリー、ミルク、ミズキ、ミエル、シデン、レノン、サラ、ニーナ、レラのアリーチーム。そして、ヒイラ、フィー、レム、カヤ、シスラ、サエラ、シゼル、カザネ、サラサのヒイラチームに別れた。俺は、審判とボールの強度調整のため、参加はしない。まぁ、今からするのは、いわゆる水球である。でも正直、俺も水球に関しては詳しく無い。だから、あまり細かいルールとかは無しにした。反則とか、魔法禁止とか、分身禁止とか、まぁ、そこら辺ぐらいの軽いルール説明のみはしてある。分身すると、ミズキ無双が始まってしまうからな。仕方ないよな。でも多分、それでも、超次元水球的なものになるだろう。と言うかなる…。


「準備はいいかな?」


 俺がボールを投げて、両者中央の海の上に浮かべる。両側のゴール付近に並んだ皆が、一様に動作する姿勢をとった。


「それでは…、始め!!」


 口笛を吹いて、開始の合図をする!!両チーム、ボールを目指して走りだした。その中で、別格の動きをする者がいる。ミズキだ!!ミズキは、水球なのに、海の上を脚力だけで走っている!!凄い!!流石ニンジャだ!!これは、アリーチームが優勢か、と思ったが…。


「意外と遅いですね、ミズキ先輩…!!」


 ミズキが取ろうとしたボールが、目の前で掠め取られる。…ボールを取ったのは、何とカザネだった。カザネも、脚力だけで、海の上を走り。ミズキより先に、ボールにたどり着いたのである。…マジかよ。うちの最速は、脚力だけでも最速のようだった。


「よっと!!」


 そのままカザネがボールを蹴り、ゴールに向かってボールを撃ちだす!!ボールを蹴ったと思えないような爆発音が周囲に広がり、海を振動させた!!勿論、そんなカザネの撃ちだしたボールを、アリー、シデン、レノン、サラ、ニーナが、止められるはずがない。ボールは、真っ直ぐゴール目指して飛んでいく!!だが…。


「…ふっ」


 ぶるん!!と、爆乳を揺らして、ゴール前に構えていたミルクが飛び出す!!腕を突き出した時の破壊力で、強引に飛んで来るボールを止め、空中でキャッチした!!そのまま、ミルクはボールを握りしめ、敵ゴールに向かって、ボールを投げ返す!!


「おりゃァァァああああああああああ!!!!!!!」


 ボールが、海を切り裂いて飛んで行った!!普通の人間が受けたら、ばらばらになりそうな威力のボールが、空中を飛んで行く…!!…やっぱ、無理があったかな。皆で、水球するの…。


「よし、来い!!」


 そのボールを、待ち構えていたレムが、腕で上に弾き飛ばす!!そこに合わせたように、カヤがジャンプして、ボールを撃ちだした!!


「よっと!!」


 カヤが回転して体を捻り、蹴りでボールを撃ちだす!!そのボールは、摩擦で熱を放ちながら、空中を飛んでいった!!


「来るぞ、ミルク、ミエル!!」

「はい!!」

「ええ、受けきってやりますとも!!」


 カヤが打ち出したボールに、まずミエルが腕でブロックして、威力をそぐ。ボールの軌道が大きくそれ、その威力が少し減った。


「よし!!」


 次に、ミズキが強引にキャッチして、掴もうとする。だが浮いたボールに、カザネが蹴りを加えて、新たに威力を上乗せしてきた!!結果、完全に掴み切る事は出来ず、ボールはミズキの腕から離れてしまう。だが、お陰で大分威力は削がれた。その威力が削がれたボールを、アリーがキャッチする。その瞬間、カザネが高速で、アリーに接近してきた!!


「うわっと!!レノン!!」

「えっ!!うわわ!!…えっと、ミエルさん!!」


 パスを繰り返して、カザネからボールを遠ざけようとする。だが、カザネのほうが早い!!レノンの投げたボールは、カザネに空中で掠め取られそうになった!!


「誰が、遅いって…!!」


 カザネの目の前で、ボールがキャッチされる!!ボールを奪ったのは、ミズキだった!!ミズキが、ボールを掴んだまま、敵陣に切り込んでいく!!


「…流石、先輩!!」


 カザネも、すぐにミズキの後を追って、走りだした。だが、既に走りだしているミズキのほうが、ゴールに辿り着くのが早い!!ミズキは、ゴール前で、全力のボールを投げ入れた!!だが…。


「…よっと」


 そのボールは、軽い調子でフィーにキャッチされてしまう。…やはり、フィーが規格外すぎるか?いや、打ち崩すすべはありそうだな…。後は、アリーチームがそれを出来るかだが…。


「ミズキ!!単体では、フィーを打ち崩せないわ!!チームでの攻撃に、専念しましょう!!」


 アリーも、俺と同じことを考えたのか、ミズキに向かって指示を飛ばす。


「承知!!」


 そこから試合は、戦略的な戦いになっていた。フィーを打ち崩すために、ミルク、ミズキ、ミエルが連携して攻撃をする!!だが、この3人が主軸というだけで、決して他のチームメンバーが参加しないという訳ではない。身体能力の比較的高いレラや、シデンがゴールを狙う場面もあった。レノンや、サラ、アリーも、ボールの落ちてくる位置に陣取ったりして、チームのボール占有率に貢献している。無論、ヒイラチームも負けてはいない。アリーチームの攻めに、崩されそうになるフィーの防御を、レムが支え、カザネとカヤがカウンターをするという、攻撃と防御を兼ね備えた効果的な戦術で対抗していた。他の皆も、アリーチーム側の陣地で、カザネとカヤのボールパスを受ける事によって、攻撃をよりしやすくすることに貢献している。勝負は、夕方近くまで続き、試合は3対3の引き分けでおわりを迎えた。


「つ、疲れた~」

「カザネ、やりますね…」

「ミズキ先輩、次は、完全に追い抜いてみせますからね」


 アリー達は、疲れからか、浜辺に横たわってしまう。魔物の皆は、比較的元気だった。どうやら、スポーツを通して、仲間内の友情度も上がったようである。うんうん、良い事だ。俺も、皆の揺れる胸とか、お尻を見れて、大変満足している。いやぁ、美少女の水着は、見ているだけで時間を忘れるなぁ…。幸せな時間だった…。


「…ご主人様、ご主人様」

「うん?」

「ほら、回復魔法の出番ですよ」


 ミルクが、浜辺で寝そべっているアリー達を、指してそういう。…いや、確かに、かける場面だけどさぁ…。


「主様…!!私も疲れちゃったなぁ…。かけて欲しいなぁ…」


 カヤが、そう言いながら俺におぶさってきた。おうっふ!!豊満な胸が、背中にダイレクトに押し付けられる!!…柔らかい。俺は、カヤの頭を撫でて、軽く回復魔法をかけてあげた。カヤは、嬉しそうに笑みを浮かべて、俺に頬ずりしてくる。うんうん、いい感じだな。…これぐらいなら、アリー達にかけても、大丈夫そうかな?そう思い、俺はアリー達に初級程度で、回復魔法をかけた。


「あっ…、はぁぁぁああ…」

「うぅん…、何だか、気持ち…いい…?」

「む、ムズムズ…する…」


 アリー、レノン、サラから出た反応は、明らかにアウトなものだった。サラサや、ヒイラ、ニーナは声を殺しているようだが、それでも顔を赤くしてピクピクしている。…これぐらいにしておこう…。あれ?こんな威力出てたっけ…。初級だよ?


「…」


 俺は、ますます自分の回復魔法が、信頼出来なくなっていった…。



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