第2回水着祭り・2
「うん?主人?」
「何も言うな、カザネ…」
カザネに気づかれたか。俺は、哀愁ただよう言い方で、カザネに頼んだ。するとカザネが、俺の頭を引き寄せて、優しくキスをしてくれる…。よせやい…。治まらなくなるだろう…。
「私が、治めてさし上げましょうか…?」
甘く、カザネが囁く。いかん、ダメな方向に状態が進んだ!!カザネェェェ!!!!!!!
「気持ちだけ、受け取っておくよ…」
俺は、少しその誘惑に惹かれながらも、何とかその言葉を紡ぎだした。そんなことになったら、今日止まらなくなるからね。カザネの太もも、堪能しちゃうからね!!今は我慢しよう。せっかく、皆で遊びに来ているのだ。俺1人の燃える欲望で、この場を離れるわけにはいくまい…。俺は、グッと我慢した。
「おーい!!ベイ君!!」
「待ってって、レノン!!」
おっ、次はレノンとサラか。レノンが青色で、サラが緑色のシンプルなビキニを着ている。レノンは頭と水着の腰紐あたりに、花のアクセサリーを着けていた。サラは、緑色のブレスレットを左手と、右足に1つずつ着けている。うん、シンプル可愛い。
「へへっ、どうかな、私達の水着は?」
「け、結構似合ってると思うんだけど…」
サラが照れ気味に、レノンが自信ありげに水着を見せる。2人共、研究会で鍛えているからなぁ…。健康的エロスがビンビンだった。素晴らしい!!
「最高です!!」
俺は、思わず親指を立てて、賞賛の言葉を送っていた。ああ、でも駄目だ。光景は最高だけれども、ますますダメになる…。何がとは言わないけど…。
「へへっ、そうかぁ~。えへへ…」
「水着、凄い…」
2人は、喜んでいるようだった。俺も、喜んではいる。ただし、少し歩きづらくなってはいるが…。
「ふむ、ベイ。私はどうだ?」
「わ、私も…」
年齢に似合わない驚愕のプロポーションを引っさげて、サラサとヒイラがやって来た。サラサは黒い紐に、白い布地のビキニを着けている。鍛え上げたサラサの肉体美に、見事に水着がマッチし、サラサの魅力を引き上げていた。ヒイラは…。…でかい。マジででかい!!何がって、胸が!!あれを揉んだんだよなぁ、俺…。おっと、またいけない方向に状態が進んでしまう。いけないいけない、水着に集中せねば!!ヒイラは、緑色の水着だった。腰に革製のウエストバッグを着けており、腕には杖を持っている。水着の紐の端には、それぞれ黄色のビーズのようなものがはめられており、可愛さを演出していた。
「うん、2人も、かなり似合ってるよ!!」
俺は、一も二も無く、頷いた。
「そ、そうか…。よし、今日は私を、好きにしていいぞ!!ベイ!!」
「えっ!!サラサちゃん、大胆…。わ、私は…」
その発言を聞いてヒイラは、俺を見てもじもじしていた。可愛い…。そしてサラサの発言で、俺の状態がデッドゾーンに入り始めた。ちょっと見ただけでも分かってしまう…。危ない、危ない。
「そ、そうだなぁ…。後で、お願いしたいことがあるんだ。ちょっと、後で付き合ってもらってもいいか、サラサ?」
「うん?何だか分からんが、良いぞ!!どんと来い、ベイ!!」
サラサには、後でニーナの特訓に付き合ってもらおう。恐らく、サラサが考えている何でもに、これは含まれていないだろうが、まぁ、良いよね。含まれている方を思い浮かべたら、色々我慢出来なくなりそうだし。今は、こう言う返事にしておこう…。
「ベイさん!!」
「私らも、着て来たっすよ!!」
「この格好も、随分久し振りですね…」
「相変わらず、恥ずかしいですが…。これ、もうちょっと布地増やせませんかねぇ…」
今度は、ミエル達がやって来た。4人とも、また白いビキニだ。ただ、完全に去年と同じというわけではなく。金色の装飾が小さくされていたり、片胸の布地にそれぞれの武器のシンボルが、赤で描かれていた。そして相変わらず、シスラは、水着がお尻に食い込むようだった。うん、エロい!!
「安定感のある、似合いっぷりだね」
「あ、ありがとうございます!!」
「うーん、でも、相変わらずこれ、食い込むんっすよねぇ…」
「私は、前回と同じで、ぴったりですね」
「私は、少し食い込んでいるような…」
「おっ?ということは、ご主人様に揉まれて、お尻が大きくなりましたか、シゼル?」
「!!??」
「いやぁ、大きさ的には、この前のが基準で作ってますからねぇ…。きついというのなら、そうなんでしょう」
「あの~、私は、きついままなんっすけど…」
「…だが、それが良い!!」
「えっ!!そうなんっすか?」
ミルクも、食い込みを直す仕草が、良いと思っているようだ。俺も、良いと思います!!
「おっ、盛り上がってるねぇ!!」
「わ、私は…。ちょっと、恥ずかしいと言いますか…」
「何言ってるの、ニーナちゃん。皆出てるんだから、ほらほら、早く早く!!」
「は、はい…」
レラに急かされて、ニーナがやって来た。ニーナは、青が主体の水着を着ていた。セパレートとかいうタイプの水着かな?胸からお腹にかけて布地があって、下にはフリフリのスカートが付いている。腰の両端には、青いリボンが付いており、とても可愛い。幼さと、可愛さを引き立てる水着だな。と、思った。
「どう、ベイ君?ニーナちゃん、似合ってるでしょう?」
そう言うレラの水着は、黄緑中心の水着だった。ブラの部分が、他の皆と違って三角ではなく、長方形で、肩紐がないタイプの水着だ。レラも、鍛えているからか、身体のラインが引き締まっていて、健康的なエロさを醸し出している。水着も、そんなレラが着ているからか、動きやすそうだなぁ。という印象が、強く出ていた。うん、似合っている。
「ああ、似合ってるな。レラも、可愛いよ…」
「!!ええっと、そ、そうかなぁ…。あはは…」
そう言われると、レラは照れたように笑い出した。ニーナも黙ってはいるが、少し顔が赤い気がする。うんうん、良い光景だ!!
「さて、最後は、私達ね!!」
「はい!!」
…真打ち登場といった所だろうか。いや、俺に関してではあるが…。アリーと、フィーが出てきた。アリーは、赤いビキニ。フィーは、白いビキニを着ていた。アリーの水着は、胸元で結ぶタイプの水着らしく、胸の中心に、赤い結び目が出来ていた。そして、何故かサングラスを、頭上に着けている。だが、そのサングラスも、アリーの尖った魅力を、引き立てている気がした。フィーは、腰や、背中に、リボンをあしらった水着だった。可愛さが、全面に押し出されている気がする。うん?所々に小さく付いているのは、魔石だろうか?全属性の魔石が、水着の紐部分に嵌めこまれている。何だか、フィーらしい水着だな。俺は、そう思った。
「どう、ベイ?似合ってるかしら?」
「マスター?」
「ああ、勿論。2人共、良く似合ってるよ!!今すぐ、抱きしめたいくらいだ!!」
「ベイ!!」
「マスター!!」
俺は、走ってきた2人に勢い良く抱きつかれ、そのまま地面に転げ落ちた。以上で、女性陣全員の水着を見たことになる。これだけの綺麗な海、たくさんの水着美少女…。しかも、周りには観光客も人っ子一人おらず、いる男は俺だけである。何だ、天国か…。地面に転がっていても、俺は幸せを感じていた。
「あっ、ベイ。これ…」
「…」
そういえば、俺はまずい状態になっていたんだった…。それが、アリーにバレたらしい…。アリーは、ニコッと優しく微笑むと。俺に向かって、ゆっくりと肌を密着させてきた…。その行動を見てか、周りの皆の眼の色が変わった気がする…。俺は、ジリジリと皆に、詰め寄られていった…。
*
「ここまで来れば…!!」
「そこかい!!ロデ!!」
「うおおっ!!!」
茂みから出て、再度駆け出す!!知った町並みをジグザグに走り、裏通りを抜け、資材倉庫を中から通り過ぎ、壁伝いに屋根を飛び越え、馴染みのレストランの裏手に身を潜めた…。
「はぁ、はぁ、ここなら…」
「ロデは、早いなぁ…」
「うわぁぁああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
またしても、そいつは追いついて来た。そしてロデは、勢い良く駆け出す!!息つく暇も無く、ロデは走り回った!!海岸沿いの小屋、八百屋のダンボールの影、宿屋の2階などなど、様々な場所に隠れたが、そいつを巻くことは出来なかった。
「もう、しつこいなぁー!!!!!!!」
「ははは、ロデは元気だなぁ!!!」
相手は、疲れた様子もなく、むしろ楽しそうに追ってくる。それがロデには、不快だった。
「来るなぁぁぁぁぁああああああああああああ!!!!!!!」
「ははは、照れちゃって~!!」
隠れる宛もなくなったロデは、ただ必死で、海岸沿いを駆けて行くのだった。