第2回水着祭り・1
「ふぅ…、皆さんもご飯を食べましたし。目の前は海ですし。牛車に、水着は積んでありますし。後は分かりますね?」
「ああ…。主、我々は少し牛車で準備をしてくる。待っていてくれ」
「ああ、分かった」
「ほらほら、レノンさんと、サラさんの分もありますよ~。どうぞこちらに!ああ、勿論、ニーナさんもですよ~」
「えっ!!何々?」
「ちょっと…」
「えっ、何ですか?」
女性陣皆は、ぞろぞろと牛車に入っていった。俺は1人、お茶を飲んで待つ。うーん、景色がいいと、いつものお茶さえ美味く感じるなぁ…。風もいい感じに吹いていて、涼しい。いいなぁ…。旅行って感じだ。ものの30分で着いたけど…。
「そういえば、俺も海パン作ってもらってたっけか?」
ローブのポケットに手を入れて、海パンを取り出す。出発する時にいきなり渡されたから、そのままポケットに突っ込んでいたのだ。広げてみると、ピッチリした感じじゃない、大きめの水着だった。サーフパンツとか言うんだっけ、こう言うの?よく分からないけど。取り敢えず、履いてみることにした。うん、しっくり来る。色も黒で、汚れが気にならなそうだ。…ピッチリしたタイプじゃなくて良かった…。あれは、恥ずかしいからな…。俺には向かない…。
「よし、俺の準備はこんなもんでいいか、さて…」
脱いだ服をたたんで置いて、座して待つ。…何だかそわそわするなぁ。内心、待ちきれなくて、ドキドキしているのかも知れない。そりゃあ、あれだけの可愛い女の子揃いの水着祭だからなぁ…。こんな気持になっても、仕方ないだろう。
「誰が一番に来るかなぁ…。着替えが早いのは、アリーか…。もしくは…」
「私が、いっちばんですよ!!ご主人様ー!!!!!!!」
「ぐわっほ…!!!」
ボイ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ン!!!!!!!!!!!!
効果音、効果音が俺の頭の中で、大音量でなった!!むにゅでも、たゆんでも良かったが。背中に感じた衝撃の大きさが、この効果音を呼び起こさせる。これは、海パンを履いていては、対処出来ないレベルの衝撃だ!!とある事情により、座り姿勢から立てなくなっても仕方ないことだろう。と言うか、立てない。…いや、立ってはいるが…。
「み、ミルク!!」
「ふふふっ、どうですかご主人様~。おや、反応は上々みたいですねぇ…」
「!!」
俺は、恥ずかしくなったので、ミルクを膝の上に乗せる 。ふぅ、これで見えないだろう。だが俺の視界には、並々ならぬ威力を秘めた、爆乳が直視出来た。…これはまずい…。何か、何か他のことに意識を向けねば!!そうだ、水着だ!!ミルクの新しい水着を、観察せねばなるまい!!
「で、どうですかご主人様?私の、新しい水着は?」
「う~ん…」
俺は、改めてミルクを観察した。今回、ミルクは清楚系の装いだった。片方が黒、片方が白の生地中心で、胸が隠されている。下は、前側が黒、お尻側が白という半々に別れたデザインだった。そこに、麦わら帽子とパレオをつけている。今回は、足元にも気を使っているのか、白いデザインの可愛いビーチサンダルを履いていた。…これも作ったのか…。凄いな。あと、ビキニをわざとパッツパツにして作ったのか、かなりの箇所に布が食い込み、エロさを醸し出している。特に押さえつけられて、はちきれんばかりになっている爆乳は、目が離せないの一言だった。
「超可愛い…」
「でしょうとも!!でしょうとも!!」
ちくしょう、滅茶苦茶可愛いな…。俺の猛りが静まらない…。なんとかしなければ、海に入れねぇ。どうしたもんだか…。
「ご主人様ー!!」
「おっ、シデンか?」
笑顔を俺に向けて、シデンが駆け寄ってくる。黄色と白の、しましま模様のビキニを着ていた。下半身は、両側を糸で結ぶタイプのようだ。そして、片胸とお尻部分に、肉球スタンプのようなマークが付いている。可愛いが、なんかエロいな…。あと一つ、気になる点がある。浮き輪だ。浮き輪を持っている。半透明、いわゆるビニール製ではないようだが、どう見てもれっきとした浮き輪だった。何かで、代用して作ったんだろうか?凄い生産力だな…。しかも、ロリロリしているシデンに似合っている。全体的に可愛い。
「ご主人様!!」
「おっと…!」
シデンも、俺の膝の上に乗ってくる。…柔らかいお尻が2つ…。いかんいかん、他のことに意識を向けねば。俺は、微笑んでいるシデンを撫でる。
「水着、よく似あってるぞ。シデン」
「こん!!」
シデンは嬉しかったのか、俺に頬ずりしてきた。…やばいから、本当、ヤバイから。俺は、無垢なシデンの攻撃に、頑張って意識を別のことに向けることでしか、対処出来なかった。
「2人共、あまり殿に迷惑をかけるなよ…」
「私も、主様に抱きつく!!」
「カヤ、お前まで…」
今度は、ミズキとカヤか。カヤは、即座に俺の肩に跨がると、全身を使って俺の頭を抱きしめてきた。うん、柔らかい!!今は、皆に正体を隠すために褐色肌になっているカヤは、赤と黒の縞模様の水着を付けている。健康的な褐色肌に食い込んだ色の濃い水着が、カヤによく似合っていた。ミズキは、水色と黒のチェック柄のビキニを付けている。首と下側両サイドの結ぶ部分の布が大きく、ちょっとしたアクセントになっていた。片胸には、手裏剣のような模様が、白で描かれている。似合うなぁ…。
「似合ってるよ、2人共」
「あ、ありがとうございます…。殿」
「ふふっ、主様、だ~いすき!!」
ミズキは照れ、カヤは頬ずりしてきた。可愛いなぁ…。
「なるほど、これが水着というものですか。下着と、あまり変わりませんね」
「用途が違うから、一概にそうではないんじゃないか?」
「いえ、私達にとっては、どちらも主人誘惑用でしかありませんので…」
「確かに、そう考えると同じものだな…」
不穏な会話をしながら、今度は、レムとカザネがやって来た。レムは、鼠色のビキニかぁ。鼠色というか、岩色といったほうがレムっぽいかなぁ?最初にあった時の、あの色に近い感じの色だ。アクセントに、フリルが小さく付いている。可愛さと清楚さが出てるなぁ。カザネは、黒いビキニかぁ。足と腕に革製の小さなベルトを2個づつ着けており、首には、黒いマフラーを巻いている。可愛いけど、水着なのにマフラー?いや、そのギャップが良いのかもしれない。可愛いからいいか…。
「むっ、カヤ。私も、主人の肩に止まりたいのですが?」
「OK!!はい、どうぞ!!」
「では、遠慮無く。主人、失礼します」
その言葉を合図に、カザネは跳躍した!!空中で綺麗に回転し、俺の肩にお尻から着地する。ポスンっという軽い音で着地したことから、風魔法で着地時の衝撃を和らげたのだろう。お陰で、お尻柔らかい!!しか、俺は思わなかった。…今、お尻が4つ、俺に乗っているわけか…。静まらんな…。心の中で、俺は一人そう思った…。