拷問?
さて、闘技大会もおわり。優勝祝いもおわり、家に帰ってきた。ノービスも、カエラも宿に泊まるらしいし。後は、もう寝るだけだ…。と言うか、そうしたい…。だが…。
「きゃあー!!」
アリーが、縛ったままヒイラを、ベッドに放る。…何だか、犯罪的な光景が目の前で起きていて、どうも眠れそうにない…。果てさて、どうしたものか…。
「よし、ベイ。好きにしていいわよ!!」
「えっ…!!」
「ふええ!!!
俺は、その言葉に、ベッドの上のヒイラを見る。縛られて身動きも出来ないうえに、顔を赤らめて俺を見ていた…。そんなヒイラを、好きにしていいですと…!!…何と言う、悪魔的な誘いだ!!心なしか、ヒイラも期待しているような顔を、しているような…。い、良いんだろうか?ほ、本当に?
「あ、あの…、優しくして下さい…」
…その言葉は、今言ってはいけないたぐいの言葉ですよ、ヒイラさん!!いかん、理性の歯止めが効かない!!俺は、ゆっくりとベッドの上のヒイラに、近づいて行った。…あれ、これでは、俺が犯罪者っぽくなってないか?合意だよな?大丈夫だよな?
「あっ…」
俺は、ヒイラの頬を優しく撫でた。そのままヒイラは、恍惚とした表情を浮かべる。そういえば、キスをしていなかったな…。俺は、ゆっくりと顔を近づけた。ヒイラも、察したのか、ゆっくりと目を瞑る…。もう少しで、お互いの唇が触れそうになった…。その時…。
「はい!!ストーップ!!ベイ、そのまま、そこで耐えて!!辛いだろうけど、耐えて!!」
アリーの、静止の声がかかる。うん?どうしたんだ?好きにしろと言ったり、止めたり?
「えっ!!…アリーちゃん…」
ヒイラも何だか、当惑したような表情をしていた。そして、俺とヒイラの間に、アリーが割って入ってくる。
「ヒイラ…、あなた、なんか、私達に隠し事してるでしょう…?」
「えっ!!…えっと…」
アリーのその言葉に、ヒイラの目が泳ぐ…。あっ、これなんか、隠し事しているやつだ。非情に分かりやすい。
「正直に言わないと、この先はおあずけよ!!勿論、キスより先も可!!ただし、赤ちゃん出来ない範囲で、だけどね…!!」
「!!あ、赤ちゃん…!!!!」
その発言に、ヒイラは、更に顔を赤く染める!…ごくり。俺も、思わず生唾を飲み込んだ…。ヒイラと、少し見つめ合う。うーん、恥ずかしそうに俺をチラチラ見ているなぁ…。可愛い…。
「で、どう?言う気になった?」
「…そ、それは…」
ヒイラは、目を泳がせている。どうやら、まだ口は硬そうだ。
「仕方ないわね…。それなら…」
アリーは、部屋を出て行く。そして、鳥の羽のようなものを持って、戻って来た。あー、なんとなく想像できるな…。思った通り、アリーはその羽根で、ヒイラの足の裏をくすぐりだした!!
「こちょ、こちょ、こちょ~」
「あははははははははっ!!ちょ、アリーちゃん!!待った!!何してるの!!」
「何って、拷問よ?ベイと契約してるのに、隠し事なんて良くないからね。これで吐かせようって訳。こちょ、こちょ、こちょ~」
「あはははははっ!!!!ちょ、待って、待って!!」
「言う気になった?」
「…そ、それは…」
「こちょ、こちょ、こちょ~」
「あはははははっ!!ちょ、待って!!本当に待って!!ストップ!!やめて!!」
ヒイラは、必死に身をよじって逃げようとする。だが、縛られているせいか、うまく逃げられない。その上、更にアリーのくすぐりは、強くなる。今度は、空いている腕で、ヒイラの脇腹も同時にくすぐりだした。
「こちょ、こちょ、こちょ~」
「あははははっ!!!やめて!!ひゃめて!!アリーちゃん!!あはっ!!あはははっ!!」
うーん、必死になって身をよじっているヒイラだが、その動きが何処か艶めかしい…。それに必死になって逃げようとしているせいか、スカートがずり上がり、パンツが丸見えになっていた…。その上で、ヒイラは逃れようと必死に足をくねらせたり、開いたりしている。…うーん、何だか俺、興奮してきたぞ…。
「(はっ!!ご主人様が、興奮なさっている気配がします!!ここは、私が行かねばならないでしょう!!私の胸で、ご主人様の興奮をお鎮めしなければ!!ミルクがやらねば、誰がやる!!!)」
「(落ち着け、ミルク!!今は、ヒイラさんの口を開かせることが先決だ!!抑えろ、抑えるんだ!!)」
「(何故です、レム!!ご主人様の興奮を!!私が、鎮めなければ!!!そう、すっきり!!すっきりさせないと!!!)」
「(どうどう、ミルク。落ち着こうね~)」
「(フィー姉さんまで!!)」
いかんいかん、どうもミルクに嗅ぎつけられたようだ…。今は、こんな気分になっている場合ではない。そう、これは情報を聞くための、正当な拷問なんだ!!正当な拷問ってなんだ…?とにかく、エロい気分になっている場合ではない!!
「もう、口が固いわね…。仕方ない…、ベイ、ヒイラのおっぱいを揉んであげて」
「えっ!!」
「ふぇえ!!」
…えっと、何を言ってらっしゃるのでしょうか、アリーさん?
「私は、くすぐる!!ベイは、性的に攻める!!この同時攻撃なら、流石のヒイラも落ちるでしょう!!」
「えっ…、その…、良いのかな?」
「…」
ヒイラは、無言だ。だが、くすぐられたせいか、その顔は赤く、はぁはぁと、息を荒くしている。そして、期待するように俺を見ていた…。…合意と見てよろしいでしょうか?良いのでしょうか?
「良し!!それじゃあ、始めましょう!!せーの…」
「あっ…、あっ…、あぁーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」
夜も更けてきた室内に、ヒイラの笑いだか、興奮だか、分からないような声が響き続けた!!結局、ヒイラは喋らず。俺達は、眠くなるまでヒイラを攻め抜くはめになった…。
*
「ああ~、やっぱりこうなったか…。まぁ、私、鋭いからなぁ…。仕方ないか…」
遥か上空…、雲を突き抜け、星々が広がる場所。彼女は、そこに居た。彼女の身体は、虹色に輝き、今にも消えそうに見える。だが、しっかりとその実態は、不完全ながらも保たれていた。
「ああ~、ああ~。ベイに、あんな…。これは、ヒイラも落ちたわね…」
彼女は、顎下に腕を当てて考える。これは、直接自分で説明したほうが早いんじゃないか?彼女は、そう思った。
「さて、そうと決まったら、準備しないとね。せっかくベイに、この姿で会うんだし、おめかししなきゃ!!」
そう言うと、彼女は、魔力を練り始めた。
「おっ!!ヒイラ、気持ちよさそうね…。ちょっと羨ましい…。まぁ、私は今度してもらうとしますか…」
攻められるヒイラを見ながら、彼女は楽しそうに、魔力を練り続けた…。