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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第二章・四部 闘技大会
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英雄大剣士末裔筆頭

「…!!」


 速い!!先程も見たが、何も強化していないのにも関わらず、ガンドロスの身体能力は高かった。俺も強化魔法をかけていないとはいえ、相当鍛えている。その俺でも、速いと感じるんだから、彼の実力は相当なものだろう。俺は、正面からガンドロスの大剣を、アルティで受け止めた。重いが、耐えられないほどの一撃ではない…。ただ、ガンドロスが腕1本で振るったとは思えない、重さではあるが…。


「おうおう、何にも無しで俺の一撃を受け止めるとは、やっぱり並じゃないな坊主!!自力もちゃんとしてるってこったな。若いのに、よく修行してやがる。感心するぜ。まぁ、俺ほどではないがな…!!」


 そう言うと、ガンドロスは腕に力を込め、俺を斬り伏せようとする。剣にかかる重圧が、段々と増していく。お、重い…。本当にこれ、片腕で出せる力かよ!!!俺は両手だというのに、気を抜いたら潰されそうだった。だが、俺にも意地がある!!片腕ごときでは、押しつぶされてはやれない!!俺は、身体のバネを使い、一気にガンドロスの剣を押し返した!!


「…!!…やるなぁ。うちの孫達よりも力あるんじゃねぇか?その細腕でよくやるぜ…。いや、それとも、だからこそ引き締まってるってやつなのか?何にせよ、面白くなってきたぜ…!!」


 ガンドロスの身体から、赤い気が湧き上がる!!それはガンドロスの全身を包み、その身体を強化していった。


「おう、坊主。こっからは、お前さんの得意分野だろ?その実力、見せてみな!!」


 ガンドロスが、地面を蹴り砕き、俺に向かって突進する!!ああ、そうだな。強化魔法は、今まで散々使ってきた。確かに、得意分野とも言える。見せてやる!!見せてやろうとも!!俺は、上級程度の強化魔法を身体に纏い、ガンドロスに突っ込んだ!!お互いの剣が、空中で衝突する!!お互いの剣が、お互いを弾き、俺達は、少し後ろに飛ばされて着地した。ガンドロスも、俺も、何故か顔がにやけている。何だろう、楽しいと感じているのかもしれない。この戦いを…。


「いいねぇ…。さぁ、力を上げていくぜ…!!」


 ガンドロスの気が、黒くなっていく!!その上昇したパワーによって周りの大気が、ざわついた。俺も合わせて、強化を聖魔級まで上げる!!


「……」


 お互いに、出方を一呼吸分、窺った後、俺達は、その場で剣を振るった!!


「いやああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!!!!」

「はあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!!!!!」


 空中で放たれた斬撃が激突し、大気を振動させていく!!それだけでは終わらず、俺達は、斬撃がぶつかる直前にお互いが飛び、また空中で剣を叩き付けあった!!


「おりゃ!!うおりゃあ…!!!!」

「くっ!!!ぜりゃぁああ!!!」


 何度も、剣を高速で、打ち付けあう!!…どうやら、サラサより、身体能力が上がっているようだ。剣の威力が、格段に違う。風魔法で調整しているが、普通に打ち付け合えば、俺が後ろに弾かれてしまうだろう。やはり基礎が違うと、強化の幅も違うのだろうか?


「おう、ぼけっとしてんなよ…!!坊主!!」

「…グッ!!」


 いきなりの、強烈なガンドロスの斬撃に、俺は後ろに弾かれた!!なんだ、まだパワーを温存していたのか?サラサとは、段違いすぎるな…。同じ強化でも、既に神魔級に手が届いていそうな威力だ。


「さて、ここまでは、お前も見たんだったな…。よく見とけよ、坊主。上には上がいるってこと、俺が教えてやるぜ!!!!」


 ガンドロスの気が、身体に密着し、薄くなっていく。それと同時に、色が紫に近く変化していった。その瞬間、ガンドロスが、俺の視界から消える!!


「さっきほど派手じゃあねぇが、威力は、保証するぜ!!!!!!」


 俺は、即座に神魔級強化に切り替える。その瞬間、俺に向かって斬りかかる、ガンドロスの姿が見えた!!…こいつ、神魔級強化並みの力を使えるのかよ!!俺は、ガンドロスの剣を、アルティで受け止めた!!!


 ズドオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオンンンンンンンンンンン!!!!!!!!!!!!


 剣を受け止めた衝撃で、周りごと地面が凹む…!!!!!なんて、出鱈目な威力だ!!!この威力、確実に神魔級クラス…!!ガンドロス・エジェリン…、己の強さを主張するだけのことはあるな…。普通の人間なら、この一撃で、ミンチよりひどいことになってしまうだろう。恐ろしい…。


「おいおい!!この攻撃も、受け止めれるのかよ!!!…お前、すげぇな…!!その年で、その強さとは、規格外すぎるぞ、坊主!!いや、ベイ・アルフェルト!!!!!!」


 ガンドロスは、そう言いながら、二の太刀を振るおうとする。俺は、何度も攻撃されてなるものかと、その間に剣を切り上げ、ガンドロスを弾き飛ばした!!


「なっ…!!」


 更に追い打ちをかける、高速移動で一瞬で接近し、剣を振り下ろした!!!今度は、ガンドロスが地面に向かって、足を踏ん張る!!!!先程と同じく、周りの地面が窪み、大きな音をたてて、土煙を当たりに巻き起こした!!!!


「あの状況から、反撃もしてくる…。面白え…。面白えぞ!!!ベイ・アルフェルト!!!!!!!!!!」


 ガンドロスが、初めて両手で剣を持つ。そして、勢い良く剣を振るうと、俺を弾き飛ばした!!!…さて、ここからが本番ってところかな…。


「…お祖父ちゃんが、両手で剣を持つなんて、初めて見るな…。流石、ベイ。私の夫だ…」


 耳に、そう言うサラサの声が入る。そうなのか?まぁ、こんな出鱈目な威力。普通使わないわな…。俺は、そう思いながら、目の前の敵に集中すべく、一呼吸、息を吸った。


「お前、間違いなく俺の息子より強いぜ…。どうやってその年で、そこまで…。いや、詮索なんて意味がねぇ。何処まで強いのか、直接、確かめさせてもらおう!!!!!!!!」


 ガンドロスは、再び地面を蹴り、俺に向かって飛来する!!俺は、アルティでその攻撃を防いだが、ガンドロスは、その勢いのまま、俺の後ろに回りこんだ。すぐさま俺は、反転してガンドロスの攻撃に備えようとする。しかし…。


「…!!」


 ガンドロスは、もう俺の背中・近距離で剣を振るおうとしていた。…こいつ、空中を蹴って、その場に留まったのか!!俺は、その行動に反応が一步送れる。…まずい…。魔法を使わないから、すぐ後ろにいることは、ないと思っていた!!これでは、受け止めても、威力が足りず、押し切られる可能性がある!!


「くらえ!!!!!!!!!」


 ガンドロスの剣が、俺に向かって放たれる!!俺は、正面から受け止めるのをやめた…。その代わり、アルティの刃に添わせて、相手の剣を滑らし、軌道を変える!!俺は、ガンドロスの攻撃を、完全に受け流した!!!!!


「ヒュー!!!!やりやがる!!!!サルバノんとこの、ザガみてえな動きしやがるな!!!」


 ザガ?って誰だ。まぁいい。これで、ピンチは防げた。俺は、受け流されて、がら空きになったガンドロスの腹に向かって剣を振るう!!!


「おっと!!!」


 ガンドロスは、事もあろうに、肘と膝でアルティを挟み、白刃取りのように俺の斬撃を防いだ!!!…まじかよ…。完全に、攻撃が入ったと思ったんだが…。ガンドロス・エジェリン侮れないなぁ…。だが、それで完全に威力を抑えられるほど、俺も甘い攻撃はしていない!!そのままガンドロスは、側面の壁に向かって、殺しきれなかった威力分吹き飛ばされ、叩き付けられた!!!だが、着地はしっかり足でしている。…手強いな。ガンドロスの足は、壁に突き刺さり、その横向きの姿勢のままガンドロスは、姿勢を伸ばす。


「さぁ、まだまだ楽しもうぜ。楽しくてしょうがねぇよ!!!!!!」

「…」


 全然、ダメージが入っている様子がない。長い戦いになりそうだな…。俺が、そう思っていると。


「(調整完了。幾つかの解析を終了。適応を確認。…さて、マイマスター。私の力を使う準備が整いました。この状況の対処を始めましょう…)」

 

 そう言うとアルティが、まばゆい光を放ち始めた!!




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