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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第二章・四部 闘技大会
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休憩

「ちょ、お祖父ちゃん!!何を言って…!!」

「そうよ!!サラサが、好きだって言ってんのに、あんたの同意なんて必要ないでしょう!!だいたいベイは、連戦で疲れてんのよ!!あんたの相手をしてる、暇なんて無いの!!」

「おお、嬢ちゃん怖いねぇ~。だが、ここで逃げるような男じゃないよな、坊主?」


 うーん、そういう言い方されると引き下がれなくなるなぁ…。嫌な、言い方するなぁ…。


「我らの主人は、連戦で疲れているんだ。遠慮してもらおう…」


 俺の隣に、一瞬にして黒い影が着地し、そう言った。か、カザネエエエエエエエエエエ!!!!!また勝手に出て!!!そして、カザネのセリフが終わるのと同時に、続けて複数の影が、俺の近くに着地する!!


「そうですね。いい加減私達も、これ以上連戦で傷つくご主人…、オホン、愛する旦那様を、指を咥えて見ているなんて、我慢の限界です…!!」

「我が主、…じゃなく、夫の邪魔をするなら、我々が相手になろう」

「刀の錆になるか?」

「それとも、あたしの棒で灰にされる?」

「どちらにしても、ベイさんに、手出しはさせません!!!」

「にしても、これは流石に、多勢に無勢すぎでは、ないっすかね…」

「まぁ、ベイさんのためだし、仕方ないんじゃないかな…?」

「今まで、かなりの場面を我慢して見てきましたからね。優勝した今になって、その気持が爆発しても仕方ありません。我々も、結局、それで出てきているのですし…」

「こん!!シデンが、お守りします!!」

「という訳です、主人。我らが、姉様も、猛っておいでです」

「…あなたの邪魔をする者は、私達が許しません…」


 えっ?…えええええええええええーーー!!!!!!!全員集合ですか!!!!い、一応、ミズキの能力で、姿は人間にしているのか…。でも、武器は持ってるんだなぁ…。というか!!フィーから物凄い殺気が、出ていらっしゃる!!!落ち着いて!!落ち着いて、フィー!!俺は、笑顔のフィーが好きだよ!!


「…なんだ、ただもんじゃねぇなぁ。嬢ちゃん達…」


 そうですよ!!!怒らせると、ここらへん一帯が、塵一つ無くなりますよ!!だから、退いて下さい!!お願いします!!


「(なんだか、先輩方だけ目立って、羨ましいですね…。マイマスター、私も、何か名乗りを上げたほうがよろしいのでしょうか?)」


 いやいや!!アルティまで、事態をややこしくしようと、しなくていいからね!!流石に、武器が喋ったら、言い訳出来ないからね!!


「さて、…これだけ言われてるんだもの、帰るわよね、おっさん?」

「むむむ…。守られるなんて、カッコ悪いと思わないのかよ、小僧?」


 いや、でもねぇ…。この状況の皆に、何言っても無駄でしょう?これは前に出て、俺が戦うなんて、言える雰囲気じゃないですよ…。


「退いて頂けませんか、エジェリンさん」


 通路から新たに近づいてきた、1人の人物が、ガンドロスに話しかける。校長!!校長じゃないか!!!


「そちらのお嬢さんたちが言われている通り、彼は、度重なる激戦で疲れています。そんな彼に勝負を挑んで勝っても、あなたも面白く無いでしょう?」

「…なるほど、それもそうだな…。だがよ、ここで引くってのもよー…」


 ガンドロスは、頭を掻きながら、そう答える。確かに、今の状況だと、皆の迫力に負けて逃げたように取れなくもないな…。でも、これ、逃げても仕方なくない?凄い迫力だし、観客も分かってくれるよ…。


「…ふむ、でしたら私に考えがあります。あちらで話をしましょう。ここでは、落ち着けませんし。ベイ君には、休憩が必要ですから」

「…はぁ~、分かった。そうしよう…」

「はい。…それではベイ君、ゆっくり体を休めてくれたまえ。次の最終試合があるのだから…」


 そう言って、校長とガンドロスは、通路から引き上げていく。ふ~、よかった、相手せずに済んで…。皆が暴れたら、手が付けられなくなるところだった…。


「ったく、空気の読めないおっさんねぇ…。さぁ、ベイ!!向こうに行って、優勝祝のキスの続きと行きましょう!!丁度皆も、出てきたことだし」

「えっ…!!」

「マスター、早くこちらに!!」

「人目があっても気にはならないですけど、ご主人様が気を使うといけないですからね。さぁさぁ、早く行きましょう!!」

「おっと、ヒイラも連れてこないとね!!あの子にも、させましょう!!」


 俺は、フィーとアリーに手を引かれ、控室に戻っていく。


「マスター?ご主人様?…あ、アリーさん!!待ってくれ、私も…!!」


 後を追うように、サラサが付いて来た。途中、アリーが離れ、ヒイラを連れてやってくる。控室には、他には人がいない。何故なら、もう全試合が終わったからだ。つまり、ここで何をしても、人目につくことはない。


「では、改めて、ベイ、優勝おめでとう!!」

「「「「「「「「「「「「「おめでとうー!!!」」」」」」」」」」」」」

「(おめでとうございます、マイマスター)」


 …しかし、見渡す限り、美少女ばかりである。14人、14人ですよ!!(+1人は武器)これだけの女性に囲まれるなんて、優勝して良かったなぁ…。俺は、1人で感動していた。しかもそこから、アリーから順に、立て続けにキスをされていく。いつもされているキスだが、優勝ともなると、何だか違った特別さが出てくるなぁ。うーん、幸せだ…。…だが事件は、その時起こった。


「それじゃあ、次は自分っすね!!」


 次は、順番的に言ってシスラの番だった。優勝という特別さもあって、ノリの良いシスラは、口通しではまだ恥ずかしいから、頬にキスをしようとする。だが…。


「…」

「どうしたの?シスラ?」

「…いや、さっきからカザネが、めっちゃ見てる気がするんっすけど…」

「気のせいじゃない?」

「そ、そうっすかね…。では、改めて…」


 シスラは、ゆっくりと俺に唇を近づける。頬に唇が触れそうになった瞬間、不意に、シスラの唇が、俺の口元に移動した!!!


「むぐぅぅぅうううううう…!!!!」


 押し付けられるかのような、唇同士でのキス!!見ると、カザネが、シスラの顔を押さえて、無理矢理移動させていた!!カ、カザネェェェェェェェェェェェェエエエエ!!!!!!何と言うか、強引な娘だ…。


「ぷっはあああああー!!!!もう、なんっすか!!カザネ、いきなり!!」

「あれを…」


 そう言って、カザネは、サラサを指差す。


「1番下っ端の彼女がキスをしたのに、我々がしないのは、示しが付かないでしょう。ですので、シスラ姉さんにも、していただきました」

「まったく…、それならそうと、早く言うっすよ…。はぁ~、これじゃあ駄目なんで、やり直しっすね…。んっ…」

「ん…」


 そう言うと、シスラは、再び俺にキスをした。今度は、最初から唇同士でのキスである。しかも、少し長い。唇を離すと、シスラは、顔を真っ赤に染めていた。


「へへっ、私の初めてを上げたんっすから、責任、取ってもらうっすからね。ベイさん!!」


 そう言うとシスラは、後ろに下がっていく。…何だろう、今日のシスラは、2倍くらい可愛いなぁ…。責任、喜んで取らせてもらおう…!!俺は、心の中で固く誓った。


「えっと、次は、私なんだけど…」

「はい…」

「そ、そういうことだよね…」

「はい」

「と、言うことわ。私も、ということですか…」

「はい」


 サエラとシゼルが、顔を赤く染めて、カザネに確認する。そんな2人を、シデンが、早く!!早く!!っという感じで、嬉しそうに見つめていた。



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