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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第二章・四部 闘技大会
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決勝戦・終

「ベイ…、行くぞ…」

「ああ、どんと来いよ、サラサ…!!」


 サラサが、足に力を入れる。黒い気が、更に勢いを増して、サラサの足元から湧き上がって来た!!サラサの、足の周りから、周囲に亀裂が入っていき、リングが崩壊し始める。亀裂は、地面にも広がり、リング周辺を、大きく破壊して行った!!


「…」


 無言でサラサは、肩に担いだ剣を、更に力を入れて握る。そして腕の全筋肉を使って、その一刀を放つ体勢を整えた!!俺も、アルティに魔力を込めていく。アルティが、輝きを放っていき、俺の周囲を、明るく照らしだした!!


「…」

「…」


 もう、言葉は要らない…。お互いに、準備は完璧だ。後は、この一撃を打ち合うだけ…。俺も、サラサも、無言で見つめ合う。…何故かは、分からない。だが、話してもいないのに、お互いが一撃を放つタイミングが、完璧に分かりあえた気がした。周囲は、大気がざわめき。観客は、無言で俺達を見つめている。


「「…っ!!」」


 予想通り、俺とサラサが動いたタイミングは、完璧に一緒だった!!お互いの呼吸が、完全に一致し、身体の動作へと繋がる。お互いが、一步を、気合を入れて踏み出し。そして、全力で、剣を振り抜いた!!!


「うぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおおーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 俺達は、声をあらん限り張り、この一撃に力を乗せる!!2つの刃が俺達の間で激突し、その衝撃で、俺達の声を、かき消していった!!


「白と、黒の激突!!!!!!!!!!!!!果たして、勝利は、どちらに微笑むのかー!!!!!!!!」

「…」


 お互いの剣の衝突による、爆風とも取れるような、衝撃が止んでいき。周りの状況が、よく見渡せるようになっていく…。リング中央では、俺とサラサが、剣を打ち付けあった、姿勢のままで止まっていた。暫くして、空中から風を切り裂いて、何かがサラサの後方に、突き刺さる。


「…あれは、剣の先端?」


 そう。サラサの大剣は、俺のアルティとの打ち合いに耐え切れず、その刀身を崩壊させた。辛うじて、残った先端が、今、サラサの後ろに降ってきた、という訳だ。結果、俺の剣は、サラサの喉元近くに届いている。…そして、その状況を理解したのか、ゆっくりとサラサから、黒い気が消えて行った…。


「…私の負けだな、ベイ」


 握っていた剣の柄を、サラサは、その場にゆっくりと落とし、そう言った。その顔は、何処か悔しそうでありながらも、嬉しそうだった。俺は、アルティの剣の先端を、サラサから離し、逆手に持ってゆっくりと姿勢を正す。…瞬間!!会場内が、是迄に無い、大歓声に包まれた!!!!


「「「「「「「うわああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」

「遂に、決着が付きました!!!!!!!!今年度、闘技大会優勝者!!!!!その名は、ベイ・アルフェルトーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 あまりの歓声の大きさに、俺は驚き、周囲を見渡す。アリーと、ヒイラが、立ち上がって、拍手をしてくれていた。俺の親は、なんかやたら浮かれているのか、腕を突き上げて、ジャンプしている。レラ達は、手を振って喜んでくれていた。…おっ、ミオは、あそこにいたのか。何か、泣いているな…。あれか、アルティの勇姿を見て感動したのだろうか…。事実は、本人に聞かないと分からない。そして…。


「ベイ…」

「ああ、サラサ…、うん?むっぐ…!!」


 俺の目の前にいた、サラサは、俺に近寄ると、そのまま、熱い口付けをしてきた!!少しして、ぷはぁー!!っと、サラサは、唇を離す。そして…。


「優勝おめでとう、ベイ!!そして、私は、お前が大・大・大好きだ…!!!!」


 そう言い終えると、サラサは、また口付けをしてきた!!今度は、かなり長い。更に抱擁され、力強く抱きしめられる。…って!!!ちょっと待ってくれ!!!!アリーが!!!アリーさんが見てますから!!!この状況は、まずい!!!!!


「おおっと!!!!!!!!!サラサ選手!!!ベイ選手に、熱い口付けだーー!!!!!!!そして、解説席から、アリーさんが消えたーーー!!!!!!!!!!!!!!!」


 えっ!!!まじ!!アリー、消えた!!???やばい!!これは、ヤバイやつでは!!!????


「サラサーー!!!!!!何やってんのよー!!!!あんたはーーーー!!!!!!!!!!」


 物凄い速さで、アリーが俺達に近づいてくる!!!!!あれは、聖魔級強化!!!完全に、全力じゃないですか!!アリーさん!!!!そして、アリーは、力任せに、俺をサラサから奪い返した!!!!


「いい!!勝利のキスは、正妻からよ!!!当たり前でしょう!!!!!!」

「むぐっ!!」


 そのまま、アリーも、俺に熱烈なキスをする!!その光景に、更に歓声が強くなった!!…ううっ、恥ずかしい。とても恥ずかしい…!!…だが悪い気はしない。俺は、そう思った。何より、アリーからの勝利のキスだ。嬉しくないはずがない…。


「えー、それでは、この後、一旦休憩をはさみまして…。その後、優勝者による特別試合、そして表彰式へと…」


 ズドオオオオォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオンンンンンンンン!!!!!!!!!!!!!!


「…」


 けたたましい音を立てて、歓声に包まれていたリングに、大剣が突き刺さる!!その音に、歓声は止み、周りは静寂に包まれた。音を立てたその男は、黒いマントで顔を隠している。だがその体格と、持っている剣から、誰であるかは、容易に想像が出来た。


「お、お祖父ちゃん…!!!!???」


 そう。サラサの祖父、ガンドロス・エジェリン、その人だ。…しかし、何でまた、リングに?


「よう、サラサ!!熱烈な、チューだったな!!好きな男が出来たことは、祖父として、俺は嬉しく思うぞ!!しかも、こいつはお前より強い!!文句無しだ!!!ガハハハハハハ…!!!!!!」

「…」


 何だろう…。笑ってるんだけど、安心出来ないというか…。この後、面倒くさいことになりそうだなぁ…、とか、そんな感じがする。


「だがよ…」


 ほら、来たよ…。


「俺自身が、そいつの実力を確かめないことには、完全に孫娘をくれてやるかのOKは、だせんわな…!!!!!」


 大剣の剣先を、こちらに向け。ガンドロス・エジェリンは、俺を睨みつける。正直やりたくないけど、やらなきゃいけないんだろうなぁ…。俺は、そんな気がしていた…。





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