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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第二章・四部 闘技大会
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本戦抽選

「さぁあああ!!!!やってまいりました、闘技大会2日目!!今日も、選手たちの奮闘を期待するように、空が青々と澄み切っております!!本来なら暑いと言うところですが、ここ闘技場内は、魔石によって自動冷却されるシステムとなっております!!最後まで、楽しんでご観戦頂ける、素晴らしい設備ですね!!」

「実況・解説の私達も、助かるわね」

「ですね!さぁ、早速、二日目の試合内容を、発表していきましょう!!」


 うーん、あれで男はちょっと…。じゃなかった。昨日の祝勝会から俺達は、そのまま帰って就寝。そして闘技大会の2日目が、幕を開けている。今日から、本戦かぁ。この先に出てくる選手は、今までの生徒を蹴散らした、実力者揃い…。一応、気を引き締めていこう…。


「前方の、画面をご覧ください!!これが、本戦までの試合内容です!!」


 実況の声と共に、空中に、魔法の画面が出現する。その内容は、見る限り、勝ち抜き戦形式。…うん?何か決勝の上に、黒い丸みたいなものがあるんだが…。あれは、何だろうか…。


「ご覧になって頂ければ、お分かりになるでしょう!!2日目からは、勝ち抜き戦形式!!昨日の予選で勝ち残った生徒は、全部で54名!!その中から、ランダムな組み合わせで、選手が選ばれ。1対1で、戦いを行っていく、至ってシンプルなルールです!!」

「勝ち負けの判定は、闘技場内リングからの落下。気絶、又は行動不能。そして、ギブアップなどがあるわね」

「以上の行為に至った選手は、負けが確定!!そして勝利選手のみが、先の戦いへと、駒を進めます!!」


 うん、分かりやすい。とても分かりやすいのは、良いんだけども…。あの不自然な黒丸は、一体何なんだ?早く、教えて欲しい…。


「そして!!最後に残った2名の選手が、頂上で激突!!その勝ち残ったほうが、勝者となります!!…ところで、察しの良い方は気づいておられるでしょう!!この、頂上の黒い丸!!な、な、なんと!!優勝選手対、教師陣からランダムで選ばれた1人が対決する、特別試合なのです!!」


 教師陣と対決する、特別試合…?


「前回まではありませんでしたが、前回大会決勝が、異例の早さで決着が着いてしまったため、考えられた特別枠です!!この試合は、まだまだ実力が隠されているという選手の、実力を引き出すことを目的としており。また選手にも、さらなる実力を持ったものがいることを教える、いい機会となるでしょう!!なお、この試合は、大会の結果に反映されませんので、お気になさらず!!」


 うーん、なんか嫌な予感がする、試合枠だなぁ…。まぁ、結果は反映されないらしいし、適当にサボってもいいかもしれないなぁ…。


「ではでは!!組み合わせ発表と参りましょう!!本日の、対戦組み合わせは、こちら!!」


 その声と共に、画面に名前が浮き出ていく。俺の試合は…、第3試合。相手は、…ヒイラ・スペリオ…。


「ぐふふっ…。いい感じだねぇ、ベイ君。昨日の続きが、早速出来るよ…」

「おわぁああ…!!!!…そ、そうだね。ヒイラさん…」


 相変わらず、顔が近い…。にしても、本当に、昨日の続きみたいな組み合わせだなぁ…。他は、別々の組み合わせになっているか…。俺達だけ、そのままって、何だか変な感じがするなぁ…。


「それでは、試合を行っていきましょう!!第1試合の選手は、闘技場内に残って下さい。それ以外の選手は、控室にて待機をお願いします!!では、闘技大会2日目、張り切って行ってみましょう!!!」

「「「「「「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁああああああああああーー!!!!!!!!!」」」」」」


 観客たちも、元気だなぁ…。取り敢えず、控室に移動しよう。俺は、通路を通って、控室に移動した。



「あっ、いかん…。つい雑念が入って、昨日と同じ組み合わせの、生徒が出てしまった…」

「校長…」


 会場裏方、組み合わせ発表の魔法を投影している、その場所。そこで、学校長ヴィア・ソレストと、副校長先生バイフィス・メギアが、責任を持って組み合わせの選択をしていた。勿論、この組み合わせは、公正なものでなくてはならず、決して、私情で組み合わせを決めたりしてはならない…。ならないのだが…。


「だって、あの組み合わせの試合、見たかったんだも~ん!!」

「校長…。事前に引いたくじでは、ヒイラ・スペリオは、サラサ・エジェリンと試合、っとなっていたのですが…」

「それは、その…。ほら、組み合わせの名前出す魔法使うの、わしだし。そのわしに、ちょっと雑念があれば、こう言う事にもなるよね…」

「そう、開き直られましても…。はぁ…、まぁ、仕方ありません。このままで、通すとしましょう」

「うむ、その方向で頼む。いやぁ、しかし、いい試合が見れそうだなぁ…。うんうん」


 校長は、自分がしでかした失敗も特に気にせず、心はすでに第3試合に向いていた。その顔は、失敗をしでかした人間とは、思えないほど明るい。


「はぁ…、校長の試合観戦好きにも困ったものだ…。もっとも、その趣味のお陰で毎年こんなに、賑わっているわけだが…」


 客席全体が見渡せるように配置された、魔法映像を観察して副校長はそう呟く。魔法で涼しくなっているのに、客席の映像から伝わってくる熱は、まるで、それすらも凌駕しているかのようだった。


「まぁ、客席が盛り上がるのなら、それでいいか…。1年で前準優勝者と当たる、あの生徒には悪いが、遅かれ早かれぶつかる相手だと思って、諦めて貰うとしよう…」


 そう思い副校長は、この失敗を流すことに決めた…。



「う~ん、3試合目…。意外と早く、順番が回ってくるかと思ったけども、前の試合が意外と長引いてるなぁ…」


 第2試合は、魔法を使う生徒同士の、魔法の打ち合い…。今は、互いの持久力勝負に、持ち込まれている様相となっている。これはもう少し、長引くかなぁ…。


「ぐふふ…、楽しみだなぁ…。ベイ君は、魔法をちゃんと使ってくれそうだし。楽しい戦いになりそう…、ぐふふ…」

「うわぁあああ!!ヒイラさん、近いって!!ちょっと!!」

「頼むよ、ベイ君!!前回は、アリーちゃんに、魔法とは思えないような攻撃をくらわされたから、鬱憤がたまってるんだよぉ…。今回はちゃんと、魔法の勝負をさせてよねぇ…。ぐふふふ…」

「わ、分かった、分かったから、離れて!!もう、顔と顔がくっつきそうなくらい近い!!近いから!!」

「ふふふ、楽しみにしてるよ…、ベイ君。信じてるからね…」


 ゆら~っと、ヒイラは離れていく。前回…?というと、去年の闘技大会か。そう言えばアリーは、決勝は強化魔法で、一撃で相手を倒したんだっけ…。それでアリーを、恨んでいると…。なるほどなぁ、魔法での勝負がしたかったというわけか…。なら、付き合ってあげてもいいかなぁ。魔法での戦い…。


「おっと、第2試合が終わったか。じゃあ、行くとするかな…」

「お待たせしました!!!!第3試合、優勝候補ベイ・アルフェルト対、前回準優勝者、ヒイラ・スペリオの対決だぁ!!!!!」

「「「「「「うわぁぁああああああああーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」」」」」」


 ゆっくりと、入場者通路を通って、闘技場リングに上がる。そのまま、先に来ていた、ヒイラと向かい合い。言い知れぬ緊張感が、俺達2人を、包んでいった…。




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