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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第二章・四部 闘技大会
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予選試合

 俺は控室で、外の試合を、魔法のモニターで見ながら、出番を待っていた。うーん、なかなか皆やるなぁ…。でも、規格外というほど、並外れた強さのやつは、未だ確認できない。程なくして、第7試合がおわり。遂に、俺の番が、回ってきた。


「さぁ!!続いての第8試合!!選手入場です!!!」

「「「「「「「「うわああああああああぁぁぁぁーーーーー!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」


 もう、試合も、8試合になろうというのに、会場の歓声量は下がらない。むしろ上がっているような?皆、元気だなぁ…。こっちにも、熱気が伝わってくる。


「ぐふふ…」


 うん?この笑い声は、さっきの…。俺と、同じグループだったのか。…気をつけておいたほうがいいかな?そう、思っていると。参加選手全員が、闘技場・リング上に集まり終えた。


「では、3・2・1で、私が楽器を叩いた合図と共に、試合開始です!!皆さん、構えて下さい!!」


 リング上の、選手たちの顔が、険しいものとなる。うん?誰かを探しているように、目をキョロキョロさせてる奴が多いな?まさか、俺を狙っているのか…。


「それでは、行きます!!3・2・1!!」


 ズドーン!!という、強烈に叩かれた、太鼓の合図によって、戦いが始まった。数人は、俺目掛け、剣を持って、走ってくる。やっぱりな…。しかし、他の大半は、もう一人の生徒に、集中して攻撃を仕掛けていた…。


「ストーム…」


 その短い言葉と共に、リング上を強大な風魔法が跳ね回る!!その生徒を狙っていた全員どころか、俺を狙っていた、生徒まで、風に巻き込まれて、リング場外に飛ばされていった。


「あれ…?」


 そいつは、俺を見て、不思議そうに首を傾げる。まぁ、俺だけは飛ばされてないからな。そういう、反応になるだろう…。こんなのは、自分にぶつかる前に、風魔法で相殺すればいいだけの話だ。リング上を、2つの竜巻が、ぶつかり合い、お互いの威力を消していく。


「ぐふふ…。流石に、そう簡単には行かないか…」


 お互いの風魔法が消えると、俺とそいつは、向かい合う形で、その場に立っていた…。こいつ、あれほどの魔法を使っても、顔色一つ変えていない。これは、強いぞ…。


「うーん、でも惜しい…。今は、やり合えないみたいだね…」

「…?」


 周りを見ると、すでに俺達2人以外は、リングに残っていなかった。と、いうことは…。


「なんと!!試合開始、数分で決着!!!!!残ったのは前回準優勝者・ヒイラ・スペリオと、今大会本命!!ベイ・アルフェルトだぁ!!!!!!!」

「「「「「「「うわああああああああぁぁぁぁーーーーー!!!!!!!!!!!!」」」」」」」

「ベイ!!格好いいー!!!!」


 ぶつかり合う竜巻が、うけたのだろうか?会場の興奮度合いは、更に上がっていた。…というか、目の前の、この女生徒が、前回準優勝者?それは、強いはずだな…。


「ぐふふ…。改めまして、ベイ・アルフェルト君。2年のヒイラ・スペリオ…。君、面白いね…。次、当たるのが、楽しみだよ。ぐふっ、ぐふふふ…」


 いや!!また顔が近い!!顔が近いよ!!…、そう言うと、彼女は、踵を返して、リングを降りて行った。そして、俺もそれに続いて、リングを降りる。ヒイラ・スペリオ…。あの魔力量、只者では無さそうだ…。


「お疲れ様だな、ベイ」

「ああ、サラサ、ありがとう。と言っても、特になにもしないまま、おわっちゃったけどな」

「いやいや、彼女の魔法を凌いだだけでも、凄いことなんだぞ、ベイ。なんせ、私達の知り合いの中では、その道に特化した研究を行っている、家系だからな…」

「家系?と言うと…」

「ああ、私達と同じ、先祖が偉大だった家系の子孫だ。アリーさんの家も、魔法に関しては、それなりの研究をしているが、彼女の家は、攻撃魔法専門の家系。純粋な、攻撃型魔法使いと言えるだろう。それを、難なく、凌いだんだ…。やはり、ベイは凄いな。私も、負けてられん!!次は、私の勇姿を、見せるとするよ」

「へー、攻撃魔法専門…。まぁ、サラサの活躍、楽しみにしてるよ。でも、あまりやり過ぎるなよ?」

「ふっ、ふはははは…!!そうだな、考えておくよ…」


 そのまま、俺とサラサは、歩いて控室に戻って行った。すると、すでに9試合目が終わっていた。やけに早いなぁ…。ということは、強者が出ていたのを見逃したかも知れない…。うーん、これは、痛いなぁ。まぁ、慎重に、相手を見極めて、動くしかないだろう…。気分を切り替えて、俺は、次の試合を、眺めることにした。…数分後、その試合も終わり。いよいよ、サラサの試合の番が、回ってくる。


「…では、行ってくるぞ。ベイ」

「おう、頑張れよ、サラサ!!」

「…、ベイにそう言われたら。頑張らないわけには、行かないな…」


 嬉しそうに笑みを浮かべると、サラサは、リングに向かって、歩いて行った。


「それでは、第11試合!!3・2・1、始め!!!!」


 太鼓の音と共に、サラサの試合が幕を開ける。だが、その試合結果は、一瞬だった。


「はぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!!」


 …、見ていた観客も、我が目を疑ったことだろう。サラサの、魔法でもない刀の一振りが、強大な衝撃を起こし、周りの生徒を、一気に場外に、弾き飛ばしていく!!衝撃で舞い上がった土煙が止むと、リングに残っていたのは、サラサ、唯一人だった。


「ベイ、これが私から、お前への挑戦状だ…。お前の本気、必ず見せてもらうぞ…」

「な、なんと!!!今大会、最速での決着!!!立っているのは、サラサ・エジェリン、唯一人!!!!」

「純粋な、武力での勝利ね。全くもって、普通じゃないわ。サラサ、また腕を上げたわね…」


 …アリーの解説通り。恐らく、俺と出会った当初より、かなり実力を上げているんだろう。…、ふ、普通じゃない…。取り敢えず、試合を終えた、サラサを迎えに行こう。俺は、通路を歩いて、サラサを、迎えに行った。


「お疲れ様、サラサ」

「ああ、ベイ。どうだ?これで、私は、お前の本気が、見られそうか?」

「ああ…。申し分ないと思うよ…」

「…!!そ、そうか!!なら、良かった!!お前と当たるのが、楽しみだな。ふふふ…」


 まるで、乙女のような顔を、浮かべるサラサ。…内容はあれだけど、俺を目標にしてくれる、その姿勢は、嬉しい。俺も、期待に答えないとな…。そう考えながら、俺は、あの剣を使うタイミングを、考えていた…。



 




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