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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第二章・四部 闘技大会
138/632

大会前

 アルティを、泉につけ始めてから数日。夏休みも近づき始め、教室内でその話題が出だしたころ…。


「もう、明日かぁ…」

「だよねぇ。早かったような、長かったような…」

「私は、準備万端です!!」

「お、応援するからね。ベイ君、サラサ!!」


 そう。もう明日は、闘技大会開催日。この大会は、全生徒参加可能で、3日間に渡って行われる。なお、参加していない生徒は、3日間丸々休みとなる。参加する方にも、参加しない方にも、メリットの有る大会だ。で、今はお昼時。いつもの皆とお昼を取っているのだが、今回、俺の隣に座っているのは、レノンでも、サラでもない。


「まぁ、ベイが優勝するのは確定でしょうね」


 今日、俺の隣に座っているのはアリーと、サラサだ。レノンと、サラは、アリーに遠慮しているのか、いつもより控えめに座っている。しかし、アリーがこっちでお昼を食べるのは珍しい。何かの打ち合わせがあるとかで、今日は出てきてたようだけど、一体何の打ち合わせだろうか?そんな俺の疑問をよそに、アリーは、美味しそうに、食堂の期間限定パフェを食べている。


「ううん!!これ美味しいわね。はい、ベイもどうぞ」

「ああ、ありがとう、アリー」


 自然な流れで、あーんが成立してしまう。もう、俺とアリーは、夫婦と言っても過言ではない。後は、入籍するだけだ。きっと、周りには、2人の間に割り込めないオーラが出ていることだろう。サラサは、むむむっと、顔をしかめているし、レノンとサラは、いいなぁ。と言う、顔でこっちを見ている。ニーナは、微笑ましいとでも、思っていそうな笑顔をしていた。


「あ、アリーさん!!どうやったら、そんなベイと仲良く出来るんですか?」

「う~ん、そうねぇ…。裸の付き合いをするとか?」

「は、裸の!!!」

「突き合い!!」


 …今なんか、若干、ニュアンスが違わなかったか?まぁ、いいか。多分、気のせいだろう…。


「む~、なるほど…。裸で気兼ねなく語り合える。そう言う、自然な気持ちが大事ということですね」

「まぁ、間違ってはいないような?それに、ベイとは、毎日、愛を確かめ合ってるからね。そう言う、信頼の積み重ねも、大事だと思うわ」

「愛を!!」

「確かめ合う!!」


 …レノンと、サラが、よだれでも垂らしそうな興奮具合なんだけど、大丈夫だろうか。いや、事実として、そういうことをしていたりするんだけども…。なんか、恥ずかしい…。


「ふむ…。私も、この大会が終われば、ベイとそういうことをしてみたいものです…」

「むっ…」

「へっ…?」


 唐突にそう言い出す、サラサ。いや、サラサの場合は、俺達と同じ考えをして、いない可能性もある。真面目に、そんな話をする辺り、その可能性が高い。


「まぁ、ベイと付き合う気になったなら、早く決めたほうがいいわよ。また、2人ほど、婚約者が増えてるし…」

「????!!!!!!!!」

「婚約者が増えた?えっ、どういうこと、ベイ君????」

「私達の知らない所で…、いつの間に…!!!」


 あ~。アリーが言っているのは、シデンと、カザネのことだろう。というか、皆、そういう括りでいいんだろうか?特に、カザネ。


「近々、もう一人、増えそうだし…」

「!!!!!!!!!!!」

「はっぁあ!!!!!」

「ますます、いつの間に、そんな女が!!!!!!」


 こっちは、アルティの事かな?まぁ、あっちは可能性があるって話だからな。それを言っとく辺り、アリーも意地が悪い。


「私が、覚悟を決められない内に、そんなにも増えていたなんて…」

「えっと、他にもいるの?」

「気になる…」

「そうね。私を含めて、今は12人が、ベイと婚約済みね」

「!!!!!!!!!!???????????????」

「じゅ、12人!!!!!!!!!!!」


 まぁ、驚くのも無理は無い…。正直、多すぎるよな…。ニーナでさえ、驚いた顔をして、固まっている。


「う、嘘でしょう!!じゅ、12人なんて!!」

「本当よ。こんなことで、嘘なんてついてもしょうがないでしょう」

「あ、アリーちゃんは、それでいいの?」

「皆、いい子ばっかだし。全然、構わないわ。…覚悟があるなら、あなた達もなってみる?」

「「!!!!!!!!!!」」


 …なんだろう。嫌な汗が…。アリーから溢れだす、この正妻力。有無を言わせぬ力が、この場を支配している。というか、また、俺に関係有ることなのに、俺の返事とか待たずして、状況が進んでいるような…。


「べ、ベイ君と、こ、婚約…」

「み、魅力的…」


 2人は、今にも、します!!とか言いそうだ。でも、まだ、理性が歯止めをかけているんだろう。というか、人間としては、それが正しい気がする。すでに12人もいると聞けば、尚更だ。


「で、でも12は流石に、嘘よね…」

「事実なんだけど…」

「だ、だって、私達、そんな女性がベイ君の周りにいるのなんて、見たこと無いし。流石に、そんなにいれば気づくはずだし…」



「人の言葉を信じる事ができないとは、悲しいことだ…」


 えっ。今なんか、変な感覚が体を走った。まさか、この声は…。


「言葉とは、自分の好きに解釈することも、拒絶することも出来る。その言葉を、人から受け取り、そのままを信じる。人、それを信頼という…」

「えっ!!だ、誰!!!」

「貴様らに名乗る名など無い!!!とおっ!!!!」


 突如、離れた木から影が飛来する。その影は、ガキーン!!!とでも言いそうな、華麗な動きで、俺に肩車する形で着地し…。


「どうも。カザネ・アルフェルトです」


 普通に、挨拶をした。


「カザネ・アルフェルト?」

「そう、主人の婚約者の1人にして、1番の新人。それが、私」

「しゅ、主人!!」

「お、夫的な意味の…!!!」

「ええ、その通り…」


 か、カザネェェェェェェェェェェェェ!!!!!!!!!!!!!!何、出てきてるのぉおおおおおおおお!!!!!!!!!!と言うか、その主人の意味って、それでよかったの?そっちの意味も、含んでたの?今、適当に合わせただけじゃなくて?…、にしても、カザネの太もも、柔らかいな。ふにふにだ。お尻も、結構な感触が…。いやいや、にしても、この状況どうしよう、これ!!!!…まぁ、なるようにしか、ならないか…。…諦めよう、色々と…。


「で、でも、アルフェルトって、親戚か何かってこと?」

「いえ、いずれなるという話です。もう、なっているようなものですから。それで覚えて貰ったほうが、効率が良いでしょう」

「な、なるほど…。にしても、どうして、ここに…?」

「決まっています…。主人に、会いたいからです!!!!!!!」


 ズギャーン!!!とでも、鳴りそうな口調で、カザネは宣言する!!いや、今では、殆ど一緒にいるじゃない!!さっきまでも、一緒にいたじゃない!!!


「そ、そんなにもベイ君のことを…」

「ええ…。大切に思っています…。私に夢を与えてくれた、ただ1人の主人ですから。それに、私1人ではございません。アリーさんの言われた通り、合わせて12人の女性が、主人を信頼しています。その言葉に、嘘偽りはございません!!」

「12人…。ほ、本当に…」

「はい。それはもう、少女から、神がかりな爆乳まで、多種多様に…」


 …両方共、ミルクで当てはまってしまうな。まぁ、ミルクの乳は、規格外すぎるから、違うくくりでいいのか?一見、かなり大きな振れ幅があるように、見えるし…。


「ば、爆乳まで…!!」

「私達も結構ある方だけど…」


 レノンとサラが、胸を揉んで確かめている。それを見て、久しぶりに、アリーも自分の胸を見て、触ってみていた。大丈夫。アリーの胸は、絶賛成長中だ…。俺は、知っている…。


「(…)」

「(フィー姉さん!!大丈夫です!!!胸が無くても、フィー姉さんは魅力的ですから!!!)」

「(そうですよ、フィー姉さん!!主も、フィー姉さんを大切に思っていますよ!!!)」


 フィー…。進化しても、そう言えば、成長していないな…。大丈夫、俺、愛してるから…。気にしなくていい…。


「さて、そろそろ私は、帰るとしましょう…。長居して、あまり主人に迷惑をかけるのも、良いことではないですからね…」


 カザネは、俺の肩に手をついて、勢い良く、後ろにジャンプする。見事な回転とともに、また、木の上に着地した。


「では、これで…」


 強い風とともに、カザネは、その場から消える。正確には、召喚石に戻っただけだが、皆にはいなくなったように見えるだろう。


「…、本当みたいね…。12人…」

「12人かぁ…。ハードル高そうだね…」

「むぅ、どこに行ったのか分からなかった…。カザネ、あんな幼い格好でありながら、あれだけの強さ。侮れない…」

「す、すごい、身体能力だったね…」


 取り敢えず、変なことが起こる前に、カザネが戻ってくれて助かった。何かするんじゃないかと、ヒヤヒヤしたが、杞憂だったな。


「…アリーちゃん、今はまだ決められないけど、一応、名乗りを上げておくわ」

「…そう」

「わ、私も!!」

「むぅ…。わ、私は…。やはり、大会が終わってから、結論を出そうかと…」

「分かったわ。覚悟が決まるのを、楽しみに待ってるわよ…。ベイと一緒にね!!」


 そう言って、アリーは嬉しそうに俺と腕を組む。なんだか、レノンと、サラを焚きつける結果となってしまっていた。これで、良かったのだろうか?大会を前に、俺は苦笑いを浮かべて。微妙な気持ちで、その場を乗り切った…。





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