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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第ニ章・三部 高みを目指して
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3つの力

 敵本体の、巨大な根による攻撃や、魔法攻撃は、カザネの進化によって、安定して避けられている。むしろ、当たる気配すらない感じだ。だが、この敵本体を叩くには、俺達には今、足りないものがある。それは…。


「まさか、今の俺達で、威力がないことに悩まされるとはな…」


 簡単に言えば、敵が大きすぎて、切っても、切っても、致命傷にならない。それが、今の現状だ。にしても、でかすぎるだろ!!さっきから、肉?と思わしき部分を切っているが、全然ダメージを与えられている気がしない!!


「最高速度で、敵の切れ目に突っ込む。と言うのは、どうでしょうか、主人?」

「うーん、でも、敵がどれだけの大きさか、分からないからなぁ…。むやみに、突っ込むのは避けたいなぁ…」


 見た感じ、地面より上に出てきているのは、まだ一部っぽいもんなぁ…。本当は、どれだけデカイんだろう?


「ですが、このままでは、戦闘が長引くだけです。最大威力で破壊する!!やはり、これがいいんじゃないでしょうか!!!むしろ、それが一番格好良いです!!」

「いや、確かに、格好いいかもしれないけどなぁ…」


 カザネは、変な所で勝負に走りたがるなぁ。まぁ、もう少しは様子を見たい。もしかしたら、弱点的な部位が、あるかも知れないし…。でもなぁ、そう簡単に、弱点を晒している魔物なんて、いないだろうなぁ…。


「…ふふふ、遂に来たっすか、この時が!!!」

「シスラ…、ええ。私も、今、そんな感じよ!!」

「私もです。後輩に、負けてばかりもいられません。私達の力を、見せてやりましょう!!」


 うん?シスラ達から、魔力の高まりを感じる。ああ、やっぱり3人も、もうすぐだったんだなぁ…。


「うん?な、何ですかー!!!これは!!!」


 ミルクの慌てた声が、響く。見ると、腕のガントレットが変化し、右腕の甲に短い槍と、左腕の甲に変形式の弓が付いていた。そして、両肩に、透明な魔石のような物も付いている。これが、3人が進化した事で得た、武装ってことだろうか…。


「さぁ、ベイさん!!私達の新しい力!!見て欲しいっす!!!」


 シスラの声とともに、右腕の甲から槍が射出される!!こんな短い槍では、届かないんじゃないか?と、思ったが…。


 ドゴオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォッォオオオオオオオオオンンンン!!!!!!!!!!


 槍の射出された衝撃で、周辺の空間が歪んだ!!…これって、パイルバンカーみたいな武器ってことですか?そうですか。その、衝撃で、イソギンチャクの表面の肉がえぐれる。うわぁ~、音通り、すごい威力だなぁ…。


「まだまだぁ!!!!!」


 見ると、槍はそのまま伸びて、イソギンチャクに刺さっていた。これは、どれだけ伸びるのか?ものすごい勢いで、イソギンチャクの中にめり込んでいく!!


「周りは、任せて下さい!!!」


 サエラの意志で、左腕の甲から、魔力の矢が発射され。周りのイソギンチャクの根、目掛けて飛んでいった。矢は、まるで、意志でもあるかのように、自由に軌道を変え、根を切り裂いていく!!うーん、遠隔操作できる飛び道具かぁ。魔法は、一度相手に当たったらおわりだけど。これは、矢自体の魔力が消えない限り、相手を殲滅して回るという攻撃か…。攻撃の手数が増えて、いいかもなぁ…。


「私も、お手伝いしましょう!!」


 シゼルの意志で、肩の魔石から、光の魔力が、レーザーのように射出され、辺り一面を焦土と化した。…これは、えぐいなぁ。サエラの弓と合わせれば、全方位、死角無しで撃ち続ける事が出来る。2人の進化で、遠距離の武器が完璧に揃った感じだな。


「さぁて!!そろそろいいっすかね!!!」


 さっきから、伸び続けていた槍が止まる。今、ボスのどこらへんに食い込んでいるんだろうか?意識を集中して、確かめてみる。すると、どうやら、ボスの中を、縦横無尽に張り巡らされているらしい。にしても、かなり伸びるんだなぁ、この槍。最早、遠距離武器と言っても、過言じゃないんじゃないか?


「では、行くっすよ!!!せぇえの!!!」


 おいおい!!まさか!!!!!…、右腕が輝き、シスラは、思いっ切り、拳をそのままボスに向かって、叩きつけた!!!右腕のガントレットから、大きな音がし、槍に向かって衝撃が走る!!!


 ドゴオオオオオオオォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオンンンン!!!!!!!!!!


 再び、槍に衝撃が走り、ボスの内部に伝わって行く!!!…辺りのボスの皮膚から、千切れるように亀裂が入り、肉が剥がれ飛んで行った!!内からの衝撃で、ボスの全身が、破壊されていく!!


「どんなもんすっか…!!!」


 シスラは、誇らしげだ。確かに、すごい…。かなり、エグいけど。でも、これでボスは、倒したんじゃないだろうか?流石に、ここまでやれば、もう決着は付いているだろう…。


「…周りの根が、枯れていきますね…。シスラにいいところを、取られたみたいです…」

「ふふ、まだまだ、後輩には負けてられないっすからねぇ!!」


 ボスの肉が、千切れ飛んだ亀裂から、シスラが走らせたと思わしき、光の魔力が消えて、輝きが収まっていく。そのまま、ボスの身体も、魔力に分解され、光となって消えていった…。流石に、もう、これでおわりだろう。


「これで、水属性神魔級迷宮も、クリアだな…」


 やはり、手こずる戦いだった…。だが、お陰で、また皆が強くなったとも言える。消えていく、ボスの魔力を眺めながら、俺はゆっくりと、今日の戦いを振り返っていた…。


「…………あのー、主様…。流石に、帰りませんか?私もう、ここに居たくなくって…」


 そう言えば、カヤは、ここが苦手なんだったな。そうと決まれば、急いで転移して戻ろう。


「ああ、悪い…!!」


 俺は、カヤに謝りつつ、急いで、地上に戻った。



「ぷっはー!!!!!!生き返るー!!!!」


 地上に戻って、一旦、一体化を解く。カヤは、嬉しそうに、地上にいる実感を噛み締めて、喜んでいた。


「水の中も、いいと思うんだが…」


 ミズキは、そんなカヤを見て、1人呟いている。まぁ、種族の違いってやつだから、そこは仕方ないんじゃないか?


「あ!!そう言えば、主様とキスし放題だった!!!」


 思い出したように、カヤがこちらを振り返る。そう言えば、そういう話だったな…。よし、来い!!!俺は、両手を広げてカヤを待つ。


「主様ー!!!!!」


 そのまま、勢い良く、カヤは俺に向かって突進し。そのまま、俺を押し倒した。長く、お互いを求めるような、激しいキスをされる。


「あわわわわわわわ!!!!」

「ふむっ…」


 ミエルと、カザネが俺達を見ている。少しした後、ゆっくりとカヤは、唇を離した…。


「えへへ~。続きは、帰ってからにしますね」

「ああ、楽しみにしてるよ」


 カヤに腕を引かれ、ゆっくりと、俺は起き上がる。…ふと、俺の唇を見ているミエルと、目が合った。ミエルは、俺の唇を見て、固まっている。その後ろに、シデンと、カザネが立ち、何やらミエルを応援しているが、一体なんだろうか?


「あ、…そ、その…」

「…」


 突如、カザネが動き、ミエルの背中を、蹴って押す!!そのまま、ミエルは俺の方に押し出され…。


「ううん!!???」

「!!」


 俺と、唇同士がぶつかった…。





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