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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第ニ章・三部 高みを目指して
133/632

大量

 勝負をかけるとしたら、今か…。俺は、ボスの連続攻撃をさばきながら集中する。また、何度目かのボスの突進が、俺達目掛けて襲ってきた!!だが…。


「!!!!」


 俺達は、突如ボスの前から消える。簡単な事だ。俺達は、転移魔法を使ったのだ。そのまま、ボスは突進力に任せ、前に進む。その俺達への、攻撃が外れた直後。気の緩んだ瞬間に、俺達は、再び、ボスの前に現れた。


「グゴゴ!!!」

「悪いが、逃がす気は無い!!」


 ボスは、俺達から離れようとするが、それを、水の糸で縛り、動きを抑制する。更に、腰から2本の鎖が飛び出し、ボスを拘束して、電撃を発した。


「ウガガガァ!!」


 少しの間、ボスの動きが止まる。強力な一撃を叩き込むのなら、ここしか無い!!


「くらぇええええええ!!!!!!!」


 魔力を乗せた剣を、思い切り、ボスの本体目掛けて、叩きつける!!根に、攻撃を阻まれるが、それさえも全て断ち切り、俺達は、剣をボス目掛けて振り抜いた!!


「グガオオオオ!!!!!!!」


 ボスは、後ろに吹き飛び、よろめく…。見ると、左目が赤く染まり、無くなっていた。だが、それぐらいしか、ダメージを与えられなかった、ということでもある。今の一撃で、俺達が断ち切った多くの根も、すぐに回復してしまい、また、攻撃のチャンスを待つしか無くなった…。


「…取り敢えず、一撃ってところか…。先は長そうだな」


 油断せずに、すかさずボスに向かって、俺は剣と盾を構える。土属性神魔級迷宮ボスもそうだったが、俺達が一撃加えたことで、なにかこいつにも、変化があるかも知れない…。俺は、ボスの動きをよく見据え、出方を待った…。


「……!!!!」


 すると、ボスの方からではな無く、地面から、攻撃が飛んできた!!すかさず、俺は、その攻撃を盾で受ける。


「なんだ?何であっちの方から攻撃が?」


 見ると、ピンク色だった地面は、少し変化していた。地面に生えた、無数のイソギンチャクのような物体。それら1つに、1つずつ、ボスと同じような、巨大な根が生えている。それらは、俺達を狙い、無数の水魔法を一気に、放ってきた!!


「…クッ、これは…」


 あまりの攻撃の量に、回避するだけでも精一杯!!だというのに…。


「まぁ、そう来るよな…」


 それを見計らったように、ボスの攻撃が再開された。2方向から襲い来る、圧倒的な攻撃の物量。皆に、地面側からの魔法を、相殺してもらって、俺はボスの攻撃を受け流す。それで、今は何とかなっているが、このままでは、押し潰されるのを待っているだけに過ぎない…。


「もう一度、転移魔法を使うか…。いや、少しの間狙いがそれるだろうが、それだけにすぎない。1回使っているから、ボスも警戒しているだろうし…」

「取り敢えず、地面のイソギンチャクの数を減らしますね。ご主人様!!」


 ミルクが言うと、地面に、巨大な岩の塊の、魔法の弾が放たれた。地面から、迎撃の水魔法が放たれるが、岩の塊は、僅かに小さくなったものの、そのままイソギンチャクに命中。周辺に、砂を巻き上げ、イソギンチャク達に、大きな被害を出した。


「これで、数を減らしていけば、後はまた、殴るだけって寸法ですよ!!」

「ちょっと、待て、ミルク!!よく見ろ!!」


 ミズキが、水魔法で周辺に巻き上がった、土を払う。するとそこには、潰れているはずのイソギンチャク達が、平然とそこに存在していた。


「な、なんですって!!なぜ、無傷なんですか!!!」

「よく見ろ、根が無くなっている。あの根で、自分達を防御したのだろう。そして、私の予想が正しければ…」


 ミズキの言葉通り、その変化は起きた。イソギンチャク達から、無くなっていた根が、また生えてきたのだ…。こいつら、ボスと同じ、回復能力持ちか!!!!


「やはりな…」

「うわぁ…。ということは、近づいて、本体を攻撃して回るしか無い!!…ということですかね?」

「まぁ、数を減らすなら、それが一番妥当だろうな。目の前のボスが、それを許さないだろう、というところと。行っても、無数の根の攻撃をかいくぐって攻撃しないといけない、というところを、クリアできればの話だが…」

「うへぇ…。どっちも、しんどそうですねぇ…」

「だが、やって見る価値は、あるんじゃないか…?」


 俺は、2人にそう言うと。転移魔法で、一気に地面まで降りた。


「おりゃああああああ!!!!!!」


 すぐさま、俺はイソギンチャク目掛け、剣を振るう!!だが…。


「グッ!!」


 イソギンチャク達が、すぐに群れで、根でのバリアを張り、俺達の攻撃を防いだ。そこから、更に残っている根が、俺達目掛け伸び、攻撃を仕掛けてくる。


「クッ…」


 そこに、更に、ボスがこちらに迫ってきていた。…、この場所では、戦いたくは無いな。俺達は、再び転移し、再度距離を取った。


「…、なかなか、そう、うまくは行かないか…」

「ですね。少しずつではありますが、追い詰められてきています…。ですが、反撃のチャンスが無い訳ではありません。殿、ここは我慢して、一撃を叩き込むことに専念したほうが、いいのではないかと思いますが…」

「む、そうか…」


 追い詰められてから、逆転を狙う。有効な戦術ではあるが、その分、リスクも大きい…。それに、まだ、ボスが力を隠し持っているとしたら…?…、そう考えると、出来るだけ、危ない手は使いたくはない…。さて、どうするか…。


「(ふむ、主人。これは、いわゆるピンチってやつですね…)」

「え?ああ、そうだな…。確かに、追い込まれてはいる…」

「(なら、ヒーローを目指す私としては、ここを華麗に切り抜けねばなりませんね…。この、熱く、うずく身体が、皆さんの期待に答えろと、騒いでいるのです!!!!!)」

「え!!まさか、カザネ、お前…!!!」

「嘘!!早すぎませんか!?まだ、うちに来て、そんな経っていないのに、もう聖魔級に…!!!」


 もし、次に進化が始まるとすれば、シスラ達が先だと思っていた。だが、カザネのほうが先になるとは…。もしかして、俺達のところに来る前から、身体が強化されていたんだろうか?それなら、説明が付くが…。


「見ていて下さい、主人!!!これが、私の新たな力!!!」


 すでに、喋りが念話では、無くなっている。カザネは、俺達の一体化から分離し、光りに包まれると、すぐに姿を変えていった。




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