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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第ニ章・三部 高みを目指して
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水属性神魔級迷宮

 日を改めて、俺達は再び、水属性神魔迷宮前まで来ている。うーん、やはり初めての迷宮というのは、突入に緊張するなぁ。まぁ、もう、一体化も済ませたし…、思い切って飛び込むとしよう。俺達は、崖から、迷宮目指して飛び込んだ。


「……これは、きつそうだな」


 思った通り、中は全面水の空間だった。普通の人間なら、呼吸が出来ずに、先に進むことも不可能だろう。それに、水の中だからか、先のほうがよく見えない。視界的にも、苦しい空間のようだ。


「そう言えば、初めてですね。迷宮の真上から入るなんて」

「ああ、そうだな。いつもなら、真横からとかだもんな…」


 今、俺達がいるのが迷宮の真上。ここから、ボス目掛けて移動して行くわけだけど…。


「…平衡感覚がおかしくなりそうだな」

「確かに…、常に浮いているみたいなもんですからね。まぁ、我々は魔力感知を使えば、おおよその方向は予測できますから。途中で、あれ、どっちに進んでたっけ?なんてことには、ならないと思いますよ」


 うーん、通路がないのは一直線に目的地に行けるから、ある意味いいが。ここまで、広い空間内を移動するとなると、魔力感知がないと帰ることすら怪しくなってくるな…。本当に、人間には優しくない作りになっている。取り敢えず、目的のボスがどこにいるのか調べよう。俺は、魔力感知を使った。


「うーん、ボスは、真下か」

「分かりやすいですが、迷宮の端と端って感じですね。結構、潜らないといけなさそうです」

「これ、どれだけ潜ればいいんだ…。水圧の心配もしないといけないかもな…」

「水圧?ですか」

「ああ。分かりやすく言うと、深く潜ると、ものすごい負荷がかかるんだよ。ちょっと、厳しくなるかもな…」

「へー、知らなかったです。なるほど、流石、神魔迷宮、一筋縄ではないですね」


 水の中ってだけで、こんなにも心配する要素があるなんて。進むこっちとしては、勘弁してほしいものだ…。だが、これより厳しいとこに行く可能性もある。今は、怖気づく前に進もう。俺達は、下に向かっての、潜水を開始した。


「殿。左から、なにか近づいてきますね」

「うん?まだ見えないな…」

「ふむ…。私の能力で、殿の視界を広げてあげましょう」

「え?…おお、よく見える!!助かる、ミズキ!!…なるほど、あれか…」


 まるで、飛来する槍のように、一直線にこちらに向かって突っ込んで来る魔物がいる。頭の先に、角が付いているが、見た目は魚だな…。にしても…、いや、待てよ。近づいてくると、さらに…。


「なんだ、あの大きさは…」


 クジラを、更に一回りでかくしたようなその巨体の魔物は、その巨体からは信じられないスピードで俺達目掛けて突っ込んでくる。…明らかにやる気だな。なら、初めての水中戦闘に付き合ってもらうとしよう。俺は、腕に、剣と盾を、出現させた。


「さて、どう来る…」


 意外と、そのまま突っ込んでくるだけかとも思ったが、そうでもないようだ。魔物の周りに、無数の水の弾丸が形成され、俺達目掛けて放たれる。俺は、移動しながら、魔法と、盾で、敵の弾を減らしつつ。その攻撃を防いだ。


「うん?少し、動きが遅くなってるか。水の抵抗のせいかな…。考慮して動かないと」


 僅かな遅れが、攻撃をもらうことになる。ここで、それが分かったのは、いいことだろう。そのまま、敵の、魔法の弾丸の、第二射が放たれた。その、弾丸と共に、敵の魔物は突っ込んでくる。俺は、魔法で弾丸を相殺し、突っ込んできていた、敵の頭の角を、剣で横から殴りつけた!!


「!!!!!」


 角に衝撃を受け、魔物の動きが止まる。そのまま、俺は、剣を魔物の身体目掛けて、一直線に、振り切った!!


「!!」


 魔物が、そのまま反撃しようとしているが、身体が動かないらしい。それはそうだろう。俺の、さっきの斬撃で、魔物の身体は綺麗に、真っ二つになっていた。ようやく、その事実に魔物が気づいたのか、程なくして、魔物は死んだ。


「……美味しそうですね」

「え?」


 ミズキが、魔物の死体を見て言う。そう言えば、一応、こいつも、ミズキが好きな魚介系かぁ。…今度、食べさせてあげようかな?でも、今は、こんな大きな肉、持ち運んでいる暇がないので、また今度、取り直すとしよう。そう思い、俺達は、再び潜るのを再開した。


「…………」

「……やたら、気が沈んでいるみたいだな。カヤ」

「主様…。早く帰りたいです…」


 いつも元気なカヤだが、これだけ、水に囲まれている空間にいると、流石に気が滅入るらしい。こんな元気のないカヤはレアだが、出来れば、あまりこのままにはさせたくはない。なにか、元気づける方法があるといいのだが…。


「ふむ、仕方ないですね…。帰ったら、ご主人様とキスし放題にしましょう!!!」

「!!!!!!あたし、頑張る!!!!!!!!!!」


 ミルクの発言で、一気にカヤは明るくなった。いや、相変わらず、俺の意志は無視されての報酬だが、俺も嬉しいので、それはいいとしよう。


「むっ…。いいなぁ、私も…。」

「(ふむ…)」


 ミエルの発言を聞いて、カザネは何か考えている。なんだろう?意志は、分かるんだけど。明確に、何がしたいかは、見えていない感じだな。まぁ、今は、カヤがやる気を出している内に、進んでしまおう。



 ~3時間後~



「主様とキス!!主様とキス!!」


 進むに連れて、水の抵抗も大きくなり、身体の負担も増していく。戦闘回数も増え、サメ、マグロ、シャチ、イルカ、カニ、タツノオトシゴ見たいな魔物とも闘ったが、戦闘面では、まだまだ問題ないようだ。…、ただ、進むに連れて、カヤのストレスが溜まっているのだけが、問題ではあるが…。


「流石に、そろそろ底に着くんじゃないか?」

「まぁ、大分潜りましたからね…。もう、そろそろでしょう。海流も無くなってきましたし」


 そう。一直線に進んできたが、海流が、この水の中では循環している。ちょっと、押されるので、道がそれることもある。困ったものだ。


「おっ、あれが、地面かな…」


 俺達の目の前に、一面ピンク色っぽい地面が、現れた。地面?


「……、なにか嫌な予感がするなぁ…」


俺達は、少し遠巻きに、その地面を眺めることにした。




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