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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第ニ章・三部 高みを目指して
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新人試合・結果

「よろしく」

「ああ、よろしく」


 相手との挨拶も済ませ。俺は、軽く剣を構えた。召喚された魔物は、そのままなんだけど、いいんだろうか…?まぁ、俺は、別に構わないんだけど…。


「それじゃあ、最終戦。2人共、準備はいいかなぁ?」

「はい」

「はい」


 俺に遅れて、相手が返事をする。何だろう?俺が、あまり魔物を怖がってないのが、気になるのかな?


「それじゃあ……。始め!!!!!!」


 レラの合図とともに、魔物が一気に、俺に向かて突進してくる。


「頑張れー!!!ベイ!!!!!!」

「ぶちのめせー!!ベイ!!!」

「ベイ君!!ファイトー!!!!!」


 アリー達の、応援の声が聞こえる。俺は、特に何もせず、魔物が射程距離に近づくのを待った…。相手の魔法が、反対側から飛んでくるが、これも、着弾まで時間があるので、特に気にはしない。


「キシャアアアアアァァァァア!!!!」


 魔物が、鳴き声を上げ、俺に向かってぶつかろうとする。その瞬間、俺は、魔物の顔を掴んで振りぬき、反対側から迫ってきていた魔法を、魔物の身体で防いだ。


「…………はぁああああああああああ!!!!!!!??????」


 相手が、俺が何をしたのか分からない、と言うような声を上げる。俺は、そのまま、片腕で魔物を振り回し、相手に向かって投げつけた。


「うわああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」


 何とか相手は、飛んでくる魔物を避ける。魔物は、地面を転がり、闘技場端の壁に、激突した!!!


「………キ、グガァ」


 そのまま、魔物は気絶したのか。召喚が解除され、その場から消えていく。さて、俺は、相手に剣でも突きつけて、この勝負をおわらせるとするかな…。……、相手の研究会の皆は、やけに静かだな?と思って見てみたら、全員口を開けて、驚いていた…。今の、俺の行動が、かなりビックリしたらしい…。


「くそっ!!!!次はこれだ!!!!!」


 相手の子が、また召喚魔法を唱え始める。今度は、何だろう?ちょっと、楽しみだなぁ…。


「召喚!!!グリーンゴーレム!!!!」


 そこに現れたのは、岩の巨人だった。体中に、草花が生えていて、とても趣がある身体をしている。なるほど。確かに、グリーンだな…。


「行けぇ!!!グリーンゴーレム!!!!」


 グリーンゴーレムが、俺に向かってパンチをしてくる。俺は、そのまま、素手で、その攻撃を受け止めた。


「………!!!!!!!」


 相手魔物から、驚愕しているような、気配を感じる。しかし、リザードッグだの、グリーンゴーレムだの。愛着が無さそうな、名前ばっかつけてるなぁ…。まぁ、魔物らしくていいのかもしれないけど、そこは面白みが無いなぁ…、と思う。そう思いながら、俺は、そのままゴーレムを、相手めがけて、投げつけた!!


「………はぁ?????」


 岩の塊は、まるでボーリングの弾のように、相手、召喚魔法使い目掛けて、転がっていく。あり得ない。そう言いたげな召喚魔法使いは、そのまま、岩の玉に巻き込まれ、場外に、弾き飛ばされた!!!


「うわああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


 結構な断末魔とともに、壁に相手は叩きつけられる!!相手は気絶し、勝負は決着した…。……、何だろう。アリーと、サラサ以外、皆、黙ってしまっている。俺は、後ろを振り返って、レラを見つめた。


「あっ!!!え、えっと!!!ベイ君の勝ち!!!!!!!!!」

「「「「……うおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!すげぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」」」」


 味方だけでなく、相手の会員からも、賞賛の声が上がった。どうやら、皆、かなり驚いてくれたらしい…。


「さっすが、ベイね!!」


 俺は、駆け寄ってきた、アリーを抱きしめた。再び、周りから歓声が上がる。ともかく、これで、助っ人としての役割は果たせたようだ。もう、正式な会員ではあるけれど、これで、大腕を振って、残留できるだろう。軽い仕事だったが、俺は、何かをやり終えたような、充実感を感じていた。



「いやぁ、新人試合の勝利おめでとう!!!!!!」

「「「「「おめでとう!!!!!!!!」」」」」


 試合の、片付けの後。ささやかながら、祝勝会が開かれた。食堂で行われ、飲み物と、片手で食べられる揚げ物や、デザートを中心にした食べ物が、テーブルに並べられている。


「あむっ…。うん、これも、美味しいわね…。今度、うちで作ってみようかしら…」

「はむっ、本当だ。美味しいですねぇ…」


 アリーと、サラサは、食べ比べるように、デザートを頬張っている。うーん、デザートを食べる、アリーも可愛いなぁ…。なんだか、歳相応の、女の子みたいだ…。


「ほら、ベイも。…あーん!!」

「あ、あーん…」

「美味しい?」

「うん、美味しいよ」


 その上、美味しいものは、俺にすぐに食べさせにきてくれる…。うん、可愛いな!!俺は、世界一、幸せものだ…!!!!


「(あれ、食べてみたいですね…)」

「(あとでアリーさんが、作ってくれるかもしれません…。それまで、我慢ですよ!!!)」


 シデンは、これが食べたいのか…。あとで、俺からもアリーに頼んであげよう。皆が、羨ましがらないように、俺は、出来るだけデザートを避け、揚げ物を中心に食べていく。うん、最近、フィーにやられて、必要以上に身体を動かしているせいか、こういうものが美味しく感じるなぁ…。うまい、うまい。


「いやぁ、ありがとう、ベイ君!!!これで、夏の大会に、はずみがついたよ!!!!」


 そう言って、レラが近づいてきた。夏の大会ってあれかな?俺が、優勝を目指している、全生徒が出れる闘技大会のことかな?


「このままだと、夏の大会でも、ベイ君が優勝しそうだよねぇ…。でも、私達も負けない!!!!皆、ベイ君に負けないように、頑張るぞー!!!!!!」

「「「おー!!!!!!!」」」


 会員達から、賛同の声が上がる。そうか…。夏の大会では、皆とも戦う可能性があるのか…。


「まぁ、そういう訳で、これからも指導よろしくね!!ベイ君!!!!」

「あ、はい。出来るだけ、やらせていただこうと思います…」


 うーん、ライバル達を、自分の手で鍛えることになるのかぁ…。でも、皆とは、敵って感じはしないから、別にいいかなぁ…。……、俺は、夏に向けて、何をするべきだろう…。取り敢えずは、打倒、フィーを目標に、実力を付けて行くかなぁ…。その後は、神魔級迷宮巡りでもして、各属性の、対策訓練をするか…。そこまで、夏までに行けるかは、分からないけど、今後は、そういう感じで行こう…。


「うーん、これどうやって作ってるのかしら?」

「シェフに聞いてみます?」

「ああ、それがいいわね!!!」


  アリーも、サラサも、デザートで楽しそうだ。ニーナも、嬉しそうに、デザートを頬張っている。…あっ、見ている俺に気づいたのか、ちょっと照れてるな…。まぁ、今は、この束の間の勝利を祝おう。俺は、皆と会話をしながら、祝勝会を楽しんだ。



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