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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第ニ章・三部 高みを目指して
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決定

 次の日、ミオに素材となる魔石を渡しに、研究会に行った。なんだかんだで、最近は研究会に出ずっぱりになっている。サラサや、ニーナも楽しそうだし、これはこれでいいんだけど。やっぱり、皆との訓練時間が減ってるのは、気になるなぁ…。


「うーん…」

「どうしたの、ベイ君…?難しい顔をして…」

「いやぁ、やるべきことがなければ、俺もこの研究会を楽しめたのになぁ~、と思いまして…」

「ふ~ん…」


 レラは、俺の隣に腰掛ける。少し先では、新人の3人と、ミオ、サラサ、ニーナが訓練をしていた。……うーん、青春だなぁ…。………今更だけど、こんな女性ばっかのとこに、俺がいてもいいんだろうか?とも、その光景を見ていて、思ってしまう…。


「……あの6人が仲良く出来てるのは、ベイ君のおかげだよ。あたし、すごい感謝してる…」

「いえ、自分は何もしてないですけど…」

「ううん。そんなことないよ…。私達だけじゃあ、ミオちゃんはここに来なかったし。サラサちゃんも、ニーナちゃんも、新人の3人も。皆、ベイ君を慕ってる…。それに、ベイ君が強いから、皆頑張って、ああやって、練習してると思うんだぁ…。少しでも、ベイ君に近づきたくて…」

「…そうですかね?」

「そうだよ…。私だってそうだもん…!!やっぱり、見える所に、目標になる人がいると違うよねぇ…」


 レラは、手を付き、勢いをつけ、一気に立ち上がった。


「だからさ、ベイ君がしなきゃいけないことが、何かなんて知らないけど…。私、そんな感謝してるベイ君の、力になってあげたいなぁ…って思うんだよね…」


 レラは、照れくさそうな笑顔を浮かべて、振り返った。


「ま、まぁ、私、魔法の扱いは得意じゃないけど、雑用でも、何でもやるからさ…。困ったら、是非頼ってよね…!!!」


 そう言うと、レラは、一層顔を赤らめ…。恥ずかしくなったのか、新人の皆のもとに駆けて行った。……ありがとう、レラ。気持ちだけ受け取っておくよ…。星を破壊するような、化け物の相手をする貧乏くじは、俺達だけでいい…。


「(…ほうほう。なんでも……。いや、困ったらでしたね…。ご主人様が、性的に困ることなんてありませんからね…。私達がいるから…。つまり、この手では迫れませんね…)」


 ……ミルクは、相変わらずだなぁ。俺は、そう思った。


「よーし!!明日は、新人試合だから、今日はこのぐらいにして、ゆっくり休んで、皆」

「「「はい!!」」」


 お、新人の3人は、今日はもうおわりか。しかし、そうか。もう、助っ人の仕事をする日が、明日になったんだなぁ…。長かったような、短かったような、そんな数日間だった…。でも、明日で試合がおわるということは、俺がここに来る用は、明日でおわるということでもある。なんだか、寂しくはあるが、これも、創世級を倒すため。後ろ髪を引かれてはいけない…。きっちり割りきらないと…。そう、思っていると…。


「……」

「うん?」


 後ろから、無言で抱きしめられた…。あー、背中に胸の感触が…!!!!


「……べ、ベイ君は、おわっても、うちの研究会に入るよね…?」

「……」


 そう、寂しそうに俺を抱きしめてきたのは、レノンだった。ぎゅっと、まるで離したくないかのように、俺を抱きしめている。


「いや…」

「言わないで…!!そんなの…。聞きたくない…」


 また、俺を抱きしめる力を、レノンは強めた…。うーん、やばい…。レノンの声は、今にも泣き出しそうだ…。困ったなぁ…。一体どうしたもんだか…。


「入ってあげれば?ベイ」

「え?あ、アリー…!!!!!」


 そこには、いつの間にか、アリーがいた。


「あなたと別れる辛さは、誰よりも私が知ってるわ。この子達に、わざわざ、そんな思いをさせるのも、悲しいと思ってね…」


 うん?達?って、よく見ると、後ろにサラもいて、同じく、すぐにでも泣きそうな顔をしている。


「ただし!!!!!!研究会に出るのは、月・水・金のみ!!!そう言う、方向性で行きましょう」


 なるほど…。でる日を限定することで、残りの時間を、実力を伸ばす訓練にあて。出る日は、軽く流す程度にすることで、休むことになり。無理なく、訓練ができると。そういうことか…。さすがアリー。


「あの、…お願いします、アリーさん。せめて、週4日では駄目でしょうか…?」

「駄目よ。…入会したらって言ったのも、私の我儘だもの。本来、ベイにはすることがあるのよ。それ以上、負担はかけられないわ…」

「そう、ですか…」


 …まぁ、でも、入会するとすれば、アリーの考えが現実的だよな…。訓練を、サボるわけにはいかにないし…。今でさえ、絶望的な差がある、創世級の相手をするのに、必要以上に、休むわけにもいかない…。これが、一番いい選択かな…。


「まぁ、アリーがそう言うなら…」

「えっと…。つまりベイ君は、入会してくれるって、ことでいいの…?」

「まぁ、そうなるわね…」

「「……やっ」」

「や?」

「「やったーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」」


 2人は喜びのあまり、立ち上がり、全身で嬉しさを表現した。あまりの大きな声に、周りの会員たちが、一斉に俺達に向かって、振り返る。うーん、喜んでくれるのは嬉しいけど、少し恥ずかしいな…。


「ところで、どうしたのアリー?今日は、研究を進めてるんじゃあ…?」

「うん?実はこれを持ってきてね…」


 アリーは持っていた、丸まった紙を広げ、俺に見せてくれる。それは、剣のデザイン画だった。そこに描かれている剣は、日本刀に近い刀身をしているが。持ち手は今、俺が持っている剣に似ており、剣の柄先には、丸い玉のようなものが埋め込まれている。


「で、ベイにはここの部分を、今、出して欲しいんだけど・・・」

「そこの、丸い玉の部分?もしかして…」

「そう、ベイの魔石剣なら、これが付いてないとおかしいと思って…」


 アリーが言っているのは、召喚魔石だろう。確かに、俺と言ったら、その魔石と言うところはある気がする。……回復の魔石は、すでに材料に入ってたしね。


「分かった」


 すぐさま、俺は腕をポケットに突っ込んで、魔石を生成する。そのまま、アリーに渡し、アリーはそれを持って、ミオのもとに向かった。


「(うーん、いい剣になりそうですね。魔物化するかは、別として…)」

「(ミルクは、どう思うんだ?魔物化すると、思うか…?)」

「(難しいところですね…。私も、あの生命の魔力は、よく分かっていませんから…。うーん、どうなんです、レム?)」

「(……そうだな。可能性としては、あると思う。だが、私には変わろうとする、明確な意志があったからな…。あの剣に、生命の魔力が完全に宿り、形をなすかは、本当にやってみないと分からないだろう…)」

「(うーん、やはりそうですか…)」

「(まぁ、出来るのを、ゆっくり待つか、俺達は…)」


 俺は、図面を見て、顔を輝かせるミオと、説明をしているアリーを見て、そう思った。



肩の痛みと、鼻風邪でいつもより、更新に手間取ってしまいました…。早く治さないと…

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