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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第ニ章・三部 高みを目指して
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連行

「なるほど・・・・。レラさんが、そんなことを・・・・・」


 激闘の土曜を超え、からかわれた日曜もおわり。また月曜がやってきた。相変わらず、まだ学習したところを復習する感じの授業だが。俺は、平和っていいなぁ・・・、と感じていた。今は、もうお昼で、サラサと、ニーナと、お昼ごはんを食べている。


「その、・・・なんだか、運動系の研究会の方たちって、大胆なんですね・・・・」

「いや、あれはただの冗談だよ。あと、俺に下心がないか見てたんじゃないかなぁ・・・?」

「ああー、なるほど!そう言う考えもあるんですか・・・。深い、心理戦だったんですね・・・」


 うんうん。ニーナが、状況を理解してくれて嬉しいよ。危うく、釣られそうに・・・・。いや、確かに、甘い餌ではあったけど。今の状況の俺にかかれば、この程度・・・・。くぐり抜けるのは、造作も無い・・・。造作も無い・・・・、はず。


「・・・・私も、ベイと水浴びをしてみるというのは、どうだろうか?勿論、アリーさんもいる状況でだが・・・」

「え?」


 サラサは、さっきまで何か考えているように腕を組んで黙っていたが、急にそう言い出した。何故そうなるんだ・・・・。


「私も、勿論、鍛えた後は水浴びをして汗を流す。しかし、男性と共に水浴びしようなど、今まで考えもしなかったし、したいとも思わなかった。・・・・だが、ベイとなら体験してみてもいい気がする。どうだろう?この機会に、一緒に訓練をして、水浴びというのは?」

「・・・・・や、やはり、運動系の方って大胆なんじゃあ・・・・・・」


 言ったサラサよりも、ニーナの顔のほうが赤い。と言うか、言われた俺はどうすればいいんだ?断るにしても、何を理由に断ればいい?


「(なるほど、うまい言い方ですね・・・。ご主人様と訓練も出来て、更にボディチェックも出来る・・・。しかも、これを理由もなしに断るということは、サラサの女としてのプライドを傷つけるようなもの。優しいご主人様には、とても断りづらい状況ですね・・・)」


 ミルクの言うとおりだから困る。さて、どうしたものか・・・・。


「・・・・・・・、レラも言ってたけど、水浴びをするってことは、極端に俺に肌を見せることになるから。女性によっては、責任をとって欲しい、なんて言う人も出てくるかもしれない。言うなれば、それだけ重要なことだってことだ。サラサが、絶対に俺に肌を見せても後悔しないと思えるまで、そういうのはやめておいたほうがいいよ」

「ふむ、なるほど・・・・。私の事をそこまで考えてくれるとは・・・。ありがとう、ベイ。分かった。ベイを夫にする覚悟が決まった時にでも、またこの話はしよう・・・・」

「うん、待ってるよ」


 ・・・・待ってるよ、とか言ってよかったんだろうか?いや、でも好きになってくれるなら、その方がいいし。この返答でいいよな?サラサが、どんな未来を選んでも、俺は尊重するけども・・・。


「・・・・お二人共、仲がよろしいんですね・・・・」


 俺達の会話を聞いていたニーナは、すっかり顔が赤くなり、もじもじと身体を揺すっていた。・・・・まぁ、サラサが大胆すぎるからな・・・。ニーナも奥手だろうけど、このぐらいの反応のほうが、普通に近いだろう・・・・。それに、俺もなんだか見ていて安心する反応だ。昨日、いじられたからかな?


「うむ、私とベイは、仲がいい。・・・・おっと、そろそろお昼休憩がおわる時間だな・・・・」


 うん?そうみたいだ。結構、話し込んでしまったなぁ・・・。俺達は、教室に戻り、午後の授業を受けた。



「・・・・ふぅ・・・、おわった、おわった」


 やはり、授業が長く感じるなぁ・・・。でも、こういう時は気持ちの切り替えが大事なんだ。日曜日は魔法をいじっていたから、少し考えたいこともあったし、片手間に復習するにはいい機会だった。こんな感じで、受けていけば、気が滅入ることもないだろう・・・。


「よし、帰るかな・・・」

「あ、あの、ベイ君・・・」

「うん?どうしたんだ、ニーナ?」

「えっと、その、・・・・途中まで一緒に帰ろうかなぁ・・・・、なんて・・・」


 ニーナの顔は赤い。・・・そっかぁ、ニーナとの仲が、話せる友達レベルには、なったってことかなぁ・・・。よし、せっかく言ってくれたんだし、お言葉に甘えよう。


「うん、いいね。じゃあ、ちょっと待って・・・。今、荷物しまうから」

「うん・・・!!」


 ニーナは、どこか嬉しそうだ。可愛い笑顔を浮かべている。荷物をしまい、軽い雑談をしながら、俺達は校舎を出たのだが・・・・・。


「あ、いたいた・・!!!」

「やっほー!!ベイ君!!」


 遠巻きから、女性二人が近づいてくる。確か、昨日レラの研究会に、一緒にいた会員の女性達かな?


「うわ!!ベイ君、女性連れてる!!彼女・・・?」

「違うわよ。ベイ君は、もう婚約してる人がいるって、話だったでしょう?きっと、クラスメートよ」


 流れるように、そう言いながら。女性二人は、ごく自然に、俺の両腕に腕を絡めて、抱きついてきた。・・・・これ、他の人から見ると女性に囲まれて羨ましそうに見えるけど。普通に、何処かに連行してくパターンの持ち方だな・・・。・・・・必要以上に、腕に胸を当ててくるのは色仕掛けだろうか・・・。やめてくれ、そういうのに男は弱いんだ・・・!!!!!!!


「あ、ベイ君。急に来て悪いんだけど、ちょっと今日も付き合ってくれないかなぁ・・・?」

「そうそう。新人の子達に、試合までに強くなってもらいたいしね。ベイ君が、教えてあげてくれないかなぁ・・・・」


 そう言いながら、俺の腕を自分の太ももを触らせる位置に持っていくの、あざとすぎませんかねぇ!!!!すべすべで、柔らかい!!!!!・・・じゃなくて、ニーナが顔を真っ赤にしてオロオロしている。まぁ、そうなるよな・・・・・。俺も、皆といるから、女性にはある程度慣れているとはいえ。何か、この2人は普通に気が良さそうで、エロいこともし無さそうなのにもかかわらず。こんなエロい行動をしているというギャップを感じて、ちょっとやばい・・・・。


「まぁ、ここまで密着しなくても話は聞きますから、大丈夫ですよ・・・」


 というか、ここ学校前なんで・・・。嬉しいけど、恥ずかしい状態なんで・・・。少し離れてくれると助かる、というのが本音である。


「いやぁ、昨日のベイ君の活躍を見てたら、どんな鍛え方をしてるか気になってね。やっぱり、見た目で分からないほど、硬い筋肉してるねぇ・・・・」

「うん、男らしい」


 なるほど。単に、俺を拘束する目的だけじゃなく、俺の身体を触りたかったのか・・・・。・・・まさか、こんな可愛い子たちに、セクハラを受ける日が来るとは・・・・。人生とは、分からないものだな・・・。


「・・・・」

「・・・・」


 なんで、この2人は、とたんに無言になって顔を赤らめているんでしょう・・・。ちょっと、身体も揺すってるように見えるし・・・。まさか、興奮しだしてるなんてことは、無いよな・・・・・。


「あはは・・、で、ベイ君。どお?練習来てくれない?」

「お願いします」


 しなだれかかるように、更に俺に抱きついてくる・・・。・・・・OKしないと、抜け出せない雰囲気だな・・・。これ・・・・・。


「・・・・・・ニーナも、練習しに一緒に来ないか?」

「え!!!!!!」


 オロオロしていたニーナは、驚いた声で返事を返してきた。


「昼にも話したと思うけど、この人達はレラのところの、戦闘を研究する研究会の人達なんだ。ニーナも、魔法の練習がてらに、そういう研究会を見てもいいんじゃないかと思ってね?」


 そう、戦闘系研究会なんです。決して、今してるような、えろい研究会の方々ではございません。・・・・まぁ、そんな研究会、無いだろうけど・・・・。


「うん?この娘も、新入生の子で、まだどこの研究会にも入ってないのかな?」

「なら、丁度いいよ!!ベイ君の言うとおり、ぜひ練習を見に来て!!!大丈夫!!初心者でも、ゆっくり基本から教えるから、無理の無い研究会だよ!!」


 2人は、さっそくニーナの勧誘にかかった・・・。でも、俺は離してくれないのね・・・・。


「え、あ、あの・・・・、えっと・・・・・」

「どうする、ニーナ?」

「・・・・・・・・、わ、分かりました。見学させて下さい」


 ニーナの返事を聞いて、2人は嬉しそうに、ハイタッチをした。


「じゃあ、二人共行こうかぁ・・・!!!」

「そうそう、私達に付いてきて・・・!!」


 ついて来てと言いながら、俺は、連行されてるようなもんだけど・・・・。取り敢えず、俺はニーナと一緒に再び、研究会の活動に向かった。



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