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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第ニ章・三部 高みを目指して
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顔合わせ

「えー、という訳で、今度の練習試合の助っ人、ベイ・アルフェルトくんです。皆、仲良くするように」

「よろしく願いします」


 日曜日。アリーと神魔級回復魔法の研究を進めてから、俺はレラとの待ち合わせに向かった。到着すると、少し離れたところで練習していた1団に連れて行かれて、今に至る。結構、人数の多い研究会だなぁ・・・。レラも入れて、23人かぁ・・・。


「へー、あれが研究長の言ってた助っ人の・・・」

「強いのかしらね・・・?」

「見た目では、それなりに鍛えてるように見えるけど・・・」


 うーん、それなりなのかぁ・・・。いつも必死に訓練してるんだけどなぁ・・・。まぁ、いきなり筋肉を見せびらかす趣味もないから、そう見えてるなら、それで仕方ない・・・。


「で、この3人が今回の新人の子達なんだよ、ベイくん」

「初めまして」

「よろしく願いします~」

「よろしくです」


 レラの、紹介してきた子たちは、どの子も礼儀正しそうだ。清楚系、ノリがいい系、クール系という感じだな。


「(ふむ、この学校、レベル高い女子がたまにいますね・・・)」

「(確かに。この3人も特徴的な可愛さを持っているなぁ・・・)」


 ・・・確かに、ミルクとレムの言うとおり、可愛い。けど、今回は助っ人で来ているのだ。だらしない顔をしてはならない。そう言う目で、見ないようにしなくては・・・・。


「どう、ベイ君。うちの新人の子達、レベルが高いでしょう?正式にうちの部に入れば、またハーレム要員が増えるかもよ?」


 レラが、肩を寄せてヒソヒソ声でつぶやく。いや、俺はそんなつもりでここに来たわけでは・・・・。


「(ほー、レラもいい事言うじゃないですか・・・・。どうです、ご主人様?研究会員の方々と、訓練以外で汗をかくというのは、なかなかそそるシチュエーションだと思うのですが?)」


 どうです?って言われても、そんなの簡単にできるわけないじゃないか!!!それに、そんな目で見てたら、俺が変態のレッテルを貼られてしまうよ!!!!!


「いや、それと入会するかは、全く別の話ですから・・・・」

「へー、なるほどねぇ・・・。入会しなくても、落とせるってわけかぁ・・・」

「いやいや!!何でそうなるんですか・・・!!!」


 俺達の会話に、周囲は聞き耳を立てている・・・。いかん、誰かの耳に入る前に、この会話をおわらせねば!!!!


「ところで、今日はもう、これでいいんですか?アリーと研究したいこともあるので、用がないなら帰りたいんですけど・・・」

「あー、ちょっと待って!!せっかくベイ君が来てくれたんだもの。皆に実力を見せる意味も含めて、ちょっと練習相手として、付き合ってくれないかなぁ?」

「・・・・まぁ、それくらいならいいですよ」

「よし、決まりいい・・・!!!」


 やっと、レラは俺から離れて、会員に向き直る。


「ベイ君が、練習試合してくれるってさ。誰か、戦ってみたい人はいるかなぁ?」

「「「「「「「「「「「「「「「「「はい!!」」」」」」」」」」」」」」」」」


 ・・・・・全員、手を上げてるんですけど・・・。というか、レラも上げるのか・・・。


「うーん、皆やる気があって素晴らしい!!じゃあ、ベイ君。時間が許す限り、練習に付き合ってもらっていいかなぁ?」

「・・・・・まぁ、いいですよ」

「いえーい!!よし。それじゃあ、誰から戦うか、順番を決めよう!!!」


 レラは、会員たちとの話し合いに動く。うーん、結構、時間取られちゃうかもなぁ・・・。



「あ、ありがとうございました・・・・・。ガクッ・・・」


 時刻は、もう午後の6時だ。あの後、何度も挑みかかってくる会員たちを相手にしていたら、すっかり、こんな時間になってしまった。疲れたのか、殆どの会員が汗だくで地面に横たわっている。・・・・うーん、エロい・・・・・。


「こ、これだけ戦ったのに、ベイ君は息一つ切れてないね・・・。私の、助っ人要請は正しかった」


 レラだけは、疲れていても地面に横たわっていない。流石に、鍛えているだけのことはある。


「でも、誰も手出しできなかったね・・・・。実力が違いすぎて、参考になるかも怪しいよ・・・」

「え、そうですか・・?」


 もっと手加減したほうが良かったかなぁ・・・?極力強い攻撃もせずに、防いだり、避けたりしてたんだけど・・・・。


「だって、皆に同じような動きで対応してたでしょう?私にでさえも、似たような感じだったし。それだけ、私達と実力差があるってことだよねぇ・・・・。私達では、ベイ君の本気は見られそうもないなぁ・・・・」


 ああー、確かに、相手の強さに合わせて対応を変えたりは、してなかったなぁ・・・。ちょっと、苦戦する芝居でも入れたほうが良かっただろうか・・・。


「まぁ、いいや!!私達が強い人と戦えるのは、それだけで勉強になるからね。あの子達も、今日だけで少し成長したでしょう。ありがとう、ベイ君!!」

「まぁ、お役に立てたなら、良かったです」


 レラが、疲れている皆に向かって、手を叩く。


「はいはい、皆!!今日は、このぐらいにして、水浴びして帰ろうね!!」

「「「「「「「「「はーい」」」」」」」」」

「お、そうだ?なんだったら、ベイ君も一緒に水浴びする・・・?」

「!!!!!!!!!!!!!」

「(ぐぬぬ、レラ・・・・。なかなか、いやらしい発言をしますね・・・。ご主人様を招くために、そんな甘い罠まで設けているとは・・・・)」


 いや、多分冗談だと思うよ。・・・・冗談だよね?


「いや、そういう冗談はいいですから・・・・」

「あはは、だよねー。そしたら、全員ベイ君に、嫁にもらってもらわないといけなくなるし・・・・」

「・・・・・」


 冗談だよね?本当に冗談だよね?・・・・本気だったら、それはそれで残念な・・・・。いやいや、そんな話があるわけ無いだろ!!!ダマされるな、俺!!!


「えー、ベイ君来ないんですかー」

「さみしい」


 会員の女子が、はやしたてる。やめろおおおおおおおおおおお!!!!!!俺は、そんな釣り餌になんて、釣られないからな!!!!!!!!!!!!!!!ほら見ろ!!何人かの女子は、にやけた顔をしているぞ!!!!!!その手には、乗らない!!!


「あはは・・・。じゃあ、俺は帰りますけど、結局、いつ助っ人に来ればいいんですか?」

「あ、そう言えば、言ってなかったね。金曜の学校おわりに、ここに来てくれるかな?」

「分かりました。じゃあ、俺はこれで・・・。お疲れ様でした」

「「「「「「「「「おつかれさまー!!」」」」」」」」」


 元気よく、返事を返してくれる会員たち。なんか、青春だなぁ・・・。と思いながら、俺は部屋に帰っていった。



「で、どう思う?」


 レラが、水浴びをしている会員たちに尋ねる。皆、水で汗を流し、気持ちよさそうにくつろいでいた。


「確かに、すごい強さでしたね・・・・」

「レラさんが、どうしてもスカウトしたいって気持ちが、少し分かった気もします」

「でしょう!!・・・・まぁ、あそこまで強いとは、私も思わなかったけどね・・・」

「えー」


 レラは、戦闘中のベイの動きを思い浮かべる。自分の、受け流しを読むように、適度に距離を保ち。決して、こちらの誘いに乗るようなことはしない。だというのに、こっちには、きっちりと攻撃を当ててくる。・・・・いったい今まで、どんな訓練をしてきたんだろうか・・・。レラの頭では、その答えは想像できなかった・・・・。


「・・・うーん、また練習に付き合ってもらおうかなぁ・・・」

「あ、それはいい考えですね!!」

「確かに。今日みたいに充実した訓練が、毎日できるかも!!」

「教わることも、多そうです・・・・」


 会員たちの反応を見て、レラは再び考える。


「本気で、次はベイ君を口説いてみるかなぁ・・・」


 レラの中で、ベイへの興味が少し大きくなった・・・。



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