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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第ニ章・二部 入学と新たな挑戦
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聖魔級への進化

 フィーと召喚石の発する光によって、俺達は光りに包まれていった。巨人からの攻撃も止んでいる。この光で、相手も警戒しているのだろう。少し距離を取ったように感じる・・・。


「・・・・・、フィー・・・」


 強烈な光が止んでいく。その光は、今まで感じた進化の光の中で1番大きなものだった。フィーの忠告通り、ミズキの能力で熱の変化を消していなければ、俺は内側が燃えていたかもしれない・・・。


「・・・・・」


 ゆっくりとフィーは目を開けた。フィー自体は、そんなに変わってはいない。だが、着ている衣装や、まとっている雰囲気がいつもと違っていた。今まで可愛さのあった白い服は、どこか神々しく神聖な雰囲気をフィーから感じさせる衣装になっている。全体的に白を中心に、軽い装飾が施され。フィーの周りを全ての属性の魔石が浮いて、囲んでいた。


「グ、グオオオオオオオオオオォォォォォォォ!!!!!!!!!!!!!!!!」


 警戒の必要がないと感じたのか、巨人が再度攻めようと俺達に向かって拳を振るう!!!!!


「グガアアアアアァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!!!」

「・・・・・」


 俺達が身構える中、フィーは腕を前に突き出して拳を握り・・・・。巨人の拳目掛けて突っ込んだ!!!!


「フィー姉さん!!!!」

「・・・・・・」


 巨人と、フィーの拳がぶつかる!!!!!!大きな音と、衝撃波が起き、周りを包んだ!!!!!!!!2つの拳は、お互いを押し合うようにぶつかり、両者とも後ろに弾かれる!!!!!


「・・・・・あの攻撃を、フィー姉さん1人で凌いだ・・・・・!!!!!」

「・・・・、さすが姉さんと言うべきか・・・・・・」


 ミルクも、レムも信じられない、とでも言うような声で言う。弾かれ、俺達の近くに戻ってきたフィーの拳は、まるでミルクのガントレットのように土で覆われていた。・・・・でも、その大きさはミルクのよりスマートで、どちらかと言えば、一体化した俺達の腕に近い形をしている・・・・。


「グガガ・・・・!!!!!!!」


 流石に、巨人も警戒をし直したのか。今度は、いきなり殴りかかってくるのでは無く。魔法で牽制をし、それに続ける形で、フィーに拳を振るった!!!!!!!!


「・・・・・、ふぅー・・・・・・・」


 フィーは一息吐いてから、腕を前に突き出す。迫り来る巨人の放った隕石群に向かって、フィーの周りの魔石が、円を描くように回転し始めた。魔石から、それぞれの属性の魔法が飛び出し、隕石を破壊していく!!!!!!


「ウガアアアア!!!!!!!!!!!!」


 フィーはそのまま隕石を破壊し終えると、巨人に向かって魔法を放ち続けた!!!!!だが、巨人は止まる気配を見せず、8本の腕全てでフィーを押しつぶすように、拳を振るう!!!!!!


「させるかよ!!!!!!」


 俺達は相手の横に回り、魔力を剣に乗せ、近距離から攻撃を命中させた!!!!!!


「グガアアア・・・!!!!!」


 大きく巨人は衝撃で体制を崩し、フィーへの攻撃がそれる。そこに、フィーは追撃とばかりに近接攻撃を行った!!!!!


「グガアアアアアアアアアア!!!!!!!」


 攻撃を受けた巨人は、慌てて後ろに飛び退いた。フィーを見ると、俺達が持っているのと、どこか同じような剣を出している。どうやら、それで攻撃したようだ。そのまま、フィーは剣に魔力を流し、威力を高めている。


「・・・・・むぅ・・・、フィー姉さん・・・。やばいくらい強くなってますねぇ・・・」

「そうだな・・・。たった一人で、今の我々と大差ない強さなのではないか?」

「いや、大差がないというか・・・・、あれは、そのままじゃないですかねぇ・・・」

「・・・と言うと?」

「今までのフィー姉さんは、我々の能力と魔力を使うために、それぞれの魔力に合わせた形態変化をすることで、その使用を可能としてきました。しかーし!!!!!今のフィー姉さんは、見る限りそんなめんどくさい形態変化をしなくても、我々の魔力や能力が使えるようです!!!・・・・・つまり、フィー姉さんは今、1人で我々全員分の力が出せるといっても、差し支えないんじゃないでしょうか・・・」

「私達全員分の・・・。つまり、常に一体化している状況と同じというわけか・・・・」

「まぁ、分かりやすく言うとそうなるでしょうね・・・・」


 ふーむ。ということは、今のフィーの進化で、うちの戦力は二倍近く上がったことになるのか・・・・。それはすごいなぁ・・・・。


「・・・・いえ、ミルク、それは少し違います」

「え、違うんですかフィー姉さん・・・!!」

「ええ。確かに、今の私は皆の力を合わせて使える。一体化した状況に近いというのは間違いではないです。ですが、あなた達がそれぞれ持っている個々の特性というものまでは、完全に持つことが出来ませんでした。ミルクであれば、元からある腕力、レムであれば、強力な鎧の生成。という風に、今の私は完全にあなた達を合わせた状況に近いとはいえますが、どこかが足りない、そう言う実力になっているんです」

「そ、そうなんですか・・・!!!」

「ええ、その証拠に・・・・」


 フィーが全身を鎧で包む。それは一体化した俺達に近いようで、どこか違う鎧だった。全体的にスマートで、羽も生えていなければ、水の髪も出ていない。


「このように、今のあなた達が一体化した鎧と、私の鎧とでは違いが出てしまいます。全てを同時に扱っているせいかも知れません・・・。勿論、以前の私よりは強くなっていますから、不満はありませんけどね・・・」

「なるほど・・・。いや、でも1人で今のあいつを相手にできるなんて、すごいですよフィー姉さん・・・!!!!」

「ありがとう・・・。でも、この力でもまだ不安がありますね・・・・・。マスター」

「ああ、もう大丈夫かフィー・・・?」

「はい、一体化しましょう・・・!!!!!!」

「分かった、・・・・・行くぞ!!!!!!!!!!!」


 先程から、魔法で牽制していた巨人に向かって、2人で魔力を込めた剣の一撃を放つ!!!!2つの魔力が合わさり、腕で攻撃を防いだ巨人を少し後ろに押し戻した!!!今のうちに、フィーの召喚を戻し、一体化を行う・・・!!!!


「うおおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 体の底から力が湧き上がる!!!!!!俺達の鎧はまた一回り大きくなり、見た目もより凶悪になった。背中には、噴射口の代わりに全属性の魔石が円形の装飾となって張り付いている。見た目でも、その力の違いを想像できるが、その力の違いを1番感じているのは俺達だった。


「何と言うか、いつもと違いませんか?勿論、パワーもですが・・・?」

「ああ、そうだな。何がとは、私も言えないが、たしかに変わっている気がする・・・」


 俺も、ミルクやレムと同じような感想を抱いていた。皆も同じらしい。何と言うか、今までの一体化は、強大な鎧を着ているという感覚があった。だが、今はまるで自分の体のようにしっくりきている。


「皆の感覚を、私の方でより馴染むように調整しました。これで前より、少しいい動きができるはずです」


 なるほど、フィーがやっていてくれたのか・・・。この感覚に、このパワー。これなら行ける・・・!!!!


「さぁて・・・!!!!決着をつけるぞ、皆・・・・!!!!!!!!!!!」

「「「「「「「「「「「はい!!!!!!!!」」」」」」」」」」」


 俺達は、巨人に向かって剣を構えた!!!



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