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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第ニ章・二部 入学と新たな挑戦
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攻略戦

「ちっ・・・・!!!」


 無数の隕石が、俺達目掛けて飛来する。無差別に放たれているのか、後ろに残っていた魔物の群れも断末魔をあげ、潰されていった。


「おりゃああああ!!!!!」


 魔法を連続で放ち、魔法で強化した武器で砕くことによって、どうにか俺達は隕石を凌ぎ切った。ミズキだけは楽々と回避したようだ。


「腕の攻撃が来るぞ・・!!!!」


 隕石をなんとか凌いだ俺達を、立て続けに巨人は攻めてくる。8本の腕がそれぞれ俺達をつぶそうと迫るが、回避に集中すれば躱せないことはない。


「よっと!!!無駄にでかい腕ですねっと・・・!!!」


 皆、躱しきると同時に巨人の腕に向かって攻撃を放つ。皆の気合を入れた攻撃が、それぞれ巨人の腕に炸裂し、骨折、指の切断、大きな切り傷などのダメージを与えるが・・・・。


「グオオオオオオォォォォォォオオオオオ!!!!」


 巨人の雄叫びと同時に、傷の修復が始まる。8本の腕が同時に修復していき、切断された指も、折れた腕も、瞬時に元通りとなった。


「くっ、面倒な!!!ご主人様、あいつの回復の妨害は出来ないんでしょうか?」

「実はさっきからやってるんだが・・・・、相手の回復にかける魔力集中量が、俺の魔力展開量より多い。相殺させても、残った魔力が相手の傷を回復させてしまう。焼け石に水状態で、完全に防ぐのは、今は無理そうだ」

「ご主人様の魔力展開量より多い魔力とは・・・・。生意気な奴ですね・・・!!!」


 ミルクが、巨人目掛けて飛び上がる。巨人が放った隕石を砕き、巨人の拳を、ガントレットを使って逸らすことによって、巨人への急接近を成し遂げた。


「ならば、急所だと思う所を攻撃して、一撃で仕留めるまでです!!!!」


 更に迫る巨人の拳を躱し、その腕を足場にして再加速!!!ミルクは巨人の頭目掛けて、拳を叩き込もうとした・・・・!!!


「グオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!」


 その時、雄叫びとともに、敵の仮面の表情が変化した。憤怒の顔から、無表情のような、のっぺりとした顔つきになっている。すると、巨人の仮面から、無数の棘が伸び、ミルクを突き刺そうと勢い良く迫った!!


「な、なんですと!!!!!」


 突然のことに慌てながらも、ガントレットで、何本かの刺を砕きながらミルクは攻撃を凌ぐ。だが、その為に、接近する威力をそがれ、ミルクはその場から落下した。


「うわあああああああああ!!!!!!」

「・・・よっと!!!大丈夫、ミルク?」

「フィー姉さん!!ふぅ、助かりました・・・」


 落下するミルクを、素早く、フィーが受け止める。だが、その2人に巨人の拳が再び迫っていた!!


「危ない、フィー姉さん!!!」


 ミルクが巨人の拳に向かって、土魔法の槍を撃ち、その攻撃を止めようとする。


「・・・・・・・」


 すると、巨人の腕の周りに土の魔力が集まり、ミルクの攻撃を防いだ。その魔力は、巨大な狼の顔の形となって、巨人の腕を包む。


「な、なんですかいったい!!!」

「くる・・・!!!」


 巨大な狼の顔は、そのまま2人を噛み砕こうと、口を開けて迫った。ミルクが飛んで、狼の顔を殴るが、狼の顔はぐにゃっと柔らかく曲がり、ミルクの攻撃を吸収する。


「な、なんですと!!!!」


 そのまま、形が変形し。ミルクが殴った部分から新たな口が生え、ミルクを噛み千切ろうと迫った!!


「危ない・・・!!!」


 フィーが、ミズキの水の糸を使い。狼の口の動きを止め、その間にミルクを救い出す!!!水の糸に動きを封じられていた狼の口だったが、そのまま、力に任せて水の糸を引き裂いた!!!!


「・・・!!!!私と同じ力の糸を、無理矢理!!!」

「・・・・まともに一撃喰らえば、私達でもすぐに召喚解除されてしまうかもしれんな・・・・。気をつけろ!!!!!敵の攻撃が、多種多様になってきている。無理をして、攻撃しようとするな!!回避を重点的に考えろ!!!」

「分かったわ・・・・、よっと!!!」


 レムの号令で、皆が巨人の腕に魔法主体での、遠距離攻撃をし始める。だが、敵は土魔法で他の腕にも狼の頭を発生させ、どんどん複雑な攻撃をし、皆を追い詰める。その上、皆が与えたダメージは、敵の回復魔法によって、瞬時に回復されるので、このままでは、こちらが押しつぶされるのは時間の問題だ・・・・。


「・・・ミエル、シスラ、サエラ、シゼル、シデン!!!!力を借りるぞ!!!!!!」

「(え、でもあれは、レムがいないとできないんじゃあ・・・)」

「安心しろ。フィーのお陰で、俺自身でも出来る!!!いくぞ・・・!!!」

「(え、ちょっとご主人様、何のお話・・・・!!!)」


 シデンが言い終える前に、俺は一体化を発動する。ミエルの全身鎧が俺を包み、背中には合計八枚の白い翼が生えた。ミエルの武器であるハルバードは、一回り大きくなり、腕には矢を飛ばすための射出口が形成される。腰回りに、2個の電撃を帯びた紫の鎖が付き、それがベルトのように腰に巻き付いた。


「おおおおお!!!!!これが一体化っすか!!!!」

「すごいパワーです!!!」

「私達、5人ですでにこのパワーとは・・・・」

「ご主人様、これはいったい・・・・?」

「説明は後だ。まずは、目の前の敵に俺達の力を見せてやらないとな・・・・!!!」


 俺は、巨大になったハルバードを巨人に向かって構える。


「・・・・・・・・・、わーーーーーーーー!!!!!!!!!!私の鎧がベイさんを包んでるうううううううううううううううう!!!!!!!!!!!!!!!!嬉しいいいいいいいい!!!!!!!!!!!でも、なんか恥ずかしいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!」


 ・・・・・・、ミエルの嬉しさまみれの絶叫で、なんだか勢いが少し削げた・・・。


「ミエル様。この状態の時は思ってることがストレートに相手に伝わるんすから、今はそう思っても、出さないようにしないと・・・・」

「あ・・・・、確かに、ベイさんが気落ちしたのが分かる・・・。でも、その・・・、抑えられなくって・・・・」

「・・・・まぁ、ミエルが喜んでくれたなら俺も嬉しいよ・・・。でも、今は皆が追い詰められている!!俺達で何とかしよう!!!!!」

「・・・・はい!!!!」

「ご主人様、私は何をすればいいのですか?」


 うん?シデンがかぁ・・・。そうだなぁ・・・・。


「腰の鎖を操って攻撃してくれ・・・!!」

「かしこまりました・・・!!こん!!!」


 さて、これでいいかな・・・・。俺は再び武器を構え直し、巨人の片腕目掛けて突っ込んだ・・・!!!!


「え、主様!!!」


 片腕と戦っていたカヤが、俺達に気づき、そう言葉にする。だが次の瞬間には、俺達はカヤが手間取っていた狼の頭を、一振りで真っ二つにしていた!!!!


「グギャアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!!」


 巨人の口から悲鳴が上がる!!!!切った片腕の土魔法が解け、狼の頭が崩れ落ちる・・・。だが、すぐに半分になった腕の再生が始まった・・・。


「・・・ちっ!!!!」


 どうやら、まだこの形態でも相手の治癒魔法を相殺し切るのは無理らしい。遅らせることはできるが、またゆっくりと、巨人の腕はくっつき。再生した。


「この力でも、まだ防げないなんて・・・!!!」

「ご主人様は、いつもこうやって魔法を消してらしたのですね・・・。勉強になります」


 シデンの教育にも役立ったようだが、結果的には再生を防げなかった。あと少しのような気もするが、このまま攻撃を続けていけば、もしかして今の形態でも倒せるんじゃないだろうか?そう、俺が考えていたその瞬間・・・・・・・。


「・・・・・・」


 周囲の大気が震え始める。巨人の周りに、とてつもない魔力が集まり、その体を変化させていく・・・・。


「な、なんだ・・・・!!!!」

「ご主人様、また岩を・・・。今度は全身に纏って・・・・」

「いや、違う、あれは完全に皮膚が変化している・・・。纏っている訳じゃない・・・!!」


 巨人は、強固な岩の塊となった。仮面だった頭が完全に同化し、1つの岩の巨人となる・・・。その攻撃的な見た目から、俺達は戦いが次の段階に進んだのだと思い、全員が嫌な予感を胸に抱いていた・・・。




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