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召喚魔法で異世界踏破  作者: 北都 流
第ニ章・二部 入学と新たな挑戦
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土属性神魔級迷宮・湖

 出来るだけ俺達は、中央目指し真っ直ぐに進む。途中で会った、巨人型魔物の集団、昔を思い出す、モグラのような魔物に、鷲のような大型飛行魔物3体、他にも色々な魔物に襲われながら、ようやく俺達は、中央と思わしき場所に到着した。


「・・・・ひどい光景だな・・・」


 そこには、大型隕石でも落ちたかのようなクレーターがあった。だが、ひどいのはそこではない。ここから見る限り、この馬鹿でかいクレーターの中心には湖がある。この湖もかなりの大きさだが、それに群がるように、多種多様な魔物が集まり、殺し合い、水を飲もうと湖に近づいていた。クレーターの中は、魔物の死体と血で、一部が赤く染まっている。だというのに、中央の湖は汚れすら無く、綺麗なままだった。


「・・・・・、いつもならボスが居る所は、別の魔力で覆われているはずだが・・・。ここも例外的な場所なんだろうか?」

「かも知れませんね・・・。かなり異常な魔力量を、あの湖から感じます・・・。ボスが居るのは、あそこで間違い無さそうですね、マスター」

「ああ、俺にもこの距離なら確認できる・・・。下にいる魔物連中も気づいているだろうが、水の為にやむなく近づいているという感じか・・・・。ここまで、木は愚か、川すら無かったからな・・・。貴重な、水場なんだろう」

「地獄に近い水場みたいですけどね・・・。あの中を突っ切るのは骨が折れそうです・・・」


 確かに、この中の全ての魔物を相手にするのは、出来なくは無いがきつそうだな・・・。ミエル達を戻して、突進力のある皆で、目的地の湖にさっさと辿り着くほうが楽だろうか?


「だがミルク、中央についてボスと戦うとしても、やはり周りの魔物が邪魔になるんじゃないか?」

「ああー、それはありそうですね・・・・。その時は、ミズキの睡眠ガスでパパっと何とかなりませんかねぇ?」

「出来なくはないと思うが・・・・。なんせこの広さだからな、全体を覆うには少し時間がかかる」

「それで十分だと思いますよ。なんせ、自分達で殺し合ってるわけですし。我々を、一斉に狙ってくるわけじゃないでしょうから、少し時間がかかるくらい問題ないでしょう・・・」

「・・・・・よし、ミエル達は、一旦召喚を戻し、そのまま俺と、残りの皆で一気に中央に向けて突き進む

。ミズキはその間に、周りの無力化をしながら進んでくれ」

「承知」


 シスラ達が、クレーターの下を覗きこんでいる。


「確かに、あの中を突っ切るのは、私達にはきつそうっすね・・・」

「今回は、仕方なけど・・・。次は、それぐらい出来るように、頑張りましょう!!」

「そうですね。・・・・しかし、この数を相手に・・・・。進化でもっと強くなるよう、心構えをしておかねば・・・・」


 ミエルも、シスラ達と同じ意見のようだが、それぐらい出来ない自分に悔しさを感じているようだった。俺は、ミエルに近づき、頭を撫でる。


「ベイさん・・・」

「ミエルはまだ強くなる。今は我慢だ・・・」

「・・・・はい!!」


 今のミエルは、まるで望まぬ進化をしたミルクみたいだ。自分にないものを求めて、必死にあがこうとしているように見える。なら、俺ができることは、それを応援し、そのことで無茶をさせないようにするだけだ。撫でることで、ミエルに笑顔が戻る。心の負担を、少しでも軽く出来たようだ。よかった。


「よし、じゃあ、行くか。何が起こるか分からない。全員、離れずついて来いよ!!」

「「「「「はい!!!」」」」」


 ミエル達を、召喚解除して、フィー、レム、ミルク、ミズキ、カヤ、俺で陣形を組む。先頭をミルク、次にミズキとレム、俺とカヤ、最後にフィー。この陣形で、敵の中に切り込むことにした。


(「ご主人様、皆さん、ファイトですわ!!!」)


 シデンも、少しでも皆の力になろうと、応援してくれている。


「ああ。・・・ミルク、じゃあ頼む」

「了解です!!では、行きます・・・!!!」


 ミルクを先頭に、俺達は、魔物の群れ目指して駈け出した。何体かの魔物がこちらに気づくが、周りの魔物に気を取られていて反応が遅い。


「よっとおおおお!!!!!!!」


 ミルクの拳の一撃が、進路上にいた魔物に炸裂する。その魔物は、後ろにいた魔物を巻き込んで吹き飛び、俺達がこの戦場にやってきたことを知らせる轟音を響かせた。また、何匹かの魔物が、俺達を警戒して、攻撃をしようと近づいてくる・・・。


「悪いが・・・」

「通してもらう・・・!!!」


 レムが、闇魔法を撃ち、群がろうとする敵を尽く撃ち倒す。ミズキも、睡眠ガスを巻きながら、手裏剣を放ち、爆発で辺りの魔物を殲滅していった。


「俺も、負けてられないな!!」

「あたしも頑張ります!!!」


 俺とカヤも魔法を撃ち、周りの魔物を出来るだけ減らしながら進む。


「後ろは任せて下さい!!」


 後ろから、俺達を追いかけようとしてくる魔物を、フィーが土魔法で串刺しにする。こうすることで、俺達は魔物の群れを無傷で突っ切り、目の前に湖に到着した!!


「・・・さて、着きましたけど、ボスはどこに・・・・」


 ミルクがそう呟くと、クレーターの淵に、強大な魔力の壁が出現した。その魔力はクレーターを覆い、まるで侵入者を逃がさないようにするかのように、形成される。


「・・・・来るぞ!!!!」


 目の前の湖から、巨大な腕が出てきた。地面に亀裂が走り、地形が変化していく。


「皆、こっちに・・・!!!」


 1つの位置に固まり、俺達は土魔法で地面を固めて、その変化をやり過ごす。だが、俺達の目の前には、あまりにも大きな魔物が、姿を現しつつあった・・・・。


「・・・・・でかいにも程がありませんかねぇ・・・・」


 ミルクが言うように、凄まじくでかい。その手のひらだけで、俺達、全員が乗れそうだ。そいつは上半身しか、地面から出てきていないが、人間のような腕が合計8本。見ただけで、パワーが有るだろうという胸をしており、頭には、まるで仮面のような、憤怒の表情の石の面を被っていた。


「・・・・すごい威圧感だな・・・・」

「ええ、目の前にしただけですが、その強さが異質であることがよく分かります・・・。これまで、対峙してきたどの魔物とも違う・・・。さすが、創世級に近いと言われるだけの事はありますね・・・」


 見た目の印象は、まるで偶像などで見るような神に近かった。実際、その力を近くで感じるている俺からすれば、そう言われても納得しそうでもある・・・。普通の人間なら、睨まれただけで死ぬんじゃないだろうか・・・。


「おっと、そろそろ来ますかね・・・・!!!」


 目の前の巨人は、大きく片腕を振りかぶると、虫でも潰すかのように、俺達に向かって拳を振り下ろす。


「・・・面白い!!!」


 ミルクも、相手の拳目掛けて飛び上がり、己の拳を叩きつけて、相手の何倍もでかい拳を迎撃した・・・・・!!!!


「・・・うぐぐ、うわっと!!!!!」


 互いの拳が激突し、周囲に轟音が響く!!!!!!相手の拳を静止させるまでに、ミルクの打撃の威力は高かったが、最終的には、ミルクが相手の拳の威力に弾かれた・・・・!!!!


「ぐわわ!!・・・いててて!!!」


 俺達から、少し離れたところにミルクは着地する。殺しきれなかった、相手の拳の威力によってミルクの周りの地形は、大きく凹んでいた。


「大丈夫か!!ミルク!!!!」

「大丈夫でーす、ご主人様!!!!見てください、相手も無傷じゃありませんよー!!!」


 ミルクが言った通り見ると、相手の巨人の腕から、所々血が噴き出している。ミルクの打撃によって、腕の血管が破壊されたのだろう。さすがミルク、と言いたいところだが・・・・・。


「・・・・・血が、・・・止まった?」


 すぐに、巨人の腕の傷が修復していく。・・・・こいつ、これだけパワーもあるのに、回復魔法持ちか!!!!


「グウオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 巨人の雄叫びがあたりに響く、大地は震え、周囲に巨大な土魔法の隕石が大量に出現し、俺達を狙っていた。


「・・・・ここから、本番ってところか・・・」

「やりましょう!!マスター!!」


 俺は、皆と目を合わせる。間違いなく、目の前の巨人は今まで戦ったことのない強敵だ!!俺達全員が、魔力を使って己を強化していく。訓練の成果を、初めて全員が全力で出せそうだ・・・!!!無数の隕石が俺達に放たれ、俺達を襲う。こうして、俺達と巨人の戦いが始まった!!



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