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魔法使い

 魔法使い、だれでも一度位は憧れたことがあるかもしれない。


 しかし、みな知っている魔法使いなどいないと、そして魔法使いになりたいなどということは歳を重ねるごとになくなっていくものだ。


 だが、逆に考えてみよう、もし本当に魔法使いと呼ばれるものがいるとしたら。


 僕の住んでいる街は他の街となんら変わりはない。

 街には車や電車などが毎日のように忙しく働いてる、無論僕達人間のためなのだが。

 そうここは普通の街なのである。


 ただ、この街が他と違う所がないと言うわけでは決してない。

 僕達が住む街の人口は約1万人ととても少なく、なおかつある家系によって実質統治されている。


 なぜ、統治されているのだろうか。


 それは簡単な話である、ここには、魔力の帯びている場所があるからだ。

 僕達の間ではそこは神霊地と呼ばれている。


 神霊地には莫大な魔力があり、その魔力を得ようとする魔物達がたびたび神霊地に居座ろうとする。

 だが、魔物がここに居座るということは周りにいる人々にも支障をきたす恐れが高いのだ。


 しかしながら、今までに魔物によって殺されたという事例はあまりない、なぜなのだろうか、それは簡単である、その魔物を狩る仕事、みなが言う魔法使いと呼ばれる物がこの街にはそんざいするのだから。


 そして僕はその魔物を狩る家系、つまり、神宮家の人間だ。


 「響、そろそろ学校に行く時間よ、早く支度して行って来なさい」

 「分かってるよ母さん」


 僕はそういいながら支度をし家をでた。

 僕は魔法使いの家系であるが一般の学校に通っている、僕にはどうやら魔法を扱う才能がないらしく一般人として過ごすほうがいいらしいのである。


 なぜなら魔物と戦う事によって命を落とすことがもちろんある、そして僕みたいな人が前線に行っても迷惑をかけるだけなのである。

 そういうことは、次期当主である兄に任せておけば問題ないのだ。


 学校までの距離は徒歩10分と言ったところだろうか、平均的に言えば学校までの距離は近い。


 「よぉ、今日もしけた面してるな」

 「そうかな?」

 

 今話しかけてきたのは同じクラスの登園 颯太という男だ。


 「お前さ、もう、魔法を習おうとは思わないのか?」

 「そうだね、僕には向いてないみたいなんだ」

 「そうか、残念だな」


 神宮家の他にも魔法を扱い神霊地を守る家系は存在する。

 颯太は登園家の次期当主である。

 登園家とは、魔法を扱う家系の一つなのだ。

 

 この街には四天王と呼ばれる四家が存在する。

 まずは、この街最大の権力を持つ神宮家、そして颯太の登園家、あとは大鷲家、月見家が存在するのだ。


 この四家が神霊地を毎日交代制で守っている。


 「んじゃ、また後でな」

 「うん、またね」


 そう言いながら僕と颯太は別れた。


 今日はなんだか嫌な天気だ。

 

 そんなことを思いながらクラスに入っていった。

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