魔法少女がゆく(六百文字お題小説)
沢木先生のお題に基づくお話です。
「魔法」と「どっこいしょ」をお借りしました。
飛び入り更新です。
りったんは五百年もの長きに渡り魔法少女を続けている超ベテラン。
困った人を見つけると呼ばれてもいないのにピュウッと飛んで行き、頼まれてもいないのに助けてあげるのだ。
ある日の事。
お空の上からりったんが下々の者の世界を眺めていると小さい女の子が泣いているのが目に入った。
「早速見つかったりんこ。助けに行くりんこ」
完全に誰かのパクリのような語尾を撒き散らしてりったんはどっこいしょと魔法のほうきにまたがると、汚いパンツ丸見えの赤チェックのプリーツスカートをヒラヒラさせて飛んだ。
「何を泣いているりんこ?」
りったんはヒラリと女の子の前に降りて尋ねた。
女の子はりったんが空から降りて来たので酷く驚いていた。
ちょっぴりちびったかも知れない。
替えのパンツはあるかな? 女の子は心配になった。
「お母さんに叱られて家を追い出されたの」
女の子はそう言うとまた泣き出した。
「そんな事で泣くような子に育てた覚えはないりんこ」
りったんは言った。すると女の子は泣くのをやめて、
「おばちゃんは私のお母さんじゃないもん」
「ばれたりんこ」
りったんは可愛らしさの欠片もない仕草で舌を出した。
そして人差し指で女の子の鼻をチョンと突く。
「私はおばちゃんじゃなくてお姉ちゃんだりんこ」
りったんはガハハと笑うとほうきにまたがって飛んで行ってしまった。
「何?」
女の子は唖然としてしまい、泣くのを忘れた。
こうしてまた人助けをした魔法少女りったんである。
もう何だか本当にすみません。