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攫い屋「梟」(仮)

作者: 琥太郎

一部残酷な描写っぽいのがありますので読む際はご注意ください。

ジャンルがどれに該当するのかわからなかったのでとりあえずファンタジーで

思いついた設定を元に、プロローグ的なものを書いてみました。



 ―序章―


 コツッ コツッ

 ガラス戸がつつかれている。時計を見ると午前2時。戸を開けると、小さな手紙を咥えたカラスが一羽ベランダにいた。

 「ご苦労さん」

 今日も鳥が僕の部屋のベランダへ手紙を運んでくる。

 「はぁ・・・また服部さんか・・」

 ため息をつきながら、重たい黒いベストを身につけ、ベランダへ出る。

 ベランダの隅にあるごちゃごちゃした機械を背負い、ためらいも無く漆黒の闇へ身を投げる。此処は29階建てマンションの最上階。身を切るような風の抵抗を感じながら、背中の機械から伸びる取っ手を引くと、音も無く大きな黒い翼が広がり優雅に羽ばたく。

 「最高の夜だ」

 月明かりもない真っ黒な空を飛び、静まり返った町を見下ろす。

 向かうのは、郊外の住宅地。

 

 「あいつか」

 ふらふらと歩く人間を一人見つけた。酔っ払いのようだ。

 取っ手についたボタンを押すと鋭い鉤爪が飛び出す。それを構えながら、らんらんと目を光らせ、闇を滑り落ちるように男へ急降下する。

 男の背後から爪を深く背中に食い込ませ、空へ連れ去る。

 

 仕込まれた麻酔でぐったりとする男に気を使うことも無く、また空の旅を楽しんでいると、前方に真っ二つに割れた山が姿を現す。

 双山。

 そう呼ばれているこの山の頂上にある薄汚れた廃墟の屋上に降りる。

 

 「お疲れー。今晩の獲物はどうかな?」

 この場所の雰囲気に一つも似合わない楽しそうな声。服部さんだ。

 「んーまあまあ若いじゃん。さすがはコノハ君♪ はい!これ今夜の分。」

 差し出された封筒の中身を確認する。ざっと40~50というところだろうか。

 「じゃあこれで。」

 そう一言だけ言い、崖から夜の闇へ飛び立つ。すると後ろから、

 「あー、最近また狩られてるみたいだから気をつけてね!」

 とこれまた明るい声をかけられる。


 狩り。それは僕のような人間を対象に行われるいわゆる駆除作業だ。政府に雇われた様々な人間が殺しにくる。テロリスト、殺し屋、ヤクザ、一般人なんでもありだ。

 その理由は、僕たちに賭けられた高額な懸賞金。人一人が遊んで暮らせるほどのその金額に目がくらんだ愚かな人々に命を狙われながらこの血にまみれた仕事を続けている。

 理由は・・・


 「起きなさい!!!!!」

 けたたましい目覚ましに飛び起きる。一瞬考え、時計を見て気づく。遅刻だ。目にも止まらぬ速さで着替え、カバンに机の上の物を詰め込む。

 「行って来ます!」

 「気をつけるのよ!」

 寝癖も気にせず飛び出し、エレベーターのボタンを意味も無く連打する。


 僕は深山木葉みやまこのは。私立高校の2年。朝は苦手だ。


 エレベーター内で身だしなみをできるだけ整え、自転車をかっ飛ばす。

 日差しはすがすがしく、街はすっかり夏を迎えようとしている。


 橋を渡る途中、河川敷に大きく地面がえぐれた後と何台かの車のタイヤ痕が目に入った。

 おそらく誰かが狩られたのだろう。打ち落とされ、運ばれた。そう直感的にわかった。

 手紙は来てなかった・・・だとするとこの町の人間じゃないのか?

 ぼーっと考え事をしながら学校へ着き、すでに朝のHRは終わっていた。だが、いつもと様子が違う。

 

 「なんかあったの?」

 隣の席の浅田に聞く。

 「ああ、転校生だってよ。」

 なるほど・・・と思っていると、先生と1人の生徒が教室に入ってきた。 ・・・女子だ。

 「よーし、じゃあ転校s・・・おお、深山も来たな。よし、じゃあ自己紹介。」

 

 「矢野鈴芽やのすずめです・・・。よろしくお願いします。」

 その子はおびえたような目で、そう弱々しく挨拶した。


 じりじりと、初夏の太陽がまぶしい日だった。

小説を書くのがはじめてなので、至らない点が多々あると思いますが、意見等いただけたら泣いてよろこびます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 本当に小説を書くの初めてなんですか? とてもお上手なのでびっくりしました(^^) [気になる点] 悪い点はありません。 でも、転校生の女の子の描写が欲しかったかも、です。 初めて人物を登…
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