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久遠の重力  作者: めざしと豚汁


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22.帰還

翼神はしばらく口を開かず断崖の小路を歩いた。白と蒼の鮮やかな世界。ボクは灰色の現実に戻されるのは嫌だと翼神に縋ってみようかと考えながらぼーっと歩き、立ち止まった翼神にぶつかった。


「わわわ!ごめん…なさい」

「ああ、ここはレイヤー相違がないからな」


知らない間に岬の先端に来ていた。足元には愛の都が広がり浜辺にはボートやヨットがたくさん浮かんでいる。


「あのさ、翼神…」

「残りたいか」


また心を読まれた。


「ダメ…かな…」

「ダメだ」


やっぱりそうか…………。


「だが、君は新世界と自分を見つめて私の予想を超える理解を見せた。その年齢と僅かな時間でよくぞ達した。」

「慰めてもくれるんだ」

「いや、そんなつまらない感情はない」


ないのかよ。


「人類は病気の未成年者に限り電脳化を容認している」

「ボクは健康だよ?残念なのかわからないけど」

「私からすれば袋小路に入った病人だ。人類が死に至る病と診断しているものだ」

「…気持ちは嬉しいけど、無理だよ。誰にも言えないしボクも認める勇気がない」

「君にしかできない選択だ。方法はもう一つある」

「何?」

「保護者の電脳化に同行なら年齢は問われない」


ボクには盲点だった。両親を巻き込んで…いや、新世界なら母さんだって父さんだって自由になれる。


「そうだよ!ボクのように見学したら分かってくれるはずだ」

「よく話し合えばいい。ネオンが配信の約束をしていたな。助言が必要ならばその動画の最後に機会を設けよう」

「分かった」

「時間だな。光の門」


目の前に眩い大理石のゲートが出現した。


「さあ、行け」


翼神に礼を言おうとしたがすでに姿はなかった。ボクはもう一度見渡して風景を目に焼き付け、プールに飛び込むような気持ちで息を溜めてゲートに入った。



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