第八話 5歳になりました!協会に行きます!
今日で生まれて早5年。
俺は5歳になりました!長かったような短かったような感覚だ。
あれからもずっと父さんとの授業は続いていて、陰陽術の他体術も学んでいた。
陰陽師は体力や忍耐力も大切なのだ。長時間敵と対峙したり時には逃げたりする。
その他にもずっと毎日欠かさず霊力を限界まで使い、全盛期の3割程度は取り戻した。
目標までの道のりはまだまだ長い。
余談だが俺の容姿はめちゃくちゃ良かった。
3歳の頃からイケメンだなって思っていたが…
父さん譲りの全体的に甘い顔立ちに少し癖のある髪。父さんと同じところに泣き黒子があり髪色と瞳の色は母さん譲りの漆黒。5歳児にしては凛とした佇まいに憂いの帯びた雰囲気。まだまだあどけなさがあるが、それもアクセントになり可愛らしさを出している。
……これで5歳???成長したらこれ以上だろ??
マジかよ…
母さんと父さんの良いところが全て俺に反映されていた。
これは(顔が)将来有望だな!
そんな事を思っていると玄関の方から母さんの呼ぶ声がする。
「燿蓮〜〜!お出掛けの準備はできましたか〜?」
自分の容姿に想いを馳せるのは一旦置いておいて、急いで玄関に向かう。
そこには父さんもいた…2人とも既に靴を履いていた。俺も靴を履き準備を整える。
「よし!準備ができたな!それじゃあ皆んなで出掛けるぞ!」
ガチャリと玄関の扉を開く…庭にはよく出ていたが本格的に家から出るのは初めてだ。
何故なら陰陽師の子供は怪達に狙われ殺されて喰われる…死亡率が高いからだ。陰陽師の子供霊力を一般の子供より沢山ある上に戦えず無抵抗なので食べ物として適している。だから怪避けや目眩しが掛かっている家から殆どの子供は出ないのだ。
俺も保育園や幼稚園に通わず、ずっと家にいた…
多分小学校も自衛が出来るようになるまで余り通わないだろう…登校せず通信だ。陰陽師の子供のために全国の小中学校はそんな対策を立てている。
……まぁ陰陽師の卵がいるだけで学校も狙われて、一般生徒まで影響が出る可能性は非常に高い。
俺としては陰陽師の訓練が出来るから、全然家にいても構わない。寧ろ家にいたい。
「燿蓮は初めて協会に行くね!母さんも同じよ!」
母さんは陰陽師ではない為そのような機関に行くのは勿論初めてだ。
「楽しみか燿蓮?」
「すっごく楽しみだよ!」
そう…俺は凄く楽しみなのだ。単に外に出るのが嬉しいとか協会に行けるとかでは無い。
「今日は霊力の測定もあるからな…緊張するな…」
何故か父さんの方が緊張しているが…
なんと霊力の測定があるのだ。陰陽師の家の子供は皆5歳になったら協会に行き霊力を測定する義務がある。そこで推定の階級が分かり、試験の時にも反映される。
この5年間の集大成がわかる日!!楽しみにするなと言われる方が難しい。
「じゃあ皆んなでお車に乗りましょうね!」
母さんの声を聞きながら車に乗り込み発進する。
家から離れるにつれてどんどん力の弱い怪が増えていく。
やはり怪が平安の世より段違いに多い。
何故ここまで増えたのか疑問に思いながらも、家族団欒の時間を過ごす。
あっあれは飛行機!!あっちは船!!大っきい車も走ってる!たしかトラックだっけ…?でかいビルが沢山並んでいる!!街中にもテレビがある!!すごっ!
車の窓から見える未来の街の光景に俺はワクワクを抑えられないのであった。
読んで頂きありがとうございました!
また更新致します!