第七話 式神と新事実
父さんとの授業を始めて数日が過ぎた。
「今日は怪との戦い方について勉強していこうね!先ずはどんなイメージがあるかな?」
「札や印を使い術を使う他、怪と契約し契約を結んだ式神と呼ばれるものを使役し戦います!」
「正解!燿蓮は良く勉強をしているね!そうだね…術を使い直接怪と戦う他式神を使役し戦う。父さんも何人か契約していて実際に戦闘の時に力になって貰っている。式神は無制限に契約はできるけど
"生まれ持った霊力には上限がある"から、結果的には皆んな大体4体程度になるかな!霊力を沢山持っている人はもっと契約しているよ!」
……生まれ持った霊力に上限がある…?
「…父さん…霊力って増やせるよね…?」
「えっ?霊力は増やせないよ…?」
……えぇぇぇぇぇ?!えっ?えっ?
ここでまさかの新事実が判明したんだけど!?
1000年後の未来では霊力は増やせない事になっていたんだけど!?
通りで父さんから霊力を使い切る事を日課にされなかった訳だわ!
「そ、そうだったね!俺間違えちゃった!あはは…教えてくれてありがとう…」
「?…燿蓮なんだか様子が変だけど……まぁ…どう致しまして!」
今までの人生(3年)で1番驚いた…
じゃあこの世界の人は自分の霊力を増やさないでそのままの…量で戦っていたのか…
「じゃあ授業の続きをするね!
陰陽師の弱点は呪文を唱える時や印を切る時に無防備になる事と、体術や剣術が出来ない人は陰陽術が間に合わない時に戦えない事だ。だから式神に代わりに戦って貰ったり、守って貰うんだ。
式神は倒されても何度でも蘇る…これは式神の核…命の源が使役者の霊力になるからだね!
式神は一度倒されると力の弱い怪の場合はすぐに蘇生できる。蘇生に必要な霊力が少ないからね。逆に高位の怪は少し時間がかかる。霊力が沢山必要になるからね!
ただいずれも使役者の霊力に依存するから蘇生する時間は変わってくるよ!
霊力が豊潤な人は高位だろうが低位だろうが、すぐ蘇生が可能だ。…最悪逃げる為の身代わりにするのも戦略の一つだ。」
式神を駒としか見ていない奴らは一定数いる。
そんな脆い関係性だと連携がうまく取れず、いざ実践に入ると戦えなくなるのだ。安心して背中を預けられない。
「燿蓮はどんな怪と契約したい?」
……前世で契約を結んでいた彼らはまだ生きているだろうか…?黒曜の式神や罠によって閉じ込められた者もいる。
俺はもう一度アイツらと契約を結びたい。
「ん〜とね…背中を預けられるような怪が良いな」
アイツらの顔を思い浮かべながら父さんに伝えた。
「…そうだね!きっと契約できるよ!」
「うん!」
「最後に式神と契約するときの呪文だけ覚えようか!いつ運命の怪と出会うか分からないからね!」
「分かったよ!」
「いくよ…
"我 朔馨が命ずる ○○よ 我と魂を結び 我が式神となれ"
というんだよ。分かったかな?」
○○というところには怪の種族名が入る。
式神の契約の呪文は変わっていないようだ。
「分かったよ!」
「これを唱えれば大抵の怪とは契約を結べるけど、やはり高位の怪になると相手の承諾がないと結べない場合があるから気をつけてね!」
「はーい!」
こうして今日の授業はおわるのであった。
もう少し成長して、霊力も増えたらアイツらに会いにいこう…皆んな元気かな?
俺はアイツらに想いを馳せるのであった。
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