第二十一話 朝
「じ…ある…朝…よ…」
ん…む…なんか声がするな…
昨日は疲れたからもう少し寝たい…
後30分…いや1時間…ん〜…
布団を頭まで被り音をシャットダウンする
「ある…もう…ですよ!」
ん〜〜〜
体を強く揺さぶられる。
母さんかな…起こしに来てくれたのか…?
渋々布団から起き上がり目を擦る。
朝日にしては強い光が目に痛い…
「おはよう…♪主よ」
「あぁ…ぉはよぅ…ん?主?」
中々開かない瞼を無理やり開けて、声のする右横を見る。
そこにいたのは朝から見るには目が痛くなる程の美貌を持つ男…零が居た。
「うぉぉぉぉぉ!?うぇ?何で居るんだよ!?」
呼んでも無いのに…ッ!
「ん…?俺も主が夢から醒めた後すぐにコチラへ顕現してな…いざ来てみたら主は寝こけていたのだ」
「いや…呼んでいないよね…??」
「俺はこれから主と一緒にこちらで過ごすぞ?」
いやいやいや!聞いてないんだけど???
こちらで過ごすのは本気なのか直衣では無く
葡萄茶色の着流しを着ていた。
こちらの方がラフなのもあって更に色気が出ている。朝から見たく無いわ…色気の暴力…
「んで…何で現世で過ごすわけ?」
別に向こうの空間にいても不便は無いだろうに。
寧ろ怪だとバレたら面倒臭いでしょ…
「いやな…主と契約したことの影響か俺の穢れが全て浄化されてのぉ…長年の溜まりに溜まっていた障気が辛くてな…あの空間の空気は肌に合わん。」
つまり障気が無理になったと。
「しかも!せっかく主と契約したんだからな…主と一緒に過ごしたいし、現世の景色や料理美酒娯楽
を楽しみたいだろう…?」
絶ッッッ体こっちが本音だろう!!
「あぁ!そういえばな…ここら一帯に弱小な怪がわらわらいたので一掃してきたわ…!これからこの地域に影響を及ぼしそうな…第四階級程度もウロウロしていたから殺してきたぞ?お父上の負担も減らせるだろう♪」
「セ○ムかな?それともアル○ック?」
「主が住むこの地域に住む愚か者はいらぬだろ?」
まあ…正直助かった。
父さんもちょくちょく力の弱い怪を見ては無償で祓って居たからな…
それが一気に消えたのならば父さんの負担も労力も無くなった。
「それは…助かった…有難う。」
「お安いご用だ!」
褒められた事が嬉しいのかメチャクチャ喜んでいる…なんか犬の耳と尻尾が見えてきた…ブンブン振ってるわ…
「それにしても…もう怪我は回復したんだな…」
零の体には傷一つない…美しい白玉の肌だ。
「それは主と契約したからな…♪既に怪を祓っているしな」
「あぁ…そういえば治るんだった」
式神契約した特典なのか怪我を負った怪は契約が締結した後、その前に負った怪我は
全て回復するというオプションがあったな…
すっかり忘れていた。
「でだ…こちらに顕現するのは別に良いが父さん達には何て説明して此処に住むんだ?今の所両親が
お前を見たら、勝手に家に上がり込んだ不審者だぞ?」
別にこちらに居るのは構わない。
ご近所さんに迷惑をかけなければな…
だが父さん達に何て説明すれば良いか分からない。
昨日の夜に夢渡りの術を使用して零の領域に入り
戦闘になった結果、式神の契約をした。
何ておかしいだろう!言えるか!…俺5歳だからね?まだ…中身はいい歳したオッサンだけど!!
零が黙り込み神妙な面持ちになる。
「…そういえばそうだな…
俺は主のご両親からみたら…不審者だな…
どう説明するか…」
いや!ノープランなんかい!!
もう決まってるかと思っていたよ俺は!!
俺達は零がこの家にいてもおかしくない理由を
アレでもないコレでもないと頭を唸らせながら抱えて暫く時が過ぎた後…
スパンと襖が開いた。
「燿蓮!もう朝の10時になる…ぞ…?て…
えっ?誰!?ぇっ!不審者??」
父さんが俺を起こしに部屋に入って来ちゃった!!
朝から忙しくなりそうだ…。
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