第二話 現代を知る
それから何度か太陽が沈み浮かびを繰り返し、数日経過した。この数日間で分かったのは、まず此処は約1000年後の日ノ本…日本。我がいた世界の未来だ。都は京では無く、東京という場所になっていた。驚く事になんと鉄の塊…"飛行機"というものが空を飛び、"電車"と"車"、"船"がある。船は前世でもあったが、木製であんな速く動かない。
夜でも"電気"というものが暗闇を照らし、いつでも明るい。"スマートフォン"と呼ばれる小さい長方形の箱なんか、遠くに離れた相手といつでも連絡がとれ、人々と繋がれる。あんな小さい箱の中に色々な機能が入っており、なんと娯楽まである。
……たった1000年でここまで発展するとは…人とは恐ろしいな…。あと"テレビ"で映る外の様子を見る限り、平安の世よりも"怪"が蔓延っている。
怪とは妖怪や怨念、呪い、霊などの総称のことである。人体に悪影響を及ぼす個体も居れば、破壊の限りを尽くす個体も居る。
未来はかなり怪が身近にあるみたいだ。
あと我が生まれた家はそこそこ由緒正しきお家であり、先祖は公家だったみたいだ。その公家の当主に霊力があり、陰陽師を兼任していたのが始まりらしい。
父、朔馨、28歳は歴代朔家の中でも中々強い陰陽師だ。
…平安の世で"朔"という家は聞いたことが無いが、多分我が没した後に作られたのであろう。
父の顔は大層整っており、甘い顔立ちに凛とした雰囲気のある佇まい。少し癖のある明るい髪色…左の目の下に泣き黒子まである色男だ。陰陽師より"俳優"と呼ばれる役者の方が父の顔的に向いている気がする…。
母は朔寿美、26歳はまるで日本人形のような容姿をしている。おっとりとした雰囲気の持ち主で、霊力は少しだけ持っているが陰陽師では無い、一般の生まれだ。母も俳優をやれるくらい美しい。
父と母は運命的な出会いを果たし、恋愛結婚したそうだ。現代では恋愛婚は珍しく無いらしい…良い事だ。
…きっとこの美形夫婦から生まれた我の容姿は、かなり格好良いだろう…未来に期待だ。
これが我が数日間かけて集めた情報だ。赤子の身だから、父と母の会話や電話を盗み聞いたり、たまに来る客人の話を聞く程度しか無いのだ。
…まぁ陰陽師がまだ必要とされている事が分かっただけでも良いだろう。居なかったら我の特技が活かせなくなる。
2度目の生でも霊力は授かっている為陰陽師には十分になれる…この生では絶対的な存在になろうと思っているので、霊力を前世の総量よりも増やしたい。しかも赤子の時から鍛え始めるので、少なくとも10倍…100倍くらいは欲しい…力は有れば有るほど良いからな。
そうと決まれば今日から訓練開始だ!!
よし!前世を超えるぞ!!
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