第十八話 戦闘(下)
ー八岐大蛇ー
一つの胴体に八つの頭と八つの尻尾を持ち、
鬼灯のような赤い目に体には檜や杉が生えている。
八つの谷と八つの山を跨ぐほどの巨大で腹はいつも血で汚れている…ただただ恐ろしい姿。
で知られている台じゃだ。
まさか神話級の怪がこんな所にいて、俺を狙っているとは…思ってもいなかった。
普通は思わないだろう!!こんな化け物に目を付けられるなんて!!
今は普通のマンションくらいの大きさだか、
これでもデカすぎる。
完全体じゃなくて本当に良かった…
…手に負えないぞ!こんな怪物…もし現世に顕現していたら国家壊滅だ…末恐ろしい…
捕食者特有の雰囲気を出しながら奴は…八岐大蛇は言った。
「さぁ…第二幕といこうか!!」
…いきたくねーよ!!内心悪態をついた。
そう言った瞬間奴は顎を開き霊力を集中させて
滝鉄砲を発射させる。
多重結界や樹壁、烈風を駆使しても勢いは殺せず
俺は遥か遠くの木々の所まで吹き飛んだ。
「ガァッッッ!」
痛い。
背中を強打した…ジクジク疼き出し熱を持つ。
本当の肉体では無いから現実世界には支障は無い事だけが救いだ。
こんな怪我を寝ている間に作っていたら両親は驚きだ。
「まだまだいくぞ…♪」
ご機嫌にドンドン水が放たれる。
…ッッッく!避けきれない!
物凄い量の毒水が襲いかかり辺り一面ぬかるんでいる…地面が緩んでいるので踏ん切りが付かず凄く走り辛い。
霊力が無いのが影響しているのか攻撃は凄く単調だ…滝鉄砲を打ちまくるだけ。
だが、物凄い威力に致死量の障気。
今は掠っても結界で守られているが、いつまで保つか…
長時間全力疾走して肺と横腹が痛い。骨が軋む。
霊力も心許ない量まで無くなって来た…
早めに決着をつけなければ。
考えろ…状況を把握するのだ。
どんな局面でも冷静さだけは欠かない…冷静でなくなった瞬間待っているのは死。
…状況観察は命を繋ぐ大切な事だ。
見ろ!周りを!何か思いつく筈だ!
奴は今全身ずぶ濡れな上に大きくなったのが影響したのかそこからあまり動かない。
近くには先程作った巨木がある…
しかも奴は完全に舐めプ…
この条件で今出来るのは…コレにかけるか…
まずアイツを先程生成した巨木の近くまで移動させたい。
「土ノ行・地烈」
「土ノ行・岩槍」
「土ノ行・土流」
術を連発させる。
地を割り後退させ、岩の槍で方向を修正させる。
ぬかるんだ土流は奴を押す力になっている。
「こんな攻撃効くと思うか?」
奴は岩槍に向かって誘導したいのだろうと考えているのか、岩槍にだけ注意を向けている。
八つの頭からは止めどなく水を放出していて、威力には瀑布の如く。
「土ノ行・砂塵」
「風ノ行・烈風」
「混合技・砂嵐」
奴の視界を悪くしてドンドン神聖な巨木の方へ移動させていく。
「小癪な!!」
水を四方八方発射し奴は泥まみれだ。
ついに湖があった所に奴は転落して体が傾く。
「土ノ行・土流」
ぬかるんだ大量の土で一気に巨木の下へ追い込んだ。奴も暴れるが巨大に比例し体重もある為下に沈んでいくだけだ。
ドンドン土流で押し流す…よし…丁度良い場所だ。
ここで奴の動きを制限する。
「金ノ行・鉄鎖縛」
普通の鎖では奴の障気に侵された体に触れるだけで
腐り落ちてしまう。
…だから
「光ノ行・輝浄」
「混合技・輝浄鉄鎖縛」
聖なる鎖とし障気を浄化しながら縛っていく。
巨大だから一度雁字搦めに縛られれば動きは取れなくなる。
「き、貴様ァァァァァ!」
八岐大蛇は鎖を解こうとするが逆効果になり、更に鎖が複雑に絡み合う。
浄化の影響で奴の体からは少し煙が出ていた。
「動きを封じた所で俺は殺せないぞ!」
怒り出した奴は血を揺らし抵抗を続けていく。
立っているのが大変なくらいだ。
水も大量に放出される…好都合だ。
俺は巻き込まれないように、自身に欠けた結界を更に強化して地面との接触を無くし完全に箱の中にいる状態になる。
…これで準備は整った。
ここまで順調に進むとは…
冷静を欠いていなかった八岐大蛇だったら気付いただろうに。
俺が狙っていたのは…!
「雷ノ行・雷絶」
天地を揺るがし裂くような稲妻が走り轟音を響かせながら巨木に直撃した…高いものには雷が落ちるのを利用したのだ。
そして側電撃を起こし…奴に感電した。
そう。俺の狙いは凄い電圧の雷で奴を感電させたかったのだ。
「ガァァァァァァァァァァァァァァァ」
木々が揺れ絶叫が耳に劈く。
奴の体は電気の良導体の鉄の鎖で巻かれ、内臓にまでダメージを負わせられるだろう。
ぬかるんだ地面は効率的に電気を伝える。足元から感電する…確かステップ電圧といったか。
濡れた体は皮膚の抵抗を大幅に下げ電流が体中を巡る。
雷が起こした爆風で皮膚を裂き、電流で熱せられた鎖で火傷を引き起こす。
ジュウジュウ焼かれている音もして煙が立ち込める。
トドメだと言わんばかりに炎上している大樹が倒れ、奴に直撃した。
奴は悲鳴を上げながら巨体を揺らしていく。
暫く時が経ち煙が治った。
木下から這いずりながら出て来たのは、ボロボロになった人姿の八岐大蛇だった。
そこで力尽きたのか奴はぐったりと地に伏した。
俺の勝ちだ。
読んで頂きありがとうございます!
ようやく戦闘パートを描き終えました!
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