第十六話 戦闘(中)
「お主…一体何者だ?」
真剣な表情で問われる。
…何者か…
前世も陰陽師をやっていた普通のオッサン…
家族や大切なものを守れなかった腑抜け…
色々思い浮かぶがコイツの問いに合う答えはないだろう。
「……ただの陰陽術が使える5歳児だ。」
「ほぉう…ただの… 見た目がこんなに幼い子供が
俺と渡り合い、五行以外も扱えるのか…」
めっちゃ怪しまれてるが仕方が無いだろう。
「まぁ…何にしろ楽しめそうだ…♪」
良かったァァァァァ!深掘りされなくて!
先程からコイツが"五行"と言うが陰陽術は基本
火・水・木・金・土
の5つに分類される。普通の陰陽師はこの5つを駆使して怪と戦う。
だが稀に五行以外を使う陰陽師がいるのだ
…俺みたいに。
天性の才能もやはり関係してくるが、1番の要因は陰陽術を極めたかどうかだ。
1つの術に詳しくなり研究して編み出す。
これが五行以外の行を作る秘密だ。
つまり勝手に作ったオリジナルの技…
これでいくと行の種類は無限にある。
だが極めるという事は難しく、人の一生で1つ編み出せるかどうかというレベルだ。
大体は五行で済むし…極めて研究って工程は地味だし時間がかかる。
…俺?俺はまぁ…色々オリジナルの行はあるよ…
式神達の能力や協力もあってね。
名家では、先祖が編み出した行を奥義とか秘伝とかにして子孫達に相伝しているところもあったりした。
…現代でも術は継承されているのかな…?
扱えるかどうかは、その人の技量にもよるので
案外喪失しているかもしれない。
…今は考える事じゃ無いな。目の前の敵に集中しないといけない。
札を取り出し呪文を唱える…今度はこちらの番だ。
「風ノ行・風刃飛来」
不可視の数え切れない風の刃が大量に生まれ
奴に襲いかかる。
…いずれも水の壁に阻まれたり避けられたが…
しかも笑顔で…腹立つわ。
「面白いなぁ…こんな気持ちになったのは久しい…♪童。もっと楽しませろ…♪」
俺は楽しく無いけどなッッッ!
奴が手を振った瞬間、地響きを上げながら湖から大量の毒水が押し寄せてくる。
…まるで津波のようだ。
流石にこの量では火は使えない。
「木ノ行・樹壁」
「多重結界」
大きい木が絡まり合い俺を守る。
木の隙間から漏れ出る毒水は結界で防ぎ
何とか術を乗り越えた。
術が終わった瞬間カウンターを仕掛ける。
「風ノ行・裂風」
激しい風を巻き起こし空気を切り裂く。
この体制から反撃をするとは考えていなかったのか動揺の色を見せた。
奴は防御が間に合わず俺の攻撃を防ぎきれなかった。ようやく1本とれた…
…頬に一筋傷を入れたくらいだが…だけど
「……この俺に正面から挑んで傷を付けるとは…天晴れだ!!」
奴にとっては驚きの展開らしい。
めっちゃ興奮してる。
はぁ…戦いは始まったばかりだ。
読んで頂きありがとうございます!
日曜日は2回更新できたらな…って思ってます!
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