第十五話 戦闘
両者睨み合い一歩も動かない。
奴はニコニコ笑いながら此方を見ていて不気味だ。
間に流れている空気は最悪で、出方を間違えれば
簡単に死ぬだろう。
先に身体強化の術を強化しておき、キモ男を観察する。
力の大半を失ったとか言っていたが…マジか…
この霊力の威圧は普通じゃない。
前世でもこれくらい出せた怪は中々遭遇しなかった。
…これがもし全力本気だったら今の俺では到底太刀打ちできなかっただろう。
運が良いのか悪いのか…
周りの状況からして奴はまず封印や祀られていた可能性が高い。
しかも奴は蛇を使役していたり、近くに巨大な湖がある事から、水に由来する怪…多分蛇神に近い怪…
祟りや呪術なども使うか…?
「何やらずぅっと考えているようだが…
来ないなら此方から仕掛けるとしよう。」
思考が遮断される。
奴は優雅に手を振り笑みを浮かべた瞬間、大量の霊力が発される。
「…ッ!」
湖の水が蠢き轟音が広がる。
水は形を変え巨大な蛇のような姿になった。
俺は札に霊力を流して結界を張る。
淡い光が溢れ出し俺の周囲を囲むように広がり形を成す。
水蛇は狙いを定めて、結界ごと俺に上からかぶりついて来た。
…くっ…ッ!重いっ!込められた霊力もだが水圧も負担になる。
…このままでは飲み込まれる!!
「火ノ行・火龍」
内側から業火で出来た燃え盛る火の龍で身を護り、水蛇を蒸発させて相殺する。
火龍はそれでも残っていたので、そのまま奴に向かわせたが火龍を消し止められる量の水で術を殺された。
…やはり根本的解決には火はダメだ。
こうやって消し止められる。
周りを見たら水に障気が含まれていたのか、奴が霊力で生成したのか…
水蛇が接触した地面が強い毒の障気で、ぶくぶく煙を上げながら腐食していた。
これは…厄介だな…
身体強化の術の他に強力な浄化の結界を張る。
技を直接浴びなければ大丈夫そうに見えるが、腐食した地面からも障気を感じる。
…時間が経つにつれ障気は強烈になっていくだろう。
「ほぅ…あれを耐えたか…くっくっく…
やりおるなぁ…大抵の術士は今の技だけで死ぬ。
流石俺が見初めた人間だ…♪」
凄く上機嫌そうになり満面な笑みだ。
…顔面がコイツは何度も言うが凄く良い為、この笑顔だけで国が傾くかも知れない。
…しかも全然余裕そうだ。
絶対目新しい玩具にしか俺を見ていないだろう。
「ほれ…おかわりをやろう!」
先程の水蛇が5体になった上に1体1体の威力が10倍くらいに跳ね上がっている!
…クソが!1体でもキツいってのに!!
「多重結界!」
幾重にも頑丈な結界を張った上に術を発動させる。
「火ノ行・火焔火絶」
地獄の業火が渦を巻き、地面を灼きながら水蛇を迎撃する。
…この術でもやはり、攻撃を防ぐ事しか出来ない。
「くっくっく…!一回だけ攻撃したきり俺の術を防ぐ事しか出来ていないなぁ…♪」
嘲笑だ。完全に舐められている。
あまり使いたくなかったが…仕方がない。
出し渋っていると死ぬ…これ以上奴の興味を引きたくなかったが…
札を取り出し術を唱える。
「風ノ行・旋風」
札を起点に風が生まれ、奴を取り囲み渦を巻いて吹き荒れる。
…だが渦の中から大量の水が放出されて消された。
今の火力じゃ足りなかったみたいだ。
「まさか…五行以外を扱えるとはな…驚きだ…」
「その年でこの熟練度…お主…一体何者だ?」
此処で初めて奴の顔が真剣なものになった。
見て下さり有難う御座います!
戦闘シーンは難しいですね…
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