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第十三話 異界

浅瀬を揺蕩うような感覚がする…心地が良い。

まだ五感はハッキリていないが時間が経つにつれて

次第に明確になる。


…どうやら術は成功したみたいだ。


辺りを見渡すと一面木でできた海…森だ。


空は逢魔時の色をしていて、ここが完全に相手の領域だと確信する。


木々の間からは此方を伺うように蛇達が覗いている

…向こうは俺の存在に気付いたようだ…

札も大量にあるし、霊力もある。


この広い森の中を歩くだけで時間は過ぎてしまう。

やる事は一つ。


霊力を薄く、広く伸ばし網目の細かい網を自身から

数キロ先まで広める…敵を探索する。


…うん。この奥に敵は居るだろう


向こうは存在を隠す気がないのか、容易に霊力、生命反応を見つけられた。


…俺が出向くのを待っているみたいだな。

お望み通り行ってやるよ…待っていろ。


俺は札を一枚取り出し呪文を唱える。

身体強化の術だ…これにより身体能力は大幅に向上し、通常の人間の数倍より速く動けたり、力が上がる。


軽くストレッチをした後、地面を蹴り走り出す。

風を切り裂き石や木の枝などの障害物を飛び越えただ駆け抜ける。

俺の状況を把握する為か道中沢山の蛇に遭遇したが

此方を見るだけで何もしてこない。


…随分と余裕みたいだな…相手は。


敵に近づけば近づく程霊力の濃度は上がり、やがて

穢れ…障気まで現れ始めた。


この雰囲気…只者ではない。


空気が重苦しい…肺に溜まって澱んでいる。


これは第一階級…第零階級の怪だ。

前世で対峙したような…背筋が自然と伸び、鳥肌がたつ感覚がする。


…今の俺に祓えるか…

いや祓って見せる…家族に仇なすならば…!


森を駆け抜けた先には、木が一切生えていない空間に出た。


古びた朱色の鳥居が何本も立ち並んでおり、奥には壊された祠が見えた。


…封印されていたのか。


今は何の姿も見えないが必ずこの空間の何処かに居る。警戒を最大限まで引き上げ周りを見る。

解け土で汚れたしめ縄や破けている大量の札。


そして中央にある巨大な湖。


敵は水に関係しているのかもしれない。


辺りを隙間なく観察していると、次第に霧が立ち込めてきた。


「…くっくっく…ここ迄来るとは…大したものだ。」


艶気を含んだ光沢のある耳触りの良い声が響く。


「その…香りの良い大量の霊力に…輝きが変わっている魂…実に良い…興味が注がれる…。」


愛しい人に睦言を伝えるような声音で喋る。


「う〜ん…近くで見れば見るほど…小童が欲しい…遠くから見るのとでは、やはり違う…♪」


……キショい。普通にキモい。


「良い加減、姿を現したらどうだ…?」


人を見定めるような、舐めるようなネットリとした視線に、気持ち悪い言葉…実に不愉快だ。


「ふっ…それもそうだな…姿を見せてあげようぞ…?」


霧がだんだん薄くなり視界が晴れていく。














…そこに居たのは1人の男だった。

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