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第十一話 面談

松田さんが退出した後も父さんは、黒色に変化した液体をずっと見ている。


「まさか…ここまでとはね…才能あり過ぎだよ…」


何かずっとぶつぶつ呟いていて話しかけづらい。

母さんは先程の2人の様子を見てから不安に思ったのか、俺と手を繋ぎながら心配そうな表情をしていた。


「お待たせ致しました。申し訳ありませんが応接室まで移動をして頂きます。」


扉が開き姿を現したのは小倉さんだった。


「では、参りましょう。」


俺達は彼に先導されながらエレベーターに乗り

応接室まで向かう。道中は皆口を開かず、張り詰めた雰囲気を出していた。


エレベーターを降りて通路を真っ直ぐ歩く。

特別応接室とプレートが付いている部屋の扉を開けて中に入る。


中にいたのは右頬に引っ掻かれたような大きな傷を持つ厳ついおじさんがいた。


……只者ではないな…この雰囲気。


隙のない佇まいに豊潤な霊力。鍛え上げられた肉体は着物の上からでも分かる。


おじさんに促されて向かいのソファーに座る。

目が合い笑顔を向けられた。


「お久しぶりです…安倍会長。」


父さんがおじさんに向かって挨拶をした…

この人が現代最強と謳われている陰陽師…

安倍鷹虎か…

鉄壁の異名を持つのも頷ける。


「あぁ!久しいな馨よ!元気にしていて何よりだ…

隣にいる坊主がお前の息子だな!えらいイケメンでは無いか!…ふむ…確かにこれは別格だな…」


鷹虎さんにじっと見られている…気まずい…

俺が居心地悪そうにしているのに気付いたのか彼は自己紹介をしてくれた。


「不躾に見て悪かったな…

儂は現陰陽師協会の会長を務めている安倍鷹虎だ。階級は第一階級。

今は前線を儂の倅に任せていて隠居の身だ!」


「俺は朔燿蓮といいます!いつも父がお世話になっています!」


「キチンと自己紹介が出来て偉いな!」


ガハガハと豪快に笑いながら俺のことを褒めてくれた。


「あの!黒色の霊力って何ですか?」


俺は先程からずっと気になっていたのだ。

父さんは黙りだし、母さんは不安そうにしているし

なるべく早く疑問を解きたい。


鷹虎さんがこちらを見据え口を開く。


「黒色ってのは測定不能。第一階級じゃあ収まらない霊力の持ち主を表す色だ…つまり第零階級相当って事だな!」


測定不能…


「坊主程の霊力の持ち主は過去300年程遡ってもいない。近年稀に見るレベルだ。

こいつぁ…ちょっと厄介でね…そんなに量を持っていると怪に他の子供よりも狙われてね…最近は見ない第零階級の怪なんかにも目を付けられる。」


会長は真剣な表情をしながら話を続ける。


「今までは怪避けの術がかかっている家から出なかった事に加えて、お前さんのその制御力があったから第零階級のヤツらに遭遇しなかった。大抵の怪ならばお前さんの完璧な隠蔽で分からないだろうさ。

ただ、零階級は違う。アイツらは正真正銘の災害だ…化け物だ。

感覚の鋭い奴らにはお前の存在に今日気づいただろう。」


なる程。つまり一層警戒をしないといけないと言う事か。


「だから、お前さんは他よりも強くならないといけない…喰われないためにな。そこでお前に課題を出す。」


……課題。


「通常は満15歳から陰陽師になるが、お前さんは

特例として満10歳の時に試験を受けて貰い実践を積み対抗出来るようにして貰う。」



つまり…早く陰陽師としての知識を身につけ、怪との戦いの経験を積み第零階級もといい、強い怪と渡り合えるようになれと言う事か。

確かに実践に勝るものはない。


「そんな…10歳で…我々が燿蓮を守れば良い話ではありませんか!!いくら何でも早過ぎます!」


父さんはそう言うが俺としては他よりも早く陰陽師になれるのは都合が良い。陰陽師として自由に動けるようになる。


「確かに儂等が守れば良いかも知れない。

だが儂等が死んだ後もそう言えるか?

いつ死ぬか分からない身だ。一刻も早く燿蓮が強くならないと坊主の命にも関わるぞ。実践に勝るものは無い。経験から強くなるだろう…それは馨も知っているはずだ。」


「…ッ!そ、それは…」


唇を噛みながら父さんは俯く。

確かに息子が心配なのも分かる…が…俺は…


「坊主。お前はどうしたい?勿論協会は全面的にバックアップする。」


そんなの決まってる。俺が怪我をするのは構わない。だが第零階級が出るとなると…周りを巻き込む…父さん達が危険な目に遭う…それは許せない。


「分かりました。10歳になったら試験を受け陰陽師になります。鷹虎さんが言うように、実践に勝るものはありません。」


「「燿蓮!!」」


父さん達がこちらを見る。


「俺は強くなるよ…だから父さんと母さんには見守っていて欲しいな。」


2人は俺を見たまま静かに頷いた。


「決まりだな…馨。今日から坊主が10歳になるまで坊主を優先しろ。仕事はこちらで何とかするが…どうしても必要な時は出て貰う。」


「……分かりました。」


「坊主…この札を持っていけ。この札は更にお前の存在を隠蔽する術がかかっている。肌身離さず持っていろよ。」


会長は懐から札を取り出して俺に渡した。

確かにこの札は強力にな術がかかっている。


「あとはなるべく今まで通りに暮らしていけ。

今日から急に厳戒態勢をひいたらバレる可能性もある…そこは馨に任せるぞ。何かあれば直ぐに連絡をしろ…第二階級以上の陰陽師を向かわせる。」











こうして俺の待遇が決まり協会を後にした。

俺は10歳の試験に向けて強くなる。その為にはまだまだ霊力が足りない。

既に第零階級相当の力は持っているが第零階級の怪には今のままでは太刀打ち出来ない。

前世からの経験を持って言える。

だからもっと努力をしなければ…そう意気込んで空を見上げるのであった。
























……だが魔の手は直ぐそこまで伸びていた。

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