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異世界スイートテイル 〜狐の嫁入りは誰にも見られてはいけない掟なのです(肉球マーク)。  作者: 2番目のインク
第三部:戦闘民族編

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骸の国で、死神が泣く

カテリーナの勢いが、ふいに止まった。


目が大きく見開かれる。

その瞳に、みるみる涙があふれた。


「あ……ああ……」


喉の奥から、押し殺した声が漏れる。


「あ”あ”~~~~~~~!!!」


視界の先にあったのは――


あの鎧。


見間違えるはずがない。


メイダの鎧だった。


その瞬間、別の影が目に入る。


ストライプの洋装。

色あせた道化の衣。


「……ネクロス!?」


骨ばった顔が、にたりと歪んだ。


「おやおや、名前を覚えてくれてたんか。

 うれしいわぁ」


ネクロスは肩をすくめる。


「しかも、また会えるとは思わんかった。

 どうや?」


骸のメイダを四つん這いにさせると、

その背に腰を下ろした。


まるで椅子のように。


「わてのメイダ・コレクションは?」


骨の指で骸の頭を叩く。


「なかなかのもんでっしゃろ?」


カテリーナの歯がきしむ。


「き……」


拳が震える。


「きーさーまーーーー!!!!!!」


噛み締めた歯の隙間から、血がにじみ出る。


その瞬間、カテリーナの髪が逆立った。


握っていたウォーハンマーが軋む。


金属が歪み、形が崩れ――


やがてそれは、

巨大な死神の鎌へと変じた。


銀髪が、音もなく漆黒へ染まっていく。


毛先だけが赤く燃える。


燻る炭のように。


そして瞳は――


深紅。


ネクロスが一歩後ろに下がった。


「おーこわ」


だがすぐに肩をすくめる。


「まあ、あとはアンデッドちゃんに任せるわ」


骨の指をひらひら振った。


「ほな」


影が揺れる。


ネクロスの姿が闇に溶けていく。


「逃げるな!!」


カテリーナが地を蹴った。


だが、その前に。


無数のアンデッドが、

壁のように立ちはだかる。


骸の軍勢。


かつてのメイダたち。


カテリーナの赤い瞳が揺れる。


それでも――


死神の鎌が、ゆっくりと持ち上がった。

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